俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい
いつもの朝
朝。
「行ってきます!」
明るく元気よくを意識した大きな声で家族にそう告げ、今日も学校へと向かう。
俺は部活の朝練があるため、家族のみんなより小一時間ほど早く家を出る必要があるのだ。と言っても毎日あるわけではないため、時々家族の誰かと途中まで一緒に行くこともあるのだが。
煌々と輝く太陽の陽射しを肌に感じる。
手をサンバイザー代わりに眉の上あたりに水平に当てる。
「夏許すまじ」
季節に文句を垂れ流しながら駅へと向かう。
10分程歩けば着くのだが、その時間すらもどかしく感じる。汗はかきたくないのだ。
汗をかかない絶妙な速度程度に少し足を速めながら、先日の事を思い出す。
先日莉央ちゃん宅へ遊びに行った帰りにすみれ先輩と恵令奈さんの2人に遭遇したのだ。
喫茶店であわや修羅場となる事態だったのだが、何故か知らないが最終的に意気投合したらしく2人は仲良くなっていた。
お互いがお互いを良きライバル(?)として認め合ったらしい。
まあ2人ともとてもいい子なので、嫌われるわけなんてないんだけど。
そんな感じで俺が特に何もしなくてもあの場はうまく収まったという事だ。
あ、そういえば今日ついに男性特別侍衛官、『SBM』の人が家にやってくるらしい。有名になり身の危険が増した俺を心配した母さんが手配してくれたのだ。主に学校の行き来に同行してもらい、俺を守ってくれるという話だ。一般人の俺にそんな大層な事をしてくれるなんて、少しむず痒いけど。まあ仕方ないだろう。
それにとても美人だという噂も聞いているので楽しみもある。
あと来週に部活の大会があるのだが、それにも同行してもらう予定である。その大会は三年生の先輩たちが全国大会に進めるかどうかがかかっている大会なので、SBMの人に身辺は任せて俺は大会にきちんと集中したいのだ。
また再来週には俺が通っていた中学校の同窓会があるのだが、それには同行してもらわないつもりだ。
桜咲雛菊さんや、星宮真紀さんとの過去のけじめをきちんとつけなければならない。俺の性格が最悪だった事を知っている人も大勢いると考えられるので下手したらアウェイなのだが、そのアウェイな空間にSBMの人を連れて行くというのはちょっとカッコ悪いと思うのだ。フルボッコにされるのならば、それは仕方のない事だ。それだけの事を前原仁はしてきたのだから。
それに同窓会なのに関係ない人を連れてくのもバツが悪いしね。
とまあ、予定はぎっしりある。
転生して人生イージーモードかと思いきや、やはり思い通りにはいかないのが人生だな。
そんな事を考えているうちに駅に着いたようだ。
「前原きゅんキタァァ」「しゅごいかわいい」「かっこよすぎて世界が滅びないか心配」「前原くんって人間族じゃなくて天使族だって知ってた?」「仁様今日も太陽より輝いておられます」「仁くんに思いっきりブン殴られたいなぁ…」「「「わかる」」」
そして今日も変わらずそんな声が聞こえる。
もはや慣れてしまったよ俺は。最初こそ戸惑ったものの、今となっては涼しい顔で流せるぜ。
そしてそして今日も変わらず俺は男性車両ではなく、一般車両へと乗り込む。まあ一般車両と言ってもほぼ女性しか乗っておらず、男性で乗ってるのは俺だけなのだけど。
そういえば最近痴姦される事がめっきり減ったのだ。少し前までは、俺が乗客達に注目されているにも関わらずその視線達を掻い潜って俺に痴姦する猛者が時々いたのだが、俺の知名度が世間で急激に高まったあたりからそんな猛者はピタッと現れなくなった。
何故痴姦されなくなったのか明確な理由は分からないが、痴姦がなくて少し寂し…いや、何でもないです。
あぁ、もちろん痴姦に息子やお尻を触ることを許した事はないよ?(莉央ちゃんは除く)
痴姦相手には、肩とか腰とかその辺りが許容限界だな。
俺は、俺が好きな子以外に体を自由にさせるほど落ちぶれてはいないのだ。
信念を持ってハーレム目指してるんだよ俺は!!
