クラス転移〜オタク共が活躍する世界〜

隙間の隙に

残酷な、山国 色々と事情を聞くとツッコミにくくなる…。

結局、あの後解放されたが、寝付けなかった。
色々と考えさせられたからだけでなく、何か違和感を感じていたからだ。
逆に言うと、違和感を感じさせてるものが何かわからないから違和感を感じていると言っても良いだろう。
そのせいで俺は何だかんだで、朝まで起きてしまった。
日が昇ってから数分したら、副交換神経を刺激したのか俺は、違和感を感じたまま寝てしまった。
寝付けた事は大変嬉しい事なのだが、精神が完璧に回復する前に青色の髪をポニーテールみたいに結わえた、この屋敷の主であり、吸血鬼でも有るリアが俺を起こしに来た。

「天旡〜、起きてよ〜、はやく〜」

…うるさいなぁ、こいつは人の安眠を遮る能力でも持っているのか…?
俺は働きそうになった頭をどうにか抑制し、また寝に入ろうとしたが、

「…起きろーー!」

というセリフを吐きながら、リアは俺の上に乗っかって来た。
グヘッ、と言いながら、働かせたくもなかった頭を制御出来る筈もなく、俺はまんまとリアの手の上で踊ってしまった。

「もうちょっと優しく起こせないのか、夜のリアとは大違いだな!」

さっきまでは大人しかったのに…。
俺は太陽の位置を確認しながらそんなに働かない頭で考えられる事を精一杯伝えた。
ついでに言うと、太陽が昇ってから時間が経ってないのか、日はまだそんなに高くなかった。

「それは仕方ないじゃない、夜は威厳を保たないといけないのだから」

威厳どうたらの話を数分も使い聞いたところ、吸血鬼の掟みたいなものだと説明された。
というか、ここに来た理由をそろそろ聞きたいのだが…。

「そうね、忘れてたわ。私がここに来たのは、昨日、話したりなかったからよ」

ということは、昨日の続きか…。
昨日の続きというと、リアが吸血鬼という話か…、あれは俺が機嫌悪くなったのを察したリアがお開きにしたが、そのせいで大事な事を伝え忘れてしまったのだろうか?
本当にそうなら悪い事をしたな…まぁ、もしこれで大事な話じゃなかったら目からビームを出してでも、こいつに攻撃をしてやる。
前のカリもあるからな…。

「そんなにピリピリしないでよ、まずは私の部屋に向かおう」

俺はその言葉通りに、京喜達がまだ寝ている部屋を後にした。



それで、話とは何だ、今度こそ俺を怒らせないように説明しろ。
女子の部屋に入ることに抵抗を感じなくなった俺が、リアにプレッシャーをかける為に考えたセリフだ。
自分でもなかなか良いセリフを作れたと自負していたが、そのセリフを言う前にリアが俺の心を顔で読み取ってしまった。
良いセリフだと思ったのに…。
セリフを言えない事を残念がっている俺を置いて、リアは話を始めた。

「私が吸血鬼って事はそのままで良いんだけど、その、吸血鬼には人族に唯一の敵がいるの…」

威厳がどうたらの話のとき、吸血鬼と人族は仲良くしていた、と話していたが…。

「確かにさっきはそういったは、でもねそれは今から12年前の吸血鬼狩り(ヴァンパイアハント)を実行するための、建前の信頼関係だったの…。その時私はまだ5歳になったばっかりだったの、だから、私の前でお父様、お母様、お姉様が殺されたのは今でも夢に出てくる程の恐怖と悲しみ、そして憎しみができたわ。そこで疑問になるのが、家族は殺されたのに何故私だけ助かったのかって、気になるはずよね。理由は簡単だけれど…。あの時の殺し方はとてつもなく酷かったの、味方に当たろうが、吸血鬼に当たろうが気にしないのか、無差別に魔法を放っていたわ。私の家族が死んだのを見たせいで、私は気を失ってしまったけれど、そのおかげで死体と間違われて、見逃されたのよ。話がそれたけど、兎に角、人族と吸血鬼との間には建前の信頼関係しかなかったの…」

何という残酷さだ、何十年、何百年もかけて作り上げた信頼関係が建前だった…。
あり得ないだろう、そんな事をすれば、その国、またはその組織は一瞬にしてどことも信頼を失ってしまうのだから。
何かの間違いかもしれない、それかちょっとした行き違いなのかもしれない。
そうじゃなくとも、建前の関係ではないだろう。

「…そう思うの、私の前で家族が…家族…が殺されたのよ…」

泣きそうな顔をしながらかすれた声で訴えてくる。
…それでも、違うとわかる。
なぜなら、建前だけで、何百年もの間信頼を築き上げるなんて不可能に等しい。
いつかは、吸血鬼に感づかれてしまうはずだ。

「そうかも…天牙、ドアを開けて!」

リアに深刻そうな顔で急に訴えられたせいで、リアの言うがままに、そして俺は言われるがままに、ドアを開けに行った。
立ち上がった衝撃で椅子が倒れた。

「リア、誰もいなかったぞ…」

俺が今言った通りにドアの前には誰もいなかった。

「…よかった、貴方の仲間よ」

迷ってしまったのか…、流石に意図的では無いだろう。
意図的だったら、ゆっくり音を立てずに戻るはずだ。

「でも、肝心なところを聞かれてしまったわね…そこだけどうにかしないと…」

小言でリアがいう。
俺はそれに応えるかのように、

「まずは誰だったのかを暴く必要があるな…」

と、俺も小言で返した。
小言を聞かれてた、って気づくと少し恥ずかしくなるからな…。

「確かにそうね…昼食は全員食堂に集めましょう」

それが一番の解決作だろう、このことを話して反応を見れば良いんだ。
意図的なら隠そうとするし、たまたまならギクッみたいな効果音がなるほどの驚きを見せてくれるだろう。

「じゃあ、天旡また後で、ここに残っても良いけど、話はほとんど終わったわ」

終わり方が少し気に食わないが...。
まぁ、いいか...戻るか...。
っと、戻ろうとしたが...

「でも、もう少しで昼食になるけどね」

っと、意地悪に成功した子供がする表情で言ってきた。
これだけじゃ意地悪でも、ドッキリでも何でもない。
現に俺は何とも思っていないからな…。

「クレラ!お客様全員を食事処に集めて、今すぐに!」

リアがクレラ!と呼ぶと、この屋敷に一番長く勤めているクレラ・ドウルさんが目の前に来た。
この人は執事長でもある。
この人にも何か能力があるのかもしれない、後で時間があったら聞いてみよう。
何せ、呼ばれたらすぐに目の前に来るのだから…。
そう思っている間にクレラさんは、クラスのみんなに集まるように、と伝えに行った。

「天旡、食事処に行くわよ」

リアの言う通りにお食事処に向かった。
俺らがつく頃には、クラスの半分の人は集まっていた。

「はーい、みんなこっち向いて…、今から少し大事な話があるの…」

と、クラスメイト全員が集まってから、吸血鬼についての話を聞いたか、否かについて話し始めた。
そりゃ、遠回しに聞く予定ではあるが…。



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