俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?
32 白い建物
「よう、ケイトじゃん。こんな所で何してんだ?」
振り返るとレンがいた。いつも通りの女性の様なブロンドを持つ美形青年。瞳は綺麗な青色で武具はバランスの良い片手剣と丸盾。服装は学園の制服だ。
前から思ってたけど、美形で中性的な顔立ちの君がそんな口調だととても違和感を感じるのだが……実は女ですと言われたら信じてしまいそうだ。
「ああ、レンか。丁度学園に向かってた所だ」
「へぇ、と言うことはやっぱり受かったのか」
お、この反応は予想していたのか?
「……予想通りだったのか?」
「まあな。実は何と無くだったんだがケイト。俺にはお前の実力が見えなくてな、落ちることは無いとは少し思ってたんだ」
え?俺、そんな風に思われていたの?俺はそんなんじゃ無いよ。俺は普通の人畜無害な善良なヒトダヨ?
「はっはっは、そんなまさか。俺はいたって普通の旅人だよ」
「いや、旅人が普通に学園に編入出来るわけないからな」
チッ、やっぱりそうなのか。あのローサムって言う化け物が原因だよね?てか、あの化け物を実技試験の試験官にするなんて学園もイかれてるよね?それに、俺はその化け物に左腕を粉砕されたんだけど。
まぁそんなことを思っても意味はないか。
と言うわけで俺たちは学園へ向かった。
それと何故かレンにアトラの事を訊かれなかった。ずっと俺の頭の上に乗っているんだけどなぁ……もしかして帽子に見えているのか?周りの様子から多分そうだろうとは思っていたけれど。
俺がそう思った時、急にアトラが俺の頭から飛んで、俺の懐の方へ降りて来た。その瞬間を目撃したレンは驚いている。
「あ、こらっ。ダメだろう?勝手に動いちゃ……周りの人が驚い……アトラ?」
周りの人が驚いているから注意をしようとしたら、アトラの様子が変だった。小刻みに身体を震わせ、何かから怯えているように丸くなっている。
「おいケイト。それは何だ?」
「ごめんレン。あとで話すからさっさとここから離れよう。アトラが怖がっている」
「あ、ああ……急いで学園に向かおうか」
俺とレンは直ぐにその場から離れた。白い、大きな教会と思われる建物の前から。
少し離れてやっとアトラが落ち着いた。やはり、さっきの場所に問題があるのか……
「……なぁケイト。それは何だ?」
「………レンはさ、多数の昆虫の器官を持った黒い蜘蛛で、蜘蛛の女王は知っているか?」
俺はアトラを優しく撫でながら、レンの質問を質問で返した。辺りに人はまだいるが、騒がしい中では聞こえたりはしないだろう。確かこう言う状況で会話が成立する原因ってカクテルパーティ効果って言うんだっけ?客引きのために叫んでいる人や、会話をしながら店をまわる人とかいるから大丈夫なはず。もし聞かれたら口封じすれば良いかな?
「あ、ああ。だがそれは神話とかに登場して、見た人は全員気が狂っているから信憑性はない魔物だぞ?」
「彼女は魔物じゃない。魔物よりもっと恐ろしい立ち位置だ。唯一神を信仰する人間なら絶対に気が狂って当たり前な存在だ」
日本人が彼らを恐怖しないのは神道が無意識に根付いているからだ。だから、神が味方である都考えている宗教の国にとって、人類の味方である神が冒涜的で敵あると言うのは恐ろしいと思ってしまうのだ。
「まさか…ケイト、お前は出逢ったそれにのか?」
「正気だけど出逢ったよ。そして殺したよ、アトラク=ナクアを」
懐の所で大人しくしていたアトラはレンに飛びつく。レンは少したじろぐが、直ぐに体勢を立て直す。
「彼女の中に居たんだ、この仔は」
「信じ……られないな………」
レンはアトラを抱えながらそう言った。俺達は再び学園に向けて歩き出す。
「ま、信じなくても良いさ。で、今レンが抱えている仔が、それの仔供。彼女は結構優しい性格だったよ。殺したのが勿体無いくらいに」
ちょっと空気が重いな……個人の問題だから仕方がないけれど。
「そう言えば首刈りはどうなった?」
俺はさっきの教会みたいな所が怪しいと思うけど。
急な話題転換でレンは少し戸惑ったようだが、情報をくれた。
「あ、ああ……こほんっ、首刈りってさ、首のない死体を作るからそう呼ばれているのは分かるよな?」
「そうだな。名前から直ぐに連想できる」
レンが言うには、どの被害者も首がないのは当たり前だが、それと同時に心臓がないらしい。ある時は後ろからくり抜かれているようで、ある時は前からくり抜かれている。そして犯行時は誰も分からないという。明らかに家の近くで起きたはずなのに、耳には悲鳴は聞き取っていないらしい。
「近くで起きたのに気が付かなかったし聞こえなかった………何だろう……なんか―――」
「『面白い』だろう?俺もそう思ったよ」
はっはっは、気が合うなー…チクセウ……なんで早くここに来れなかったんだよ俺は…………
人混みを掻き分けながらも俺たちは学園に向かい、余裕を持って校門を潜れた。
「じゃ、俺はアトラと職務室に行ってくるよ。またな」
「おう、たくさん学べよ〜」
そうして俺はレンと別れた。ただ、少し気になることがある。何故だろう……すっごく視線が痛い………特に男子生徒からの視線が………
待たせてしまって本当に申し訳ない……(−_−;)
振り返るとレンがいた。いつも通りの女性の様なブロンドを持つ美形青年。瞳は綺麗な青色で武具はバランスの良い片手剣と丸盾。服装は学園の制服だ。
前から思ってたけど、美形で中性的な顔立ちの君がそんな口調だととても違和感を感じるのだが……実は女ですと言われたら信じてしまいそうだ。
「ああ、レンか。丁度学園に向かってた所だ」
「へぇ、と言うことはやっぱり受かったのか」
お、この反応は予想していたのか?
