俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?
21 その血雨は我の力の糧となる
魔剣を構えたのは良いものの、正直素手で潰したい気持ちがいっぱいだった。しかし、この世界に生を得てから自分の本当の性格が分かった気がする。生前の俺は自分らしさを縛り、傷付け、閉じ込めていた事が今改めて思わされた。そんな俺によく?声を掛けてくれたクラス委員長が、俺によく言っていた事がある。
『織界君って、よく血に飢えている目をしているよね』
はっきりそう言われた。その時はよく意味を理解していなかったが、今なら分かる気がする。自分の性質も、自分の欠点も、自分の欲望も。俺はいつのまにか自分をしていたつもりでいた。しかし、それはただ自分で自分の皮を作って被っていたにすぎなかった。あの聖剣が言っていた受け入れるものは、俺が無意識に閉じ込めた自分だったのか。
「ハハッ、こんな展開、早く来ていいわけないだろう……空気読めよ………!」
俺は一直線に踏み込んだ。〈身体強化〉と〈思考加速〉をその瞬間に使い、斬り込む。
斬る時、俺が感じるのは快感と飢餓。他人から見れば今の俺の姿は、王都を守ろうとしている1人の人間だろう。
「もっと……もっと血が欲しい!」
だが、見返りを求めない完璧な善人なんて存在しない。俺はただ、この魔物の血を浴びたい。その一心で斬る。
青い返り血を浴びる。外骨格を砕く感触がする。蜘蛛たちの悲鳴が耳を占領する。心地いい………
「クッ!」
噛まれた。毒を流し込まれた。体が少し痺れる。
「麻痺系の毒は変換しても残るのか……怠い………」
噛まれた痛みで、俺は冷静になれた。それまで俺は結構暴れていたらしく、蜘蛛の軍勢は残り大凡2割残っていた。更に観察を続けていると、人影が見えた。それは蜘蛛の最後尾にいて、とても美しいヒトだった。だが、それは更に奥を見ると人ではない事が分かってしまった。
それは他の蜘蛛の魔物よりも大きく人と同じぐらいの大きさで、何故か畏れの感情が湧いてくる。そして知った。人影だった物は人だった。しかしそれは生命が宿っておらず、身体のあちらこちらも腐敗していた。しかも糸で吊るされていたのだ。
その糸の先には黒い蜘蛛だった。そしてその特徴は俺が知っているものと完全に一致した。アレは理解してはならない。アレは魔物として存在していると思わなければ狂気が俺を支配してしまう。
「黒檀色の毛で人ほどの大きさの蜘蛛。多数の昆虫の器官に丸太ほどの大きさの脚。そして真紅色の目……ハハッ、本当に存在したのか…………」
その瞬間、甲高い声が周囲に響いたかと思うと、残りの2割ほどの蜘蛛が一斉に俺に目掛けて襲い掛かってきた。
「邪魔だ!」
俺は飛んできた〈音響砲〉で一掃する。しかし、咄嗟に発動したような感じだったので少し残してしまった。
「〈彼岸花〉!」
魔剣を縦に振り、周囲の蜘蛛の背中を同時に斬る。そして残るはあの蜘蛛だけになった。
「いやー本当に実在するとは思わなかったよ。流石は異世界だな」
正直、興奮が収まらない。かの有名な神話に登場する架空のはずの神性。谷に巣を張る幽閉された蜘蛛。一説ではその巣が完成したら世界に終焉が訪れるとも言われている。
でも、負ける気がしない。返り血を浴び続けてたからの闘志がなんかこう、燃え上がったのかな?
「神性ってどの位の強さなんだろう……」
そんな事を考えていると、背後からキリカとアルガンスの声が聞こえた。
「ケイト様!その魔物だけは相手してはなりません!」
「そうだ!アレは人類が太刀打ちできるものではない!だから早く馬車に戻ってくれ!」
人類?あ、そう言えばアルガンスには正体をを言っていなかったけ。ま、キリカも相手をしてはいけないって言っていたし、どの種族も太刀打ちでにないのか。よし、なら戦おう!てか、体内から壊せば行ける気がする。人技じゃないけど。
「何とかなりそうだから大丈夫ー!」
サナ、すまないが少しの間代わってくれ。お前も出来るんだろう?
