俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?
閑話的な何か クリスマス(キリカ視点)
この世界での初めての恋人とのクリスマス。私は明日が待ち遠しくて前日の夜はあまり眠れませんでした。
彼はよく私をいじりますが、何故か私はそうされて嬉しく懐かしいです。何故でしょうか?
私はそんなことを考えていたら待ち合わせのところへ着きました。そこに立っていたのは、黒いコートに紫色のマフラー、内側は白いシャツと灰色のズボンの姿のケイト様がいました。
「キリカ、メリークリスマス。その服似合っているよ」
私の服装は内側がモフモフのブーツに黒いソックス、赤いターンチェック柄の膝丈くらいのスカートと黒色の長袖シャツ、スカートの先までの長さの水色のコートにクリーム色のマフラーです。
「メリークリスマスです。ケイト、貴方も今日の服装凝っていますね」
恋人になったので呼び捨てでいいと言われてから少し経ちますがやはり恥ずかしいです。それにしても……いつ見ても素敵です……こんな私が釣り合うのでしょうか………
「キリカ、少し顔が赤いけど寒い?」
「ケ、ケイト様⁉︎」
私は少しボーとしてたようで気がついたら彼の顔が近くて驚いてしまいました。
「あ、今、様を付けた。じゃあお仕置きとしてこれを一日中被ってね」
用意されたかのように彼は〈境界〉から白い猫の耳のニット帽を私に渡しました。お仕置きと聞いたらもっと恥ずかしいものかと思っていましたが彼はやっぱり優しいです。偶に性格は変わりますが根は優しい人だと言うことはその時でも変わりません。
「それはお仕置きとは言わにゃい……ニャァ⁉︎」
「フッフッフッフ……被ってしまったようだねキリカ……」
嵌められました ︎本で見たことがあります!世の中にはこう言う事に使う魔法グッズがあるんでした ︎
「は、嵌めましたにぇえ!」
語尾とかに気を付けても無理矢理私の語尾を変えてくる……
「うぅ……何処でこれを手に入れたのですにゃ……」
「知り合いから借りた。誰れかは言わないけど……うん、この色にして良かった。髪色に合って不自然じゃないし可愛い」
そう満足そうに言われましても……恥ずかしいだけです…………
「さ、そろそろ移動しよっか。俺、こう言うの初めてだから要望とかあったら言ってくれると助かるかな」
「わ、分かりました……にゃ」
うぅ…どう足掻いても語尾に………でも絶対に魔法グッズなんかに屈したりはしないです ︎
「あ、でも、まずはティーナ様の神殿に向かって良いかな?お供え物を置こうと思って」
私は頷きました。これなら語尾に気を遣わずにすみます。
私はケイト様に手を引かれティーナ様の神殿に向かいました。何故か向かう途中のケイト様の顔は妙に楽しそうで、お供えが終わった時の顔は別の意味でとても満足そうでした。一体お供えした料理に何があるのでしょうか…………
「さて、嫌g…お供えし終わったし、次はお店をまわろうか」
今、嫌がらせって言おうとしましたよね?言いかけていましたよね ︎
「そうだ、お店で欲しいものがあったら俺が払うよ。結構お金が溜まっているし」
「ニャ⁉︎良いんですニャ⁉︎」
やってしまいました……今から喋らずに行こうと思いましたのに……
「喋らないように頑張っても無駄だよ?早めに帽子の力に身を委ねたほうが楽だと思うけど……」
ケイト様は私の手を引きながらそう私に囁きました。
「絶対にこの帽子に屈したりはしないにゃ‼︎」
「それはフラグ……でも頑張るところが可愛いから楽しんで眺めていられる……」
ケイト様の心の声が漏れています……ですが、どこが可愛いのですか…ただ恥ずかしいだけです………
すると私のお腹が歩いている途中に空腹を訴えました。そう言えばまだ昼食を摂っていませんでしたね……そんな私のお腹の音を聞いてケイト様は振り向いて言いました。
「そう言えばまだお昼を摂っていなかったね。何処かで食べよっか」
私は恥ずかしくて声が出せませんでした。なので熱くなっている顔で頷いてケイト様に手を引かれるままにお食事処のお店に入りました。
