仲良しだった幼馴染の先輩は学園のマドンナになっていた

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久しぶり

 チリリリン、チリリ...ガチャッ

 入学式から数日経った朝、いつも通りの時間に起き、いつも通りに朝食を食べ、いつも通りに支度をして家をでる。

 近所に住んでいる、向かっている先が同じ、志保ねぇに出会うのは何も珍しいことではなかった。

 どうしよう。話しかけるべきなのか?それとも志保ねぇはもう俺のことは何とも思っていないのだろうか。そんな葛藤で頭を抱えていると

 「あっ秀次.....遅くなったけど入学おめでとう」

 俺を見つけて妙に嬉しそうな顔で声をかけてきた。

 「え、あ、ありがと....うございます」

 いつ見ても綺麗だ。なんて考えながら志保ねぇに突然話しかけられた俺は小声で答える。

 「なんで敬語なの?昔みたいにタメで良いのに」

 「しほっ....朝倉さんは先輩だからですよ」

 この年になって志保ねぇなんて呼ぶのも恥ずかしくなった俺は咄嗟に理由を言った。

 「それに....もう俺たちそんな関係じゃないですし」




 一瞬だった、ほんの一瞬だけ志保ねぇの顔が怒っているような、悲しそうな顔を.....

「そう、だよね....うん」

 俺の気のせいかもしれない、すぐにいつもの志保ねぇに戻る。

 「あのさ、せっかく同じ高校なんだしさ、これからは一緒に登校しない?」

 「えっ」

 願ってもない嬉しい誘いだが少しだけ考えた俺は断ることにした。

 「ごめんなさい」

 志保ねぇは驚いた表情を見せる

 「どうして?」

 「俺みたいになんの取り柄もない人と一緒に歩いてたら先輩に迷惑がかかりますし。それに、先輩の彼氏に2人で歩いているところなんて見られたら何されるか分かったもんじゃないですよ」

 「何を言ってるの?秀次がなんの取り柄もない?それにかれ....」

 何か言おうとしていたかも知れないがこのまま2人でいるのもまずいので遮るように声を出す。

「また会うことがあればよろしくお願いしますね」

 何か叫ぶような声が聞こえたが俺は早々と志保ねぇの前を歩き、志保ねぇが見えなくなるぐらいは進んだ。







 本音を言えば勿論.......あぁぁぁぁぁぁ一緒に登校したいよぉぉぉぉぉぉ

  でも志保ねぇの彼氏が怖い......そんなことを考えながら学校に向かう。

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