俺は突撃しながら〈実体化〉を解く、それと同時にサナが〈実体化〉を使用し、魔剣を口の中に投げ入れる。
「後できちんと手入れしてねっ」
そしてサナも〈実体化〉を解いた。二度手間な方法だと思うがこれにはちゃんと意味がある。あの魔物には神性を持っていると言う事は、知識があると言う事で猫騙しとかが有効だと思ったからだ。それと最近知ったのが、〈実体化〉には少し制限があって、一つの魂での再発動があり、俺はその時間を短縮させるために投げずに魔剣に戻ったのだ。
案の定あの魔物は知性があり、一瞬だけ怯んでくれた。その後、綺麗に回転して弧を描く魔剣を飲み込んでくれた。
「体内への侵入完了っと。さて、暴れるか」
〈袈裟斬り三段〉を使用し胃袋から脱出する。あ、そうそう〈袈裟斬り三段〉は最近、丸太とかで練習してたらいつの間にか変化していたスキルだ。体内はThe蜘蛛みたいな作りで、チラチラと昆虫の器官が混ざっている部分が見える。こんな事を知って意味が無いって思っていたけど、ありがとう黒歴史製造期の自分……
それにしても不思議な空間だ。普通はこう言うところは体液や色々な細胞で詰まっているのに歩けるって……
「確かこの辺りも大事な器官だよねー」
斬る。歩いては斬る、歩いては斬る……地味に楽しい……………
「ん?何だろうあれ」
歩き回っていたら、人の赤子くらいの大きさの紫色の球体を見つけた。
俺はそれに歩み寄ると、地味に脈打っていることがわかる。
「……子供か。親を殺してしまうし保護するか」
俺はその球体を〈境界収納〉で一時的に境界に仕舞う。
「さてと、最後は核だけか……何処にあるんだろう…………あ、あった」
心臓を見つけた。今更思ったことがある。心臓って綺麗な形だよね?俺は何となく飾りたいと思ったので、境界を使って切断する事にした。ああ……返り血をたくさん浴びてしまった……やばい、さっきより力が増えている気がする。
心臓を切り離すと急に魔物が苦しみ始めた。さっきまでは微妙な揺れしか来なかったが、今回のは大きい。早く脱出しなければならなさそうだ。
[EXスキル〈その血雨は我の力の糧となる〉を構築し、入手しました]
「お前の所為か‼︎」
ちょっと八つ当たりがしたくなってきた……あ、そうだ、脱出序でに発散しよう。
「〈黒百合〉」
魔剣を振るう。外骨格が無抵抗で切り抜くことができた。
俺はそこから脱出した。
『織界君って、よく血に飢えている目をしているよね』
はっきりそう言われた。その時はよく意味を理解していなかったが、今なら分かる気がする。自分の性質も、自分の欠点も、自分の欲望も。俺はいつのまにか自分をしていたつもりでいた。しかし、それはただ自分で自分の皮を作って被っていたにすぎなかった。あの聖剣が言っていた受け入れるものは、俺が無意識に閉じ込めた自分だったのか。
「ハハッ、こんな展開、早く来ていいわけないだろう……空気読めよ………!」
俺は一直線に踏み込んだ。〈身体強化〉と〈思考加速〉をその瞬間に使い、斬り込む。
斬る時、俺が感じるのは快感と飢餓。他人から見れば今の俺の姿は、王都を守ろうとしている1人の人間だろう。
「もっと……もっと血が欲しい!」
だが、見返りを求めない完璧な善人なんて存在しない。俺はただ、この魔物の血を浴びたい。その一心で斬る。
青い返り血を浴びる。外骨格を砕く感触がする。蜘蛛たちの悲鳴が耳を占領する。心地いい………
「クッ!」
噛まれた。毒を流し込まれた。体が少し痺れる。
「麻痺系の毒は変換しても残るのか……怠い………」
噛まれた痛みで、俺は冷静になれた。それまで俺は結構暴れていたらしく、蜘蛛の軍勢は残り大凡2割残っていた。更に観察を続けていると、人影が見えた。それは蜘蛛の最後尾にいて、とても美しいヒトだった。だが、それは更に奥を見ると人ではない事が分かってしまった。
それは他の蜘蛛の魔物よりも大きく人と同じぐらいの大きさで、何故か畏れの感情が湧いてくる。そして知った。人影だった物は人だった。しかしそれは生命が宿っておらず、身体のあちらこちらも腐敗していた。しかも糸で吊るされていたのだ。
その糸の先には黒い蜘蛛だった。そしてその特徴は俺が知っているものと完全に一致した。アレは理解してはならない。アレは魔物として存在していると思わなければ狂気が俺を支配してしまう。
「黒檀色の毛で人ほどの大きさの蜘蛛。多数の昆虫の器官に丸太ほどの大きさの脚。そして真紅色の目……ハハッ、本当に存在したのか…………」
その瞬間、甲高い声が周囲に響いたかと思うと、残りの2割ほどの蜘蛛が一斉に俺に目掛けて襲い掛かってきた。
「邪魔だ!」
俺は飛んできた〈音響砲〉で一掃する。しかし、咄嗟に発動したような感じだったので少し残してしまった。
「〈彼岸花〉!」
魔剣を縦に振り、周囲の蜘蛛の背中を同時に斬る。そして残るはあの蜘蛛だけになった。
「いやー本当に実在するとは思わなかったよ。流石は異世界だな」
正直、興奮が収まらない。かの有名な神話に登場する架空のはずの神性。谷に巣を張る幽閉された蜘蛛。一説ではその巣が完成したら世界に終焉が訪れるとも言われている。
でも、負ける気がしない。返り血を浴び続けてたからの闘志がなんかこう、燃え上がったのかな?
