俺が転生した世界はどうやら男女比がおかしいらしい
放課後の教室にて
午後の授業も無事終わり、待ちに待った放課後になった。高校までの、一日が終わるこの瞬間は何にも変え難い達成感があるな。
……でも。
「……はあ」
今日も女の子の誰からも話しかけてもらえなかった。そんなに近寄り難い雰囲気出してるかな。明日からは自分から積極的に話しかけてみようか。こんなんじゃハーレムどころか、前世と何も変わっていないぞ。
俺が腕を組みながら思案し、難しい顔をしていると、
「あ、あの仁くん」
莉央ちゃんが控えめに喋りかけてきてくれた。そうだ、俺にはこの子がいた。最初に友達になった女の子だ。大切に関係を築いていこう。
「あ、莉央ちゃん。どしたの?」
「きょ、今日も一緒に帰れますか?」
「あー……ごめんね?今日はこれから部活見学に行こうかと思って」
美少女のお誘いを断るとは何たる苦行。もし前世の俺が居たら殴り飛ばされているだろう。『お前はいつからそんな身分になったんだ』と。おっしゃる通りです。
「あ、そ、そうですか……」
見るからにシュン……と小さくなってしまう莉央ちゃん。言葉も尻すぼみに落ちていく。可愛い。
って違う。励まさないと。落ち込んでる女の子を見て可愛いとか変な性癖を開花させるんじゃない。俺はノーマル男子なのだ。
「そ、その代わり今度埋め合わせするからさ!どっか遊びに行こうよ」
「!?そ、そそれは!デデ、デェイトゥと解釈してもよろしいんでしょうか!?」
発音が良すぎてデートがなんか変な感じになってるよ。英会話でもやっていたのかな?
「うん、そうだね。今度デートしよっか莉央ちゃん」
俺は爽やかさを意識しながら改めて言い直す。何故こうも自然に美少女をデートに誘えるのか?それは圧倒的顔面偏差値に裏付けられた確かな自信と、莉央ちゃんからこれでもかと漂ってくる溢れんばかりの好意があるからである。そうでもなければこんな大胆な行動は取れないだろう。
「ふぉ、ふぉおおおおおおお!仁くんとデート!?まさか私って仁くんの彼女なのかな!?け、け結婚とか!?お、落ち着きなさい私。とりあえず式場予約とウェディングドレスを購入しなければ。これは忙しくなってきました」
なんか心の声凄くて話が飛躍しすぎだし、鼻息荒い所申し訳ないんだけど、とりあえずそんな大声で叫んだら……。
「「「おい」」」
ガシッと体の至る所をクラスの女子たちに掴まれる莉央ちゃん。それ見た事か。朝から学習できてないよ……。
「えっ?」
「向こうで話を聞かせてもらおうか」
「えっ!?ちょっ!?なんですかやめて下さい!仁くんと相談して私達の子供の名前決めないと!!じ、仁くぅうううん!!」
十数人ほどの女子たちにより莉央ちゃんは連行されていった。なんという手際の良さ。共通の目的を持った人間の結束力には目を見張るものがあるな。
「ふふっ」
「ま、前原くん?」
莉央ちゃんの醜態に笑いをこらえていると、残った1人の女子が俺に話しかけてきた。
この子は確か、
「どしたの、小野田さん」
「ッ!?前原くん、あたしの名前を!?もしかして、前原くんあたしのこと好きなんじゃ……キャア!!どうしよ!!」
盛り上がってるところ悪いけど、そんなことは無いです。いや、そんなことは無いは失礼か。実際この子も可愛くて魅力的だ。まだ、そんな事は無いと言い直しておこう。
「帰ってきて小野田さん。用事があったんじゃないの?」
とりあえずトリップ状態からお帰りいただこうか。過激派の女子達が莉央ちゃんを連行して居ないからって、この子我慢する気ないだろ。
「はっ!?す、すまん。あたしとしたことが。コホン。た、単刀直入に言う!前原くん、あたしと友達になってくれ!」
「いいよ」
「うん、そうだよな。分かってるさ。女に急にこんなこと言われて了承する男なんて……えっ」
「僕と友達になろう?小野田さんっ」
首をコテンと傾けて無垢な笑顔を作る。うん、我ながらあざとい。だがいいさ、数々の美少女を垂らしこみ、伝説のビッチと恐れられる俺のハーレム伝説はここから始まるのだ。