『春蘭高校前、春蘭高校前です』
目的の駅に着いたため、乗客達が『『今日もごちそうさまでした』』と小さな声で呟きながら俺に向かって手を合わせているのを尻目に電車から降りる。
何度見ても圧巻である学校へと続く並木道を進む。真緑に色付いた葉が視界いっぱいを覆い、言い知れぬ感動を覚える。
前世ではこんな高校は見た事がなかった。大学ならばこれ程の規模であってもまだ納得できるんだけど。
そうして少し立ち止まり景色を堪能していると、
「おはよう前原」
「ん?あ、おはようございます。右京部長」
後ろから弓道部の部長である、右京雫先輩が声を掛けてきた。
この人は、女性にしては珍しく男が苦手なのだが、俺相手には特にそういう兆候はなく気軽に話し掛けてくれる。嬉しい。
「朝練に行くんだろう?私も一緒に行こう」
「はい」
並び歩きながら会話を交わす。
「来週大会だが、調子はどうだ?」
「悪くないですね。共に全国の舞台へ上がりましょう」
「そうか。期待しているぞエース」
「やめてくださいよ」
まあ右京部長との会話の話題はほぼ弓道関係の事なんだけど。
だが弓道の話ができる人というのはあまりいないため、この時間が俺は結構好きなのだ。
右京部長と弓道について語らいながら俺は朝練へと向かった。
来週の大会は、俺がこの世界に来てから頑張ってきた事の集大成にしてみせる。
…そういえば、月刊スポーツ男子のスポーツライター、足立蘭さんが2ヶ月連続になるけどまた俺の特集を組みたいと言っていたっけな。
俺が載った今月号の売り上げが凄まじ過ぎて、俺を看板モデルにしたいという話も出ているとか。
もし来週の大会で活躍して全国大会に出場することになったら、取材の数も増えるのかもな。
まあ、そうなったとしても特に問題はない、かな。
とにかく目下の目標は来週の大会である。
もし全国大会に出場出来なければそこで3年生の先輩は引退なのだ。そんなことには絶対にさせない。
よし、朝練頑張るか。
「行ってきます!」
明るく元気よくを意識した大きな声で家族にそう告げ、今日も学校へと向かう。
俺は部活の朝練があるため、家族のみんなより小一時間ほど早く家を出る必要があるのだ。と言っても毎日あるわけではないため、時々家族の誰かと途中まで一緒に行くこともあるのだが。
煌々と輝く太陽の陽射しを肌に感じる。
手をサンバイザー代わりに眉の上あたりに水平に当てる。
「夏許すまじ」
季節に文句を垂れ流しながら駅へと向かう。
10分程歩けば着くのだが、その時間すらもどかしく感じる。汗はかきたくないのだ。
汗をかかない絶妙な速度程度に少し足を速めながら、先日の事を思い出す。
先日莉央ちゃん宅へ遊びに行った帰りにすみれ先輩と恵令奈さんの2人に遭遇したのだ。
喫茶店であわや修羅場となる事態だったのだが、何故か知らないが最終的に意気投合したらしく2人は仲良くなっていた。
お互いがお互いを良きライバル(?)として認め合ったらしい。
まあ2人ともとてもいい子なので、嫌われるわけなんてないんだけど。
そんな感じで俺が特に何もしなくてもあの場はうまく収まったという事だ。
あ、そういえば今日ついに男性特別侍衛官、『SBM』の人が家にやってくるらしい。有名になり身の危険が増した俺を心配した母さんが手配してくれたのだ。主に学校の行き来に同行してもらい、俺を守ってくれるという話だ。一般人の俺にそんな大層な事をしてくれるなんて、少しむず痒いけど。まあ仕方ないだろう。
それにとても美人だという噂も聞いているので楽しみもある。
あと来週に部活の大会があるのだが、それにも同行してもらう予定である。その大会は三年生の先輩たちが全国大会に進めるかどうかがかかっている大会なので、SBMの人に身辺は任せて俺は大会にきちんと集中したいのだ。
また再来週には俺が通っていた中学校の同窓会があるのだが、それには同行してもらわないつもりだ。
