努力しても平均的だった俺が異世界召喚された結果

沖 那紗加

八話 キマイラ討伐は大変だった

俺は結局無心になり、気づいたら朝が来たという感じだった。

だがこの間にも身体強化は使い続けているので、スキルレベルはだいぶ上がった。
約9時間使い続けた結果がこれだ。

スキル

言語理解 Lv.5(10/50)
ステータス鑑定 Lv.5(10/50)
身体強化 Lv.5(10/50)
火属性魔法 Lv.5(10/50) 
ファイアボール 
ファイアウォール 
ファイアバレット 
エクスプロージョン 
ファイアブレード
水属性魔法 Lv.5(10/50) 
ウォーターボール
ウォーターウォール 
ウォーターバレット
フリーズ 
アイスブレード
木属性魔法 Lv.5(10/50) 
ウッドボール
ウッドウォール 
ウッドバレット
ウッドバリア 
ウッドブレード
風属性魔法 Lv.5(10/50) 
ウィンドボール
ウィンドウォール 
ウィンドバレット
ウィンドバリア 
ウィンドブレード
土属性魔法 Lv.5(9/50) 
サンドボール
サンドウォール 
サンドバレット
ロックボール 
ロックウォール
闇属性魔法 Lv.5(9/50) 
ダークボール
ダークウォール 
ダークバレット
ダークフォグ  
ダークブレード
光属性魔法 Lv.5(9/50) 
ライトボール
ライトウォール 
ライトバレット
サンダー 
ライトブレード
剣術 Lv.5(9/50)
体術 Lv.5(5.82/50)

俺は魔法がそれぞれ3個ずつ増えていたので、すぐに使おうとしたが、ちょうどエリスが起きてきたのであとで試すことにした。

「エリスおはよう」

「リョウタおはよう。何も無かった?」

「ああ、何も無さすぎて暇だった」

「やっぱり何も出なかったのね。この辺りは魔物が少ないから、暇なのよ」

エリスはそういったあと、俺にお疲れと労いの言葉を言ってから、朝食の準備を始めた。
準備と言っても完成したものを出すだけなのだが。

俺は椅子に腰掛けて、エリスが並べた料理を食べる。
するとエリスがパンを片手に持ちながら俺に話しかけてきた。

「リョウタ、1つ質問いい?」

「なんだ?」

「リョウタのステータスってどうなってるの?私かなり高い自信あったんだけど」

確かに高いだろうな。
エリスは、スイレイ王国に5人しかいないSランクの内の1人なのだ。
その冒険者のステータスが低いはずがない。

「基準がわからないからな。高いも低いも分からない」

「そっか...、私のステータス見る?」

「見せていいのか?」

「別に大丈夫でしょ」

そう言ってエリスは冒険者カードを取り出した。

前にも説明したと思うが、冒険者カードにはステータスを表示する機能がある。

ステータスの表示方法は簡単だ。
冒険者カードに魔力を流すだけだ。

この世界には魔力が無いものはいないらしい。量の違いはあれど、0は絶対にないそうだ。
だから魔力を流して、表示するという方法なんだとか。

エリスは冒険者カードを俺に渡してきた。そこに数字が書かれている。

エリスは、冒険者カードに魔力を流して俺に手渡してきた。
そこで俺は、ステータス以外で、驚いたことがあった。
なんと、ステータスは魔力を流し続けなくても表示されるのだ!

