努力しても平均的だった俺が異世界召喚された結果

沖 那紗加

二十二話 敵の数は異常だった

街に何が起こっているか把握するために様子を見て回っていると、この街が魔物に襲われていることがわかった。
街の至る所に魔物とヒトの死体が散乱してしており、それはもう地獄絵図だ。

「ひどいですわね...これは」

そう言ってレイアは下を向き、唇をグッと噛み締めた。
この街はスイレイ王国に属しており、自分の国の民たちがこれだけ殺されていたら最悪の気分だろう。もし他国であったとしてもいい気分はしないのに。

「レイア、大丈夫か?」

「はい、大丈夫です」

大丈夫とは言ったものの、レイアはかなり苦しそうだ。
仕方がない、一度馬車に戻るか。

「レイア、一旦馬車に戻るぞ」

「その前に、リョウタさんお願いがあります」

「ん?お願い?」

「はい」

レイアは返事だけして、顔を上にあげて、俺の目をじっと見てくる。そして、あげた頭を勢いよくさげた。

「この街の人達を、助けてください!」

普通、王女様は頭を下げていい立場ではない。しかも誰が見ているかわからないところで。
だが、それでも街の人達を助けて欲しいのだろう。

「分かった、王女様の頼みだから断れないな」

俺がおねがいをきいてくれることがわからと、レイアは頭を上げて表情を明るくさせた。

「ありがとうございます!」

さあ、レイアにお願いされたし魔物倒してくるかー。
ワイバーン倒した時にレベルだいぶ上がったし楽に倒せるだろう。

「エリスはどうする?」

「私は王女様とロイエさん達を守っとくね」

「そうか、有難い。じゃいってくるわ」

俺は手を振りながら走り始める。
たぶんエリス達からしたらもう既に消えているだろう。

「さて、魔物はどこかなー!」

少しテンションがおかしいが気にしないで欲しい。最近面倒事が多くてこういうテンションじゃないとやっていけないんです。

俺がおかしなテンションで走っていると、建物の中に動いている影が見えた。

「魔物はっけーん!」

すごい勢いで建物に突っ込んでいく俺。周りから見てみるとやばい人にしか見えないだろう。
だが今は周りに誰もいないので気にしなくても大丈夫だ。

建物に入った俺は直ぐに影の方へ行く。

「さーて、どんな魔物だー?」

俺はそう言いながら、影の先にある正体をみる。
その正体はーーーゴブリンだ。

「え?」

俺は驚いて固まった。
別にゴブリンがいたから固まった訳では無い。さっきからゴブリンの死体はよく見ていたかだ。
じゃあなぜ驚いているかというと、数が異常だったからだ。
ゴブリンは建物いっぱいに埋め尽くされていた。

「ほんと、数が多ければいいってもんじゃないぞ。ワイバーンもゴブリンも」

俺はゴブリンの数にげんなりするのだった───。

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