存在定義という神スキルが最強すぎて、異世界がイージー過ぎる。

つうばく

第11話 「あっ…………そっすか」

日が閉ざされた樹海。
もしくは、日が照らす草むら。

どちらかに出ると思っていた。
だが違った。
今、俺の目の前の光景は……

「ウゥゥ……ヴァァァアアアアアア!!!」

真っ黒な身体に、黒く大きな翼を生やしたドラゴンが俺を見ているというのだった。
多分、体長20メートルは軽々しく超えているだろう。
……何と言ってもあの口。
大きな牙が生え、ブレスかのように黒に染まった煙が出ている。

──この生物なに!?

そう良いたいが言えない。
言った瞬間、殺られそう。

とりあえず【鑑定】だ。
これをすれば何かが分かるぜ。


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#前:ブリィヤールダークネスドラゴン
種$:八星
◆▽ク:???
ステ△◉ス:表%不可
特徴:◯*△■◇◁
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「……Oh」

思わず、日本語じゃなくなった。
うーん…………やばいな。ひたすらにやばいな。
鑑定不可ってどゆこと?文字化け起こしたりしてるし。
というか、何でこんな所にいんのさ。
普通、最後の地とかそういう場所で出てくる魔物でしょ、あなた。
裏ラスボスとかの立ち位置。
それが、正規ルートで急に出てくるようなもん。

「これは……………【存在定義】発動」

片っ端から必要なスキルを揃えてやる。
あのドラゴンは、羽をバッサバッサして動かない。
ここは、適当にロケランでも出して撃ってみるか。

──バッコーンッッッッッ!!

ドラゴンに当たったと思ったら、跳ね返って落ちちゃったよ。
やだ、あのドラゴンどれだけ耐久力あんの?
ロケラン弾き飛ばすとか……。
なに? あなた最強なの?
物理攻撃効かないの?

すると、ドラゴンがこちらに向かって口を開いた。
凄い音を立てながら、口元に魔力を貯めている。
……やばい、やばい。
えぇっと………【絶対障壁】発動!
俺の前にはギリギリ目で見えるぐらいの薄く透明な壁が出来た。
ドラゴンが口元に貯めた、魔力の球を撃ってきた。
しかし、その攻撃は俺まで届かない。
バリアに弾かれて……『パッキン』

「……Wow」

攻撃が止むと同時に俺の障壁は破れた。
……凄いね、というか【絶対障壁】が仕事してませんよー。
いや、この場合【絶対障壁】を潰すほどの強力な攻撃を平然と出すドラゴンさんが凄いのか。
やだお兄さん、もう帰りたい。

けど、帰らしてくれませんよね。
分かってますよ、分かって。
じゃあ、俺もチート全開でお前を相手してやるぜ。


【攻撃力倍増】
『敵にダメージを与える程に増えていく。
効果時間1日』

【俊敏倍増】
『敵にダメージを与える程に増えていく。
効果時間1日』

【完全自動回復】
『一秒で全て回復』

【全状態異常無効化】
『全ての状態異常を無効化にする。
全ての攻撃に対して耐性を得る』

【完全復活】
『1日に一度、死んでも回復する。
身体の三分の一が残っていたら損傷を全て治す』

【特定強化】
『選んだステータス以外のランクをひとつ下げることで、その分、選んだステータス追加する。効果時間1時間』

【ダメージ増加】
『敵にダメージを与えるごとに、攻撃力が上がる』

【戦闘予知】
『十秒先までの相手の動きが分かる』

【無限体力】
『戦闘をしている限り、体力が減らない』

【ダメージ変換】
『与えられたダメージ分、全ステータス強化』

【無視】
『相手が持つスキル、魔法の効果を全て無視する。
次元さえも無視する』

【一定集中】
『一定の部分に、全神経を集中させる』


これでどうだ。
強すぎて、制限がつくという状態が発生してるがそんなもんどうでも良い。
これでも強いんだから。

攻撃と速度を上げるの。
念の為に、攻撃を受けた時のを創っておいた。
まぁ、今使うのは少ないけど。
多分二つで十分だ。
そう、考え俺は行動に移る。

俺は地面を蹴り、一瞬でドラゴンの腹の前まで行く。
そして【特定強化】で攻撃を選択。

攻撃力が他のステータスのランク分上がる。
そこに【一定集中】を発動し、拳に全ての力を注ぎ込む。

「吹き飛べやぁぁああああ!!」

俺はおもいっきりドラゴンの腹を殴った。
ドラゴンは、血を口から吐き出し、おもいっきり吹き飛んだ。
あぁー、壁にぶつかって消えちゃったよ。

「………………チートかいな」

いや、チートだろうけど。
鑑定不可の魔物一撃って。
殺った自分が一番驚いてるよ。

【特定強化】で攻撃力を高めたのを、【一定集中】で拳に全て回す。
これ最強のコンボじゃないですか?
これに【攻撃力倍増】と【ダメージ変換】使えば余計に上がるよ。
なに? 俺ってば自分で自分を最強にしちゃったの?
馬鹿か。俺は馬鹿か。

──その時だった。

俺の頭に今まで感じたことのない、尋常じゃない痛みが込み上げてくる。
おいおい。
さっき創ったスキルたち仕事しなさいよ。
俺、物凄く頭痛いんだけど。
状態異常効かないんじゃないの?

なに、さっきのドラゴンが死との瀬戸際で放ったとでも言うの。
おかしいでしょ、あのドラゴン。
あんな瞬間に出来るか?

……ていうかやばい。
あっ、もうダメだわ。

意識が失う前。
俺は、男女どちらとも分からない声が聞こえた。
何度も繰り返している。
そして、だんだんと聞こえてきた。
それは──















『LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!
LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!
LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!
LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!LvUP!!
・・・・・・・・』



まさかの、レベルアップの反動!?
ていうか、この声誰!?

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