お店に入ると店員さんが出迎えます。
「いらっしゃいませ!2名様ですねご自由な席にどうぞ!」
私達は適当な席に座り料理を頼みます。
「あの、食事中はこの帽子は外しても良いですにゃ?」
私は衛生的に外した方が良いかケイト様に質問します。
「そうだね。衛生面の事を考えて……良いよ、食事の時は被らなくて」
私は帽子とマフラーとコートを、ケイト様はマフラーとコートを脱いで置き早速これからの予定を話し合いました。
そして注文した料理が運ばれて私達はそれを食べ始めます。
食べ終わった後はケイト様がお代を払いまた街を私達は歩き始めました。
街を歩き回っている間私達は何気無い旅の話をしたりしていましたが、ケイト様がある店の前を通った時にベンチに指差しながら私に言いました。
「あ、ちょっと買うものがあったからそこのベンチに座って待っててくれるかな?キリカ」
私はそれに頷きそのベンチに座りました。
「それにしても、何を買い忘れていたのでしょうか……にゃ………?」
そう呟いて周りを見回していると、とある男性に声をかけられました。
「お嬢さん、お一人ですか?もし良かったら私と一緒に来ませんか?」
私は喋りたくないので首を横に振ります。
「おや?1人ではないのですね。では貴女が待っている方も一緒にどうですか?」
本能的に今、話しかけている男性が私にとって害悪な感じがしてなりません。なので私はまた首を横に振ります。
「それは残念です……一気に商品が増えると思ったのですが……仕方がありません、ここは強引にでも付いて来てもらいましょうか」
この男性は私を商品しようとハッキリとそれらしき事を言いました。ここで抵抗すると目についてしまうでしょう……なら路地裏に回った時に……
私は溜息をついてその男性についていく意思を見せ付けます。
「おっと、その必要はありませんでしたね。自ら付いてくるとは……」
男性はニヤつきながら私を上から下を眺め見て路地裏へと歩き、奥まで進みました。そこで私は自分の腰に下げている刀に手をかけて……思い出しました。今日は持って来ていなかったのでした…………うぅぅ……どうしましょうか…この体格差だど私はどう考えても不利です。自分の身長が低いのが恨めしいです……
そして私に奴隷首輪をその男性がつけようとした時です。
突然、一陣の殺気がその場に充満しました。隠れていた馬車から男性の仲間が慌てて出て来て、馬は何処か怯えているように鳴き始めます。
「あちゃーこれは不注意だったわー。最近こういうの無かったから平和ボケしてたわー」
何処からかケイト様の声が響いています。
「だ、誰だ!姿を現せ!さ、さもなくば……」
私を此処まで連れて来た男性が声を出しながら周囲を警戒します。
「さもなくば……何だって?」
いつの間にかケイト様はその男性の背後に立ち、右腕を首にまわし、左の人差し指と親指を立て男性の顳顬に当てていました。
「奴隷商さん、彼女に手を出さないでくれます?」
そうケイト様が笑顔で言っただけで奴隷商の男性は蒼褪めながら首を縦に何度も振り失禁しました。どうやら一番近くで殺気に当てられて耐えられなかったようです。ケイト様が解放すると、その場に崩れ鼻水と涙を垂らし腰を抜かしながら馬車に逃げ込んで行ってしまいました。全く……私とケイト様の大切な日に邪魔して…許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ…………
「キリカ、大丈夫?変なことされてない?」
私はその言葉でハッと我に帰りました。
「だ、大丈夫です…………ニャ」
「うん、それなら良かった。もし、何かされてたらあの奴隷商さんにお返しを持って行かないといけなかったから……うん、良かった良かった」
ケイト様は安心そうにそう言って、私達は日が落ちる街をまた歩き回りました。
日は沈み、月灯りと街灯が街を照らし始めます。もう、楽しかったこの時間は終わりを告げようとしていました。
「結局魔法グッズには勝てませんでしたニャァ………」
「ハハッ、こっちは面白かったよ」
帰路につく中、そんな話をしていましたがケイト様は急に歩みを止めました。