桜咲雛菊さんや、星宮真紀さんとの過去のけじめをきちんとつけなければならない。俺の性格が最悪だった事を知っている人も大勢いると考えられるので下手したらアウェイなのだが、そのアウェイな空間にSBMの人を連れて行くというのはちょっとカッコ悪いと思うのだ。フルボッコにされるのならば、それは仕方のない事だ。それだけの事を前原仁はしてきたのだから。
それに同窓会なのに関係ない人を連れてくのもバツが悪いしね。
とまあ、予定はぎっしりある。
転生して人生イージーモードかと思いきや、やはり思い通りにはいかないのが人生だな。
そんな事を考えているうちに駅に着いたようだ。
「前原きゅんキタァァ」「しゅごいかわいい」「かっこよすぎて世界が滅びないか心配」「前原くんって人間族じゃなくて天使族だって知ってた?」「仁様今日も太陽より輝いておられます」「仁くんに思いっきりブン殴られたいなぁ…」「「「わかる」」」
そして今日も変わらずそんな声が聞こえる。
もはや慣れてしまったよ俺は。最初こそ戸惑ったものの、今となっては涼しい顔で流せるぜ。
そしてそして今日も変わらず俺は男性車両ではなく、一般車両へと乗り込む。まあ一般車両と言ってもほぼ女性しか乗っておらず、男性で乗ってるのは俺だけなのだけど。
そういえば最近痴姦される事がめっきり減ったのだ。少し前までは、俺が乗客達に注目されているにも関わらずその視線達を掻い潜って俺に痴姦する猛者が時々いたのだが、俺の知名度が世間で急激に高まったあたりからそんな猛者はピタッと現れなくなった。
何故痴姦されなくなったのか明確な理由は分からないが、痴姦がなくて少し寂し…いや、何でもないです。
あぁ、もちろん痴姦に息子やお尻を触ることを許した事はないよ?(莉央ちゃんは除く)
痴姦相手には、肩とか腰とかその辺りが許容限界だな。
俺は、俺が好きな子以外に体を自由にさせるほど落ちぶれてはいないのだ。
信念を持ってハーレム目指してるんだよ俺は!!
『春蘭高校前、春蘭高校前です』
目的の駅に着いたため、乗客達が『『今日もごちそうさまでした』』と小さな声で呟きながら俺に向かって手を合わせているのを尻目に電車から降りる。
何度見ても圧巻である学校へと続く並木道を進む。真緑に色付いた葉が視界いっぱいを覆い、言い知れぬ感動を覚える。
前世ではこんな高校は見た事がなかった。大学ならばこれ程の規模であってもまだ納得できるんだけど。
そうして少し立ち止まり景色を堪能していると、
「おはよう前原」
「ん?あ、おはようございます。右京部長」
後ろから弓道部の部長である、右京雫先輩が声を掛けてきた。
この人は、女性にしては珍しく男が苦手なのだが、俺相手には特にそういう兆候はなく気軽に話し掛けてくれる。嬉しい。
「朝練に行くんだろう?私も一緒に行こう」
「はい」
並び歩きながら会話を交わす。
「来週大会だが、調子はどうだ?」
「悪くないですね。共に全国の舞台へ上がりましょう」
「そうか。期待しているぞエース」
「やめてくださいよ」
まあ右京部長との会話の話題はほぼ弓道関係の事なんだけど。
だが弓道の話ができる人というのはあまりいないため、この時間が俺は結構好きなのだ。
右京部長と弓道について語らいながら俺は朝練へと向かった。
来週の大会は、俺がこの世界に来てから頑張ってきた事の集大成にしてみせる。
…そういえば、月刊スポーツ男子のスポーツライター、足立蘭さんが2ヶ月連続になるけどまた俺の特集を組みたいと言っていたっけな。
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まあ、そうなったとしても特に問題はない、かな。
とにかく目下の目標は来週の大会である。
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コメント
ペンギン
先輩想いですねー。素晴らしいです