努力しても平均的だった俺が異世界召喚された結果

沖 那紗加

二十三話 ゴブリン討伐は面倒だった

建物の中にいるゴブリンの数は数えることが出来ないぐらい多い。
流石に弱いからと言ってこれはやる気をなくす。
更に建物の中なので範囲魔法も打てない。どれだけ時間がかかるのだろうか。本当に面倒くさい。

「仕方ない、やるかー」

面倒だが、頼み事を受けたのだからやるしかない。俺は深呼吸をして無理やりやる気を絞り出す。
そして、強く地面を蹴った。

ゴブリンを観察していた俺にすら気づいていなかったゴブリン達が俺の突撃に気づける訳もなく、剣を振れば百発百中で当たる。

「それにしても、どれだけいるんだよ...」

俺はゴブリンを狩っている途中でそう呟いた。本当に数が多い。
何故こんなにいるのだろうか?
何が起きているのだろうか?
とゴブリンを狩りながら頭の中で考える。

そしてふと思い出したことがあった。あれは確か魔王についての話を聞いていた時のことだ。

その話によると、魔王やそれに近しい魔力量を持つ者がいる場所は魔物が湧きやすくなり、大量発生することがあると。

つまりは、この近くに魔王レベルの魔力量を持つ何か・・・がいるという事だ。

「ほんと、面倒なことしかないな...」

異世界にこれてよかったとか思っていた自分がアホらしくなるぐらい面倒事しかない。

何故こんなに面倒事が起こるようになったのだろうか?
地球にいた頃は全然そんなことなかったのに、と心の中で嘆きながら、どんどんゴブリンを討伐していく。


数分後、目視できる範囲のゴブリンをすべて倒し終えた。
因みに、この建物の中には人はいなかった。
てっきり人がいるから集まっているのかと思ったんだが。

「さて、一旦エリスのところ戻るか」

俺は走ってエリスのところに戻るのだった。

エリスは馬車の前で剣を構えて立っており、周囲を警戒している。

「おーいエリス」

俺は叫びながらエリスに走って近づいていく。

「リョウタ...?」

俺の声に気づいたエリスが振り向いて、え?というような顔になった。そこで俺は思い出した、俺の走るは普通の人からしたら消えるという事だと。
俺は徐々に減速していき、エリスの前で止まる。

「エリス、何も無かったか?」

「今のが一番驚いたよ!」

珍しくエリスが少し叫び気味にツッコんできた。
やっぱり驚くもんなんだな。
次からは気をつけよう。

こうして俺は大量のゴブリンを討伐したのだった───。

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