私はそれに気付き、歩みを止め振り返りました。すると、ケイト様が私に話しかけます。
「ねえ、キリカ。今日は楽しかった?」
ありふれたような質問ですが何かを匂わせます。
「ええ、今までで一番楽しかったですニャ」
私はその質問に笑顔で答えました。
「それなら良かった。途中で奴隷商の人に連れて行かれそうになっていたけど、キリカがそれならクリスマスプレゼントが渡せるよ」
私の答えを嬉しそうに受け止めたケイト様はポケットから1つ、小さな指輪を通したチェーンのネックレスを取り出しました。私はそのチェーンのネックレスに見覚えがあります。確かケイト様が買うものを思い出した時、ケイト様が入ったお店のショウウィンドウに飾ってあったものです。
私は一瞬、いえ、たった今、胸が高鳴っています。そして、初めて見た指輪はとても懐かしい感じがして嬉しさと共に何か熱いものが湧き上がってきました。
「これを買う為にキリカが危険に晒されてしまった事に少し戸惑いがあるけど、良かったら受け取ってくれるかな?あ、別に婚約指輪じゃないよ、もし婚約指輪を渡すならもっと他のいい日にするから……って何言っているんだろう俺………まあ、兎に角どうか受け取ってくれ」
嬉しくて声が出ませんでしたが、私は縦に何度も首を振りケイト様に駆け寄りました。そして、今、思い返すと恥ずかしかったのですが、私はその勢いのままケイト様に飛びつき抱きついてしまいました。そんな私をケイト様は優しく受け止めてくださり、その瞬間私は思ってしまいました。「コノ人ハ絶対ニ誰ニモ渡サナイ。ソシテ貴方ハ私ヲ束縛シテ……」と。そんな感情でいっぱいになってしまいました。こんな想いは初めてです。空いた時間にお母様やフィラに聞いてみましょう……
こうして私の初めての恋人とのクリスマスは終わりました。
ガバッと音を立てて、私は起きました……
「私は何と言うはしたない夢を………」
現在の私は、恥ずかしさで胸が一杯です。そう、今日はクリスマス当日の朝でした。
彼はよく私をいじりますが、何故か私はそうされて嬉しく懐かしいです。何故でしょうか?
私はそんなことを考えていたら待ち合わせのところへ着きました。そこに立っていたのは、黒いコートに紫色のマフラー、内側は白いシャツと灰色のズボンの姿のケイト様がいました。
「キリカ、メリークリスマス。その服似合っているよ」
私の服装は内側がモフモフのブーツに黒いソックス、赤いターンチェック柄の膝丈くらいのスカートと黒色の長袖シャツ、スカートの先までの長さの水色のコートにクリーム色のマフラーです。
「メリークリスマスです。ケイト、貴方も今日の服装凝っていますね」
恋人になったので呼び捨てでいいと言われてから少し経ちますがやはり恥ずかしいです。それにしても……いつ見ても素敵です……こんな私が釣り合うのでしょうか………
「キリカ、少し顔が赤いけど寒い?」
「ケ、ケイト様⁉︎」
私は少しボーとしてたようで気がついたら彼の顔が近くて驚いてしまいました。
「あ、今、様を付けた。じゃあお仕置きとしてこれを一日中被ってね」
用意されたかのように彼は〈境界〉から白い猫の耳のニット帽を私に渡しました。お仕置きと聞いたらもっと恥ずかしいものかと思っていましたが彼はやっぱり優しいです。偶に性格は変わりますが根は優しい人だと言うことはその時でも変わりません。
「それはお仕置きとは言わにゃい……ニャァ⁉︎」
「フッフッフッフ……被ってしまったようだねキリカ……」
嵌められました ︎本で見たことがあります!世の中にはこう言う事に使う魔法グッズがあるんでした ︎
「は、嵌めましたにぇえ!」
語尾とかに気を付けても無理矢理私の語尾を変えてくる……
「うぅ……何処でこれを手に入れたのですにゃ……」
「知り合いから借りた。誰れかは言わないけど……うん、この色にして良かった。髪色に合って不自然じゃないし可愛い」
そう満足そうに言われましても……恥ずかしいだけです…………
「さ、そろそろ移動しよっか。俺、こう言うの初めてだから要望とかあったら言ってくれると助かるかな」
「わ、分かりました……にゃ」
