俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?

まさみゃ〜(柾雅)

17 本棚って何だっけ?

 [一定時間のスキル発動による経験値により、EXスキル〈人化みたいなもの〉から〈実体化〉に変化しました]

 メッセージは『変化』と言った。〈居合斬り〉は二段に上がる際に『進化』と言っていたのに今回のは違かった。
 て言うか、タイミングが美味し過ぎないかこれ?

 「どうしたんだ?急に固まって」

 アルガンスが声をかけて来て俺はハッとする。どうやら本当に固まっていたらしい。

 「いや、なんでもない。それよりさっきの報酬の話なんだが、やっぱ人間の死体は抜いてくれるか?」

 「む?そうか。じゃあ報酬は金貨8枚だな」

 え?報酬の金額上がってません?聞き間違えじゃあ無いのかな?

 「え?金貨4枚じゃなかったか?」

 そう訊いてみるとアルガンスは言った。

 「追加した4枚はまああれだ。王都で過ごす時のお金だと思ってくれ」

 「あ、ああ……」

 え……王都って結構お金が溶けるの…………?
 こうして護衛依頼の話は終わった。



 「さて、今日はもう遅い。エムメレク家には連絡を入れているから今日は泊まるといい」

 俺とキリカはその好意に甘えることにした…………

 「のは良いのだが、流石に2人同じ寝室は無いだろ…………」

 侍女さんに案内された部屋は2人部屋だった。ご丁寧に防音系結界まで張られている。部屋の内装は、一つの風景が壁に掛けられており、その下に大人2人分の大きさのベッドが置かれ、窓際には一つの小物入れが置かれ、端四方向に本棚、床にはカーペット…………簡単に言えば配置が雑だ。明らかに適当すぎる。

 「俺はソファーで寝るからキリカはベッドを1人で使うと良い」

 俺はそう言って本棚を漁り始める。何か面白い本は無いか探しているとこんな物があった。
  【ネ○ロノ○コン】

 「………………」

 正直に言おう……欲しい………しかし何故こんな危険物がこんな所に有るのだろうか?だが〈境界スキマ収納〉でコッソリ回収する。これは危険