「神性ってどの位の強さなんだろう……」
そんな事を考えていると、背後からキリカとアルガンスの声が聞こえた。
「ケイト様!その魔物だけは相手してはなりません!」
「そうだ!アレは人類が太刀打ちできるものではない!だから早く馬車に戻ってくれ!」
人類?あ、そう言えばアルガンスには正体をを言っていなかったけ。ま、キリカも相手をしてはいけないって言っていたし、どの種族も太刀打ちでにないのか。よし、なら戦おう!てか、体内から壊せば行ける気がする。人技じゃないけど。
「何とかなりそうだから大丈夫ー!」
サナ、すまないが少しの間代わってくれ。お前も出来るんだろう?
俺は突撃しながら〈実体化〉を解く、それと同時にサナが〈実体化〉を使用し、魔剣を口の中に投げ入れる。
「後できちんと手入れしてねっ」
そしてサナも〈実体化〉を解いた。二度手間な方法だと思うがこれにはちゃんと意味がある。あの魔物には神性を持っていると言う事は、知識があると言う事で猫騙しとかが有効だと思ったからだ。それと最近知ったのが、〈実体化〉には少し制限があって、一つの魂での再発動があり、俺はその時間を短縮させるために投げずに魔剣に戻ったのだ。
案の定あの魔物は知性があり、一瞬だけ怯んでくれた。その後、綺麗に回転して弧を描く魔剣を飲み込んでくれた。
「体内への侵入完了っと。さて、暴れるか」
〈袈裟斬り三段〉を使用し胃袋から脱出する。あ、そうそう〈袈裟斬り三段〉は最近、丸太とかで練習してたらいつの間にか変化していたスキルだ。体内はThe蜘蛛みたいな作りで、チラチラと昆虫の器官が混ざっている部分が見える。こんな事を知って意味が無いって思っていたけど、ありがとう黒歴史製造期の自分……
それにしても不思議な空間だ。普通はこう言うところは体液や色々な細胞で詰まっているのに歩けるって……
「確かこの辺りも大事な器官だよねー」
斬る。歩いては斬る、歩いては斬る……地味に楽しい……………
「ん?何だろうあれ」
歩き回っていたら、人の赤子くらいの大きさの紫色の球体を見つけた。
俺はそれに歩み寄ると、地味に脈打っていることがわかる。
「……子供か。親を殺してしまうし保護するか」
俺はその球体を〈境界収納〉で一時的に境界に仕舞う。
「さてと、最後は核だけか……何処にあるんだろう…………あ、あった」
心臓を見つけた。今更思ったことがある。心臓って綺麗な形だよね?俺は何となく飾りたいと思ったので、境界を使って切断する事にした。ああ……返り血をたくさん浴びてしまった……やばい、さっきより力が増えている気がする。
心臓を切り離すと急に魔物が苦しみ始めた。さっきまでは微妙な揺れしか来なかったが、今回のは大きい。早く脱出しなければならなさそうだ。
[EXスキル〈その血雨は我の力の糧となる〉を構築し、入手しました]
「お前の所為か‼︎」
ちょっと八つ当たりがしたくなってきた……あ、そうだ、脱出序でに発散しよう。
「〈黒百合〉」
魔剣を振るう。外骨格が無抵抗で切り抜くことができた。
俺はそこから脱出した。
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