まあそんなどうでもいい事は置いておいて、エリスのステータスを見る。

エリス・フレイア

Lv.51

HP 35000
MP 3200
STR 12000
DEF 8000
AGI 6000

エリスのHPは俺よりも高いがそれ以外はかなり差がある。
俺はエリスのステータスを見て完璧なパワー型だな、と思った。

「このステータスは高い方か?」

「だいぶね。まあSSSランクとかになれば、もっと高いんだろうけど、これでも相当高い方よ」

「そうか」

「それでリョウタのステータスはどんなの?」

俺はエリスにそう聞かれて見せるか悩んだ。

俺のステータスは一部が特化している訳では無く、全てが2万を超えている。
これを見せていいのだろうか?と俺は考える。

だがエリスが見せてくれているのに俺が見せないのは礼儀がなっていない気がする。

俺は悩んだ結果冒険者カードを取り出し魔力を流して、エリスに渡すことにした。

すると冒険者カードを見るなりエリスの表情が驚愕に染まる。

「リョウタ、何このステータス!?」

「何ってなんだ」

「ステータス高すぎない!?」

「ああ、高いな」

「高すぎるよ、このレベルでどうやったらこんなステータスになるのさ!」

「あ、レベルのこと忘れてた...」

忘れていたが俺はまだLv.7だ。
そんな奴がエリスよりHP以外の全てのステータスにかなりの差があるのは、どう考えてもおかしいだろう。

これは誤魔化せそうにないので、どうやってそうなったかを少しだけ話すことにした。

「なんか、エリスと戦ったら俺の能力でそうなった」

うん、嘘は言ってない。雑なだけだ。

「いや、意味がわからないんだけど...」

まあ、そうだろうな。
大事な部分を俺の能力だけで済ませているからな、仕方がない。

「まあ、俺の力ってことだ。気にすんな」

「気にするなって無理でしょ...」

そう言ってエリスはもう一度冒険者カードに目を向ける。
俺は気にせず朝食を食べる。
この後俺達は朝食の間喋ることは無かった。


俺達は朝食を食べたあともう一度馬車に乗り移動を開始した。

そして1時間ほどして目的地に着いた。馬車を出るとすぐ近くに森と遺跡のような場所があった。
討伐するキマイラは遺跡の中にいるらしい。

遺跡の中にいるのなら、討伐しなくていいのでは?と思うかもしれないが、これにはしっかりと理由がある。

それは、キマイラが遺跡から出て森を荒らす、という点にある。
この森の中にはかなり多くの魔物がいるのだが、それらは全てキマイラより弱い。つまり、キマイラに対抗できる魔物がいないのだ。

対抗できないのなら、どうするのかは簡単にわかるだろう。
逃げる。誰もがとる手段だ。
つまり、多くの魔物が森の外に逃げ出すのだ。

すると森の近くにある村の人々に被害が出る。
だから村に被害が出る前に冒険者ギルドに討伐依頼が出される。

ただ、キマイラはいつ現れ、いつ遺跡の外に出るかわからないので、手遅れになる場合も少なくはない。今回はそうでない事を願いつつ、俺達は遺跡に入る準備をした。

必要なものはほとんどないが、一応準備は必要だ。
俺達は片手にランプのようなものを持ちながら、遺跡に入る。

遺跡に入るとまず、階段が地下へと繋がっていた。横幅はあまり広くないが、歩くぶんには問題がない。

長く続いている階段をしばらくの間降りていると、人型で骨しかないのに動く魔物が壁から出てきた。

異世界の定番、スケルトンだ。
そのスケルトン達は、手に骨を持っている。その骨は鋭く尖っていて、簡単に人を刺し殺せそうだった。

スケルトン達は壁から出てきた勢いをそのままに、俺達に襲いかかってきた。一体は俺の方へ、一体はエリスの方へと。

「危ね!」

俺は完全に気を抜いていたので、スケルトンが出てきたことにかなり驚いていたが、なんとか攻撃だけは避けることが出来た。

避けたあと、体勢を戻してから、スケルトンの頭を思い切り殴る。
するとスケルトンの頭は、ボロボロと粉々に崩れていった。

俺の方に来ていた一体のスケルトンを倒し終えたので、エリスの方を見てみる。

エリスは剣を構えて、スケルトンが襲ってきたところを狙い、スケルトンを真っ二つにしていた。

もう一体のスケルトンを探してみると、既に真っ二つにされていた。そしてその近くに小さなクレーターが出来ていた。

「なあエリス、この穴なに?」

「思ってたよりこの魔物が硬くなくて、つい地面まで割っちゃった」

「確かにあまり硬くなかったな」

あまり硬くなかっのは、所詮は骨という事だろう。ただの骨ならば普通に砕いたりできる。

「まあ、進むか」

「そうだね」

俺達は再び階段を降り始めた。
何度かスケルトンに襲われたが問題なく対処できた。

しばらくすると新しい魔物が出てきた。今度は人型で、肉が腐って、所々肉がたれている魔物が出てきた。これも異世界の定番である、ゾンビだ。

ゾンビは5体いて、うー、あー、と言いながら近づいてきたが、すごく遅い。

俺は剣を抜き、ゾンビに近づいて、首をはねた。流石に腐った肉は触りたくない。

ゾンビは首をはねたらパタリと倒れ動かなくなった。
ゾンビなのにそんな簡単に死ぬの?という疑問を持ちながら気にせず後の2体首をはねる。
後の2体はエリスが既に倒していたので、また階段を降りる。