「ほ、ほんとに!?やっぱやーめたとかなしだぞ!?いいんだな!?」
「うん、むしろ僕は小野田さんと友達になりたいよ」
「ま、まま前原くん!やっぱりあたしのことが!」
いえ、まだ違います。
「友達なんだから前原くんなんて呼び方やめよ?仁でいいよ。僕も美沙って呼ぶから」
莉央ちゃんは何故かちゃん付けで呼びたくなるんだけど、美沙は呼び捨てにしたくなる。不思議だ。
「なん……だと」
「ほら、仁って呼んでみて?美沙」
からかうようにそう言ってみる。段々俺の容姿の利用の仕方が分かってきた気がする。これは良い変化なのかどうか……。まぁハーレムを目指すならあざとさスキルは必須だろう。取得しておいて損は無いはずだ。
「じっ!?じ、ジジジ!じ……じ!じじ!!」
セミか君は。夏にこういうのよく聞こえてくるわ。
「じ、仁っ!」
頬を紅潮させながら美沙が俺の名前を愛おしそうに叫ぶ。そんな呼び捨てにするだけで一世一代の大勝負みたいな力の入れ方されても困ってしまう。
まぁ取り敢えずよく言えましたって事で。
「はい、仁だよ。美沙」
微笑みかけてみる。やっておいてアレなんだけど、もし俺が超絶美少女にこれをやられたら即ノックアウト間違いなしだ。命尽きるまで愛を注ぎ続けようとその場で誓うだろう。
「はわっ!はわわ!はわわわわわ!!」
リアルにはわはわ言う人初めて見た。
「あはは、慌てすぎだよ。これからよろしくね?美沙」
「うん……あたし妻として仁を支えるんだ……」
美沙は真っ赤に染まった顔でぼんやりと呟く。
おい、いつ俺と美沙が結婚したんだ。まだ早い。うん、まだね。
「友達として、よろしくね?」
やんわりと夫を否定しておこう。
決して嫌な気持ちはないが、まだ高校生には気が早い。
「よろしくお願いします、あなた.....」
俺の言葉が聞こえてないのかな?この子は。
まあ否定するのもしんどいし、もうこのままでいいか。別に放っておいても指したる問題もないし。
「うん!美沙はこれから部活?」
「そう、あたしはこれから部活……」
「そっか、僕は今から用事があるからもう行くね。また明日」
「ばいばい……」
最後までトリップ状態から帰還しなかったな美沙。大丈夫だろうか。あと莉央ちゃんも無事かな?まあ腐ってもクラスメートだ。手荒な真似はしないだろう。
そんなことを考えながら、勢いよく教室を出る。
さ、これから部活見学だ。異世界の部活見学なんてワクワクするじゃないか。前世とそんなに変わらないと思うけど。
……でも。
「……はあ」
今日も女の子の誰からも話しかけてもらえなかった。そんなに近寄り難い雰囲気出してるかな。明日からは自分から積極的に話しかけてみようか。こんなんじゃハーレムどころか、前世と何も変わっていないぞ。
俺が腕を組みながら思案し、難しい顔をしていると、
「あ、あの仁くん」
莉央ちゃんが控えめに喋りかけてきてくれた。そうだ、俺にはこの子がいた。最初に友達になった女の子だ。大切に関係を築いていこう。
「あ、莉央ちゃん。どしたの?」
「きょ、今日も一緒に帰れますか?」
「あー……ごめんね?今日はこれから部活見学に行こうかと思って」
美少女のお誘いを断るとは何たる苦行。もし前世の俺が居たら殴り飛ばされているだろう。『お前はいつからそんな身分になったんだ』と。おっしゃる通りです。
「あ、そ、そうですか……」
見るからにシュン……と小さくなってしまう莉央ちゃん。言葉も尻すぼみに落ちていく。可愛い。
って違う。励まさないと。落ち込んでる女の子を見て可愛いとか変な性癖を開花させるんじゃない。俺はノーマル男子なのだ。
「そ、その代わり今度埋め合わせするからさ!どっか遊びに行こうよ」
「!?そ、そそれは!デデ、デェイトゥと解釈してもよろしいんでしょうか!?」
発音が良すぎてデートがなんか変な感じになってるよ。英会話でもやっていたのかな?
