従妹に懐かれすぎてる件
四月五日「従妹と入学式」
今朝は慌しかった。
彩音の入学式という事で時間に間に合うように朝ごはんやら支度やらでドタバタしていたのだ。
「ゆうにぃ、どう……かな?」
手にしていたトーストを離し、後ろを振り向く。
着替え終え、脱衣所から出てきた彩音が心配そうにこちらを見つめていた。
「おぉ、似合ってるじゃねぇか」
「本当!? 良かった!」
ぱぁーっと満面の笑みに変わる彩音。
身に着けているセーラー服は巷では余り見かけなくなった素朴なデザインだが、透き通るように純粋な彩音には間違いなく似合っていた。
「なるほどな……来宮が言ってたのは一理あるか」
「ん? ゆうにぃ何か言った?」
「あ、いや……なんでもない」
コホンと咳払いをして誤魔化す。
あの見た目だけエリートな変態を純白な心を持つ彩音には一切触れさせたくないからな。
「そういえば私携帯どこに置いたんだっけ」
目を見開いた彩音は立ったままの体勢でかがみ、床に散らばっている物を睨み始める。
それはいいのだが……見えそう。
地べたに座っている俺からはすらりと伸びる彩音の両脚と裏ももが丸見えだ。
更に彩音がかがむせいでスカートが胴体に引っ張られ、見えてはいけないモノまで見えそうになったが……。
絶妙なラインで留まった。恐らく俺が少しでも目線を変えれば見えてしまったであろう。
「彩音、かがむなら腰を下ろしな」
「え? 何で?」
「危ないんだよ、後ろから見ると」
「…………っ!」
俺の意図を理解したのか、彩音は顔を真っ赤にしてスカートに手を当てる。
いや、別に俺は見てませんけどね。
「それ、外で絶対やるなよ」
「じゃあ……中ならいいの?」
「ぐっ!? ……って駄目だっての!」
言葉が意味深に聞こえた俺はおかしいのだろうか。
素直な彩音を高校という汚れた野郎達の潜む檻の中へ連れ出す事に、俺はいささか不安を覚えていた。
彩音の入学式という事で時間に間に合うように朝ごはんやら支度やらでドタバタしていたのだ。
「ゆうにぃ、どう……かな?」
手にしていたトーストを離し、後ろを振り向く。
着替え終え、脱衣所から出てきた彩音が心配そうにこちらを見つめていた。
「おぉ、似合ってるじゃねぇか」
「本当!? 良かった!」
ぱぁーっと満面の笑みに変わる彩音。
身に着けているセーラー服は巷では余り見かけなくなった素朴なデザインだが、透き通るように純粋な彩音には間違いなく似合っていた。
「なるほどな……来宮が言ってたのは一理あるか」
「ん? ゆうにぃ何か言った?」
「あ、いや……なんでもない」
コホンと咳払いをして誤魔化す。
あの見た目だけエリートな変態を純白な心を持つ彩音には一切触れさせたくないからな。
「そういえば私携帯どこに置いたんだっけ」
目を見開いた彩音は立ったままの体勢でかがみ、床に散らばっている物を睨み始める。
それはいいのだが……見えそう。
地べたに座っている俺からはすらりと伸びる彩音の両脚と裏ももが丸見えだ。
更に彩音がかがむせいでスカートが胴体に引っ張られ、見えてはいけないモノまで見えそうになったが……。
絶妙なラインで留まった。恐らく俺が少しでも目線を変えれば見えてしまったであろう。
「彩音、かがむなら腰を下ろしな」
「え? 何で?」
「危ないんだよ、後ろから見ると」
「…………っ!」
俺の意図を理解したのか、彩音は顔を真っ赤にしてスカートに手を当てる。
いや、別に俺は見てませんけどね。
「それ、外で絶対やるなよ」
「じゃあ……中ならいいの?」
「ぐっ!? ……って駄目だっての!」
言葉が意味深に聞こえた俺はおかしいのだろうか。
素直な彩音を高校という汚れた野郎達の潜む檻の中へ連れ出す事に、俺はいささか不安を覚えていた。
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