神話の神とモテない天才~異世界で神となる~

皆鈴

#7アメノサグメと妖怪退治

やっと武器をもらえたので北西の村に向かう。
歩いている途中、さっきの女神が話しかけてきた。

「ねえ、さっき東風こちにいた国津神だよね?」

さっきの鍛冶屋っぽいところ東風っていうんだ。
ここまで馴れ馴れしく女の子に話しかけられるのは初めてだ。

「うん、そうだけど・・」

「私はアメノサグメだよ。貴方は?」

アメノサグメ、それが彼女の名前らしい。
俺の知っている範囲では、アメノは人間の
苗字のようなもので、天津神を表す。
だから名前はサグメだ。
そんなことを頭の片隅で考え、話を続ける。

「俺は、服部豊佳」

「はっとりとよか?変わった名前ね。
それにあなたの服も珍しいわね」

そりゃあ人間の名前だもんな。しかも
洋服も着ているしな。

「そういえば何でさっき俺のことまで
気にかけてくれたの?」

「何だか、あなた悪そうな神じゃないと
思ったからよ。それに何だか昔会ったことない?」

「え?ないと思うけど・・・」

そう言うと「あ、そう」と返された。それに
してもこの世界に来たばかりなのに何で
そう思ったんだ?

「豊佳君はその剣を何に使うの?」

「妖怪退治に北西の村へ」

そう言ったらサグメちゃんは急に顔が明るくなり、

「奇遇ね!私も妖怪退治に北西の村に行こうと思ってたの」

そんな偶然もあるもんだな。一人じゃ
心細いし、味方がいた方がいい。異世界来てよかった!

「よかったら私も一緒行っていい?」

そんな誘いを断るわけもなく、言った。

「もちろん」

それから少し歩き、北西の村に着いた。
しかしそこには酷い光景が広がっていた。
村中が荒らされ、跡形もなくなっている。

「ひどい・・・・・。」

サグメちゃんが声を漏らす。

「これ全部妖怪がやったのか?」

こんなことをする妖怪が許されるわけがない。

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