「うん、そうだね。今度デートしよっか莉央ちゃん」
俺は爽やかさを意識しながら改めて言い直す。何故こうも自然に美少女をデートに誘えるのか?それは圧倒的顔面偏差値に裏付けられた確かな自信と、莉央ちゃんからこれでもかと漂ってくる溢れんばかりの好意があるからである。そうでもなければこんな大胆な行動は取れないだろう。
「ふぉ、ふぉおおおおおおお!仁くんとデート!?まさか私って仁くんの彼女なのかな!?け、け結婚とか!?お、落ち着きなさい私。とりあえず式場予約とウェディングドレスを購入しなければ。これは忙しくなってきました」
なんか心の声凄くて話が飛躍しすぎだし、鼻息荒い所申し訳ないんだけど、とりあえずそんな大声で叫んだら……。
「「「おい」」」
ガシッと体の至る所をクラスの女子たちに掴まれる莉央ちゃん。それ見た事か。朝から学習できてないよ……。
「えっ?」
「向こうで話を聞かせてもらおうか」
「えっ!?ちょっ!?なんですかやめて下さい!仁くんと相談して私達の子供の名前決めないと!!じ、仁くぅうううん!!」
十数人ほどの女子たちにより莉央ちゃんは連行されていった。なんという手際の良さ。共通の目的を持った人間の結束力には目を見張るものがあるな。
「ふふっ」
「ま、前原くん?」
莉央ちゃんの醜態に笑いをこらえていると、残った1人の女子が俺に話しかけてきた。
この子は確か、
「どしたの、小野田さん」
「ッ!?前原くん、あたしの名前を!?もしかして、前原くんあたしのこと好きなんじゃ……キャア!!どうしよ!!」
盛り上がってるところ悪いけど、そんなことは無いです。いや、そんなことは無いは失礼か。実際この子も可愛くて魅力的だ。まだ、そんな事は無いと言い直しておこう。
「帰ってきて小野田さん。用事があったんじゃないの?」
とりあえずトリップ状態からお帰りいただこうか。過激派の女子達が莉央ちゃんを連行して居ないからって、この子我慢する気ないだろ。
「はっ!?す、すまん。あたしとしたことが。コホン。た、単刀直入に言う!前原くん、あたしと友達になってくれ!」
「いいよ」
「うん、そうだよな。分かってるさ。女に急にこんなこと言われて了承する男なんて……えっ」
「僕と友達になろう?小野田さんっ」
首をコテンと傾けて無垢な笑顔を作る。うん、我ながらあざとい。だがいいさ、数々の美少女を垂らしこみ、伝説のビッチと恐れられる俺のハーレム伝説はここから始まるのだ。
「ほ、ほんとに!?やっぱやーめたとかなしだぞ!?いいんだな!?」
「うん、むしろ僕は小野田さんと友達になりたいよ」
「ま、まま前原くん!やっぱりあたしのことが!」
いえ、まだ違います。
「友達なんだから前原くんなんて呼び方やめよ?仁でいいよ。僕も美沙って呼ぶから」
莉央ちゃんは何故かちゃん付けで呼びたくなるんだけど、美沙は呼び捨てにしたくなる。不思議だ。
「なん……だと」
「ほら、仁って呼んでみて?美沙」
からかうようにそう言ってみる。段々俺の容姿の利用の仕方が分かってきた気がする。これは良い変化なのかどうか……。まぁハーレムを目指すならあざとさスキルは必須だろう。取得しておいて損は無いはずだ。
「じっ!?じ、ジジジ!じ……じ!じじ!!」
セミか君は。夏にこういうのよく聞こえてくるわ。
「じ、仁っ!」
頬を紅潮させながら美沙が俺の名前を愛おしそうに叫ぶ。そんな呼び捨てにするだけで一世一代の大勝負みたいな力の入れ方されても困ってしまう。
まぁ取り敢えずよく言えましたって事で。
「はい、仁だよ。美沙」
微笑みかけてみる。やっておいてアレなんだけど、もし俺が超絶美少女にこれをやられたら即ノックアウト間違いなしだ。命尽きるまで愛を注ぎ続けようとその場で誓うだろう。
「はわっ!はわわ!はわわわわわ!!」
リアルにはわはわ言う人初めて見た。
「あはは、慌てすぎだよ。これからよろしくね?美沙」
「うん……あたし妻として仁を支えるんだ……」
美沙は真っ赤に染まった顔でぼんやりと呟く。
おい、いつ俺と美沙が結婚したんだ。まだ早い。うん、まだね。
「友達として、よろしくね?」
やんわりと夫を否定しておこう。
決して嫌な気持ちはないが、まだ高校生には気が早い。
「よろしくお願いします、あなた.....」
俺の言葉が聞こえてないのかな?この子は。
まあ否定するのもしんどいし、もうこのままでいいか。別に放っておいても指したる問題もないし。
「うん!美沙はこれから部活?」
「そう、あたしはこれから部活……」
「そっか、僕は今から用事があるからもう行くね。また明日」
「ばいばい……」
最後までトリップ状態から帰還しなかったな美沙。大丈夫だろうか。あと莉央ちゃんも無事かな?まあ腐ってもクラスメートだ。手荒な真似はしないだろう。
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コメント
四月
セミのところ笑ってしまったw
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花京院くん、恐れることはないんだよ友だちになろう