うぅ…どう足掻いても語尾に………でも絶対に魔法グッズなんかに屈したりはしないです ︎
「あ、でも、まずはティーナ様の神殿に向かって良いかな?お供え物を置こうと思って」
私は頷きました。これなら語尾に気を遣わずにすみます。
私はケイト様に手を引かれティーナ様の神殿に向かいました。何故か向かう途中のケイト様の顔は妙に楽しそうで、お供えが終わった時の顔は別の意味でとても満足そうでした。一体お供えした料理に何があるのでしょうか…………
「さて、嫌g…お供えし終わったし、次はお店をまわろうか」
今、嫌がらせって言おうとしましたよね?言いかけていましたよね ︎
「そうだ、お店で欲しいものがあったら俺が払うよ。結構お金が溜まっているし」
「ニャ⁉︎良いんですニャ⁉︎」
やってしまいました……今から喋らずに行こうと思いましたのに……
「喋らないように頑張っても無駄だよ?早めに帽子の力に身を委ねたほうが楽だと思うけど……」
ケイト様は私の手を引きながらそう私に囁きました。
「絶対にこの帽子に屈したりはしないにゃ‼︎」
「それはフラグ……でも頑張るところが可愛いから楽しんで眺めていられる……」
ケイト様の心の声が漏れています……ですが、どこが可愛いのですか…ただ恥ずかしいだけです………
すると私のお腹が歩いている途中に空腹を訴えました。そう言えばまだ昼食を摂っていませんでしたね……そんな私のお腹の音を聞いてケイト様は振り向いて言いました。
「そう言えばまだお昼を摂っていなかったね。何処かで食べよっか」
私は恥ずかしくて声が出せませんでした。なので熱くなっている顔で頷いてケイト様に手を引かれるままにお食事処のお店に入りました。
お店に入ると店員さんが出迎えます。
「いらっしゃいませ!2名様ですねご自由な席にどうぞ!」
私達は適当な席に座り料理を頼みます。
「あの、食事中はこの帽子は外しても良いですにゃ?」
私は衛生的に外した方が良いかケイト様に質問します。
「そうだね。衛生面の事を考えて……良いよ、食事の時は被らなくて」
私は帽子とマフラーとコートを、ケイト様はマフラーとコートを脱いで置き早速これからの予定を話し合いました。
そして注文した料理が運ばれて私達はそれを食べ始めます。
食べ終わった後はケイト様がお代を払いまた街を私達は歩き始めました。
街を歩き回っている間私達は何気無い旅の話をしたりしていましたが、ケイト様がある店の前を通った時にベンチに指差しながら私に言いました。
「あ、ちょっと買うものがあったからそこのベンチに座って待っててくれるかな?キリカ」
私はそれに頷きそのベンチに座りました。
「それにしても、何を買い忘れていたのでしょうか……にゃ………?」
そう呟いて周りを見回していると、とある男性に声をかけられました。
「お嬢さん、お一人ですか?もし良かったら私と一緒に来ませんか?」
私は喋りたくないので首を横に振ります。
「おや?1人ではないのですね。では貴女が待っている方も一緒にどうですか?」
本能的に今、話しかけている男性が私にとって害悪な感じがしてなりません。なので私はまた首を横に振ります。
「それは残念です……一気に商品が増えると思ったのですが……仕方がありません、ここは強引にでも付いて来てもらいましょうか」
この男性は私を商品しようとハッキリとそれらしき事を言いました。ここで抵抗すると目についてしまうでしょう……なら路地裏に回った時に……
私は溜息をついてその男性についていく意思を見せ付けます。
「おっと、その必要はありませんでしたね。自ら付いてくるとは……」
男性はニヤつきながら私を上から下を眺め見て路地裏へと歩き、奥まで進みました。そこで私は自分の腰に下げている刀に手をかけて……思い出しました。今日は持って来ていなかったのでした…………うぅぅ……どうしましょうか…この体格差だど私はどう考えても不利です。自分の身長が低いのが恨めしいです……
そして私に奴隷首輪をその男性がつけようとした時です。
突然、一陣の殺気がその場に充満しました。隠れていた馬車から男性の仲間が慌てて出て来て、馬は何処か怯えているように鳴き始めます。
