非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果

井戸千尋

私のばーべきゅーと俺の彼女へ日本語でおk

五十三話




【新天円香】





「ばーべきゅーでーす!!!」
目の前に広げられた鉄板と食材の数々についテンションが上がってしまいます。
「円香テンションたかいですね。」
「そりゃそうです!好きな人と晩御飯食べるのでさえ嬉しいのにお友達とばーべきゅーですよばーべきゅー!ばーべきゅー知ってますか!?」
「うん。知ってるし、嬉しい事言ってくれるのはありがたいんだけど落ちつきましょ?」
「あう…すいません…つい」
勇人くんは「うんうん」と優しい笑顔で宥めてくれ、落ち着いた私は再び食べ物たちに目線を移します。









ん?
あのいかにも高そうなチョコレートは食べてもいいやつなのでしょうか?
中身が見えるようになっている箱で包装も豪華で美味しそうなチョコたちが並んでます。

後でこっそり食べちゃいましょ♪






【新転勇人】






「このお肉おいしいね」
「そうですね。先輩は野菜食べないないんですか?」
金霧先輩はお肉ばかりを食べていて些か女性として気にしていないのだろうか。
「う〜ん……野菜苦手なんだよねぇ」
「そ、そうなんです――――」

その時、俺の視線の端から“ナニカ”がものすごい勢いで金霧先輩へとひっついた。

「―らからしょんにゃにお胸がぼいんぼいんにゃんですかぁ〜?」








「―円香!!?」
それは頬を紅潮させ、目をトロンとさせ呂律が回ってない様子の円香だった。
「ちょ、新天………?」
先輩でさえも押され気味の様子。
「げーむれ前からの知り合いらったのかもしえないかもですけろ、勇人くんはわたしのかえしなんれす〜!そのおむねれゆぅわくしないれくらさぃ!」

うーん円香?
日本語でおk。

「新天……日本語でおk」
先輩も同じ反応だった。
さすがネット民同士。気が合いますな。
「らからぁ………ック…勇人くんはわたしをあいしててぇ…わたしも勇人くんを愛してりゅんですぅ……将来を誓い合ったんですよ!」
「うん、円香?落ち着いて?まだ誓いあってはないからね?愛してるの部分はあってるけどまだ誓いあってないからね?」
「……ック…その胸わらしにくらさいよぉ!ック」
………まさかね……。
だってここにお酒ないし、円香がお酒を飲むような子には思えないしな、うん。

「ここに置いてあった“ブランデー入りチョコ”食べたの誰ー?」

うんそれですわ。
碧さんそれですわ。


「はーい♪わらしで〜っす!」
「なに、彼女ちゃんチョコなんかで酔っちゃってるの!?かわいいなぁこの〜うりうり〜」
「くすくっらいですよぉ……わふ♡」



まぁ、言わずもがな俺たちはこのあと円香を扱うのに苦労したのだが、その話はまた今度。

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