スケルトンと同じで何度かゾンビが出てきたが問題なく対処できた。


その後もひたすら階段を降り続けると、少し大きな部屋に出た。
その部屋は神殿のような作りになっており、その部屋の中央には、体がヤギで頭がライオン、尻尾が蛇の体長1mの魔物がいた。
これが、俺達の探していた魔物であるキマイラだ。

ここで俺はーーーいや俺達は依頼の内容を勘違いしていたことに気付かされた。

今回の依頼はキマイラを討伐してくださいと言うものだった。
俺達はこの依頼を見て、キマイラは一体だと解釈した。
だが違ったのだ。部屋の中央には、合計15体のキマイラがいたのだ。俺は慌ててエリスに聞く。

「いつも、こんな数いるのか!?」

「そんな訳ないじゃない。いつもなら1体よ」

「なあ...、これやばくないか?」

「うん、やばいかもね」

そう、この状況はかなりやばいのだ。
キマイラ討伐の依頼は本来、最低でもBランク冒険者5人で受けなければならない。
これは、キマイラ一体を安全に倒せるとされる人数なのだ。

ただ、俺達は例外だ。
なぜ例外かというと、Sランクがいるし、何かあっても対処できるだろうという理由だ。
だから、俺達は二人でキマイラ討伐の依頼を受けさせてもらっている。

だが、Sランク冒険者がいるからと言っても、いくらなんでもこれはかなり絶望的だ。2人では対処のしようがない。
やばいかもではなくやばいのだ。

「なあ、逃げるか?」

「そうね、逃げましょうか」

俺達はその場から一旦離れるために逃げようとした。
だがそれは叶わなかった。

逃げるために俺達が通ってきた階段の方向へ振り返ると、そこにはキマイラが5体いた。

詰んだ。俺はそう思った。
合計で20体のキマイラ。これは本当にどうしようもなくなった。

俺がエリスにこのあとの方針をきこうとしたその瞬間、階段の方にいるキマイラ5体が俺達に向かって、ゆっくりと走ってきた。

背後のキマイラも全員ではなく、俺達の方へ5体だけ向かってきていた。俺は慌てて剣を抜いた。

「エリス!階段の方のキマイラ頼んだ!」

俺はそう言って15体のキマイラの方を向いて、向かってきた5体のキマイラに向かっていく。

まずは一体目、近づいてから顔を思い切り殴る。

二体目、今回はキマイラの横に回り込み蹴りを入れる。

三体目は俺に飛びかかってきていたのでたたき落とす。

四体目は、ファイアボールで足止めをする。

五体目は、剣で斬りつける。
そして、剣で斬りつけた所で脳内に直接

『レベルが8に上がりました』
『レベルが9に上がりました』
『レベルが10に上がりました』

と響いた。そこで俺は勝利を確信した。唯でさえおかしかったステータスが更に上がった。

これなら行ける、そう思った。
そして、俺はファイアボールを当てたキマイラに向かって全力で走る。
さっきまでとは全く違う速度を体に感じながら、一瞬でキマイラに近づき、剣を一振りする。
その一振りで、無事に体を真っ二つにできた。

そしてすぐに次のキマイラに向かう。そして1振りする。
途中でレベルアップの報告が何度かあったが今は気にしない。

剣を1振りして、次のキマイラの元へ走る、という行為をひたすら繰り返すことによってすぐに15体のキマイラを倒し終えた。

「エリス、無事か!?」

俺はそう叫びながら、エリスの方へ振り返った。

するとエリスは既に4体を倒し終えており、あと1体というところだった。その1体もすぐに真っ二つにされて、全て倒し終えた。

「お疲れ」

「え、そっちは倒し終わったの?」

エリスはかなり驚いた顔で俺に尋ねてきた。三倍の数を同じ時間で倒したら確かに驚くよな。

「うん、15体全員な」

「そっか、早いね。私疲れた」

エリスは疲れているのか、15体も倒したことに全く触れてない。
まあ、気にしていないならいいけど。


俺は終わった事に溜息をつき、地面に座り込んだのだった───。

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