「……予想通りだったのか?」
「まあな。実は何と無くだったんだがケイト。俺にはお前の実力が見えなくてな、落ちることは無いとは少し思ってたんだ」
え?俺、そんな風に思われていたの?俺はそんなんじゃ無いよ。俺は普通の人畜無害な善良なヒトダヨ?
「はっはっは、そんなまさか。俺はいたって普通の旅人だよ」
「いや、旅人が普通に学園に編入出来るわけないからな」
チッ、やっぱりそうなのか。あのローサムって言う化け物が原因だよね?てか、あの化け物を実技試験の試験官にするなんて学園もイかれてるよね?それに、俺はその化け物に左腕を粉砕されたんだけど。
まぁそんなことを思っても意味はないか。
と言うわけで俺たちは学園へ向かった。
それと何故かレンにアトラの事を訊かれなかった。ずっと俺の頭の上に乗っているんだけどなぁ……もしかして帽子に見えているのか?周りの様子から多分そうだろうとは思っていたけれど。
俺がそう思った時、急にアトラが俺の頭から飛んで、俺の懐の方へ降りて来た。その瞬間を目撃したレンは驚いている。
「あ、こらっ。ダメだろう?勝手に動いちゃ……周りの人が驚い……アトラ?」
周りの人が驚いているから注意をしようとしたら、アトラの様子が変だった。小刻みに身体を震わせ、何かから怯えているように丸くなっている。
「おいケイト。それは何だ?」
「ごめんレン。あとで話すからさっさとここから離れよう。アトラが怖がっている」
「あ、ああ……急いで学園に向かおうか」
俺とレンは直ぐにその場から離れた。白い、大きな教会と思われる建物の前から。
少し離れてやっとアトラが落ち着いた。やはり、さっきの場所に問題があるのか……
「……なぁケイト。それは何だ?」
「………レンはさ、多数の昆虫の器官を持った黒い蜘蛛で、蜘蛛の女王は知っているか?」
俺はアトラを優しく撫でながら、レンの質問を質問で返した。辺りに人はまだいるが、騒がしい中では聞こえたりはしないだろう。確かこう言う状況で会話が成立する原因ってカクテルパーティ効果って言うんだっけ?客引きのために叫んでいる人や、会話をしながら店をまわる人とかいるから大丈夫なはず。もし聞かれたら口封じすれば良いかな?
「あ、ああ。だがそれは神話とかに登場して、見た人は全員気が狂っているから信憑性はない魔物だぞ?」
「彼女は魔物じゃない。魔物よりもっと恐ろしい立ち位置だ。唯一神を信仰する人間なら絶対に気が狂って当たり前な存在だ」
日本人が彼らを恐怖しないのは神道が無意識に根付いているからだ。だから、神が味方である都考えている宗教の国にとって、人類の味方である神が冒涜的で敵あると言うのは恐ろしいと思ってしまうのだ。
「まさか…ケイト、お前は出逢ったそれにのか?」
「正気だけど出逢ったよ。そして殺したよ、アトラク=ナクアを」
懐の所で大人しくしていたアトラはレンに飛びつく。レンは少したじろぐが、直ぐに体勢を立て直す。
「彼女の中に居たんだ、この仔は」
「信じ……られないな………」
レンはアトラを抱えながらそう言った。俺達は再び学園に向けて歩き出す。
「ま、信じなくても良いさ。で、今レンが抱えている仔が、それの仔供。彼女は結構優しい性格だったよ。殺したのが勿体無いくらいに」
ちょっと空気が重いな……個人の問題だから仕方がないけれど。
「そう言えば首刈りはどうなった?」
俺はさっきの教会みたいな所が怪しいと思うけど。
急な話題転換でレンは少し戸惑ったようだが、情報をくれた。
「あ、ああ……こほんっ、首刈りってさ、首のない死体を作るからそう呼ばれているのは分かるよな?」
「そうだな。名前から直ぐに連想できる」
レンが言うには、どの被害者も首がないのは当たり前だが、それと同時に心臓がないらしい。ある時は後ろからくり抜かれているようで、ある時は前からくり抜かれている。そして犯行時は誰も分からないという。明らかに家の近くで起きたはずなのに、耳には悲鳴は聞き取っていないらしい。
「近くで起きたのに気が付かなかったし聞こえなかった………何だろう……なんか―――」
「『面白い』だろう?俺もそう思ったよ」
はっはっは、気が合うなー…チクセウ……なんで早くここに来れなかったんだよ俺は…………
人混みを掻き分けながらも俺たちは学園に向かい、余裕を持って校門を潜れた。
「じゃ、俺はアトラと職務室に行ってくるよ。またな」
「おう、たくさん学べよ〜」
そうして俺はレンと別れた。ただ、少し気になることがある。何故だろう……すっごく視線が痛い………特に男子生徒からの視線が………
待たせてしまって本当に申し訳ない……(−_−;)
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