非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果

井戸千尋

私の彼の急な感謝と俺のエンドコンテンツ

百五話






【新転勇人】






「三郷さんは?」
放課後、部室にて先輩を待つ俺は真結へ尋ねた。
先輩は日直の仕事があり多少遅れるとの事だ。
「奈々ちゃんは招集しなかったよ」
奈々ちゃん…………いつからそんな仲に……。
大丈夫か?
なんか変な写真とか撮られてないか……?
「勇人くん……?まさか……」
「違う、円香違う。俺もお近づきになりたいとかじゃないから」
確かに胸は大きいけどさ!
胸が大きい人へのヘイト高くない?
「もし荒れに荒れたら弱気な彼女が耐えられなくなっちゃうかもしれないから」
「まぁ、一理ある。」
またあの時みたいに感情を爆発させちゃったりしたら困るからな。
知らない人相手だとひどい事言われちゃうかもしれないし。
「やほー」
「うぃっす〜」
そんな軽い挨拶とともに、金霧先輩と浅見くんがやって来た。
浅見くんは先輩を待ってたのね。
「よーし、全員揃ったね?」
真結がポケットに手を突っ込みながら、多分証拠の有無を確認しながらそう言った。
俺たちは顔を合わせて、

「行こう」
「揃いました!!」
「コンテンツ攻略だね」
「よっしゃ!!」

と、それぞれ威勢をよく返事を返した。
けど先輩?
俺の元カノの問題をエンドコンテンツ扱いしないでくれません?






【新天円香】






「そういえば、証拠はどうやって使うんですか?」
「ん?簡単なことだよ」
真結はそう言うと、この前見せてくれた“写真”と“ボイスレコーダー”をポケットから取り出しました。
「これはれっきとした犯罪だからね、実は、花咲さんがたかられてるときにわざと助けないで録音した音声だから、証拠になるかは微妙なんだよね。」
ん〜ちょっと法律のことは分かりませんが、真結が言うのならそうなのでしょう。
「ま、それをあいつらが分かってるかってところだよね、知らないなら嘘で突き通せるし」
情報恐るべしです!
真結が悪い人の顔をしてます、これじゃどっちが悪いのか分かりませんよ!
「多分証拠になるとは思うんだよね。ま、写真と一緒に見せれば言い逃れしないでしょ」
私たちの屋上でのファーストキスを撮った人の言うことは信用できます。
あの時はびっくりしましたからね!
「そんな話をしてるうちに……着いたね」
「ここが……」
まるで魔王の城に到着したかのような反応をしましたが、特に何の変哲もない学校でした。
「さーて、花咲さんに時間稼ぎしてもらってるから早く行こっか」
「ば、バレませんかね……?」
バレたら不法侵入で犯罪になったり、逆に私たちが悪くなったりしませんかね。
「ま、その時はその時で。体育館裏にいるらしいから早く行っちゃお」
「たかりの聖地みたいな所でやってんのね」
「そうだね、テンプレだね」
先輩たちは真結よりも先を歩き、体育館だと思われる建物へと向かっています。
真結も「早く来なよ」と勇人くんに告げて先輩たちの後ろを歩いていきました。
「…………円香、ありがと」
「ふぇ!?」
びっくりして変な声が出ちゃいましたよ!
急に感謝するなんてずるいですよ!
そもそも私何も出来てないんですから。
「じゃあ先輩たちを追いかけよっか」
「ちょ、何の感謝なんですかぁー」
走って浅見さんのところへと向かった勇人くんを追いかけながら私は叫びました。







ばぶぅ。
ばぶばぶ、ばぶぅ!!

ば〜ぶっ!
ばばばぶ〜ぶ!



ばっばぶーぶばぶーぶっ!

コメント

  • Karavisu

    だから冷静すぎ

    1
  • 帆楼

    病院に行ってきてはいかがでしょう

    1
  • 影の住人

    大丈夫?井戸さん

    2
  • クロエル

    最後の一コメ…
    壊れた…???!

    2
コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品