「あちゃーこれは不注意だったわー。最近こういうの無かったから平和ボケしてたわー」
何処からかケイト様の声が響いています。
「だ、誰だ!姿を現せ!さ、さもなくば……」
私を此処まで連れて来た男性が声を出しながら周囲を警戒します。
「さもなくば……何だって?」
いつの間にかケイト様はその男性の背後に立ち、右腕を首にまわし、左の人差し指と親指を立て男性の顳顬に当てていました。
「奴隷商さん、彼女に手を出さないでくれます?」
そうケイト様が笑顔で言っただけで奴隷商の男性は蒼褪めながら首を縦に何度も振り失禁しました。どうやら一番近くで殺気に当てられて耐えられなかったようです。ケイト様が解放すると、その場に崩れ鼻水と涙を垂らし腰を抜かしながら馬車に逃げ込んで行ってしまいました。全く……私とケイト様の大切な日に邪魔して…許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許しません。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。許さない。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ。ユルサナイ…………
「キリカ、大丈夫?変なことされてない?」
私はその言葉でハッと我に帰りました。
「だ、大丈夫です…………ニャ」
「うん、それなら良かった。もし、何かされてたらあの奴隷商さんにお返しを持って行かないといけなかったから……うん、良かった良かった」
ケイト様は安心そうにそう言って、私達は日が落ちる街をまた歩き回りました。
日は沈み、月灯りと街灯が街を照らし始めます。もう、楽しかったこの時間は終わりを告げようとしていました。
「結局魔法グッズには勝てませんでしたニャァ………」
「ハハッ、こっちは面白かったよ」
帰路につく中、そんな話をしていましたがケイト様は急に歩みを止めました。
私はそれに気付き、歩みを止め振り返りました。すると、ケイト様が私に話しかけます。
「ねえ、キリカ。今日は楽しかった?」
ありふれたような質問ですが何かを匂わせます。
「ええ、今までで一番楽しかったですニャ」
私はその質問に笑顔で答えました。
「それなら良かった。途中で奴隷商の人に連れて行かれそうになっていたけど、キリカがそれならクリスマスプレゼントが渡せるよ」
私の答えを嬉しそうに受け止めたケイト様はポケットから1つ、小さな指輪を通したチェーンのネックレスを取り出しました。私はそのチェーンのネックレスに見覚えがあります。確かケイト様が買うものを思い出した時、ケイト様が入ったお店のショウウィンドウに飾ってあったものです。
私は一瞬、いえ、たった今、胸が高鳴っています。そして、初めて見た指輪はとても懐かしい感じがして嬉しさと共に何か熱いものが湧き上がってきました。
「これを買う為にキリカが危険に晒されてしまった事に少し戸惑いがあるけど、良かったら受け取ってくれるかな?あ、別に婚約指輪じゃないよ、もし婚約指輪を渡すならもっと他のいい日にするから……って何言っているんだろう俺………まあ、兎に角どうか受け取ってくれ」
嬉しくて声が出ませんでしたが、私は縦に何度も首を振りケイト様に駆け寄りました。そして、今、思い返すと恥ずかしかったのですが、私はその勢いのままケイト様に飛びつき抱きついてしまいました。そんな私をケイト様は優しく受け止めてくださり、その瞬間私は思ってしまいました。「コノ人ハ絶対ニ誰ニモ渡サナイ。ソシテ貴方ハ私ヲ束縛シテ……」と。そんな感情でいっぱいになってしまいました。こんな想いは初めてです。空いた時間にお母様やフィラに聞いてみましょう……
こうして私の初めての恋人とのクリスマスは終わりました。
ガバッと音を立てて、私は起きました……
「私は何と言うはしたない夢を………」
現在の私は、恥ずかしさで胸が一杯です。そう、今日はクリスマス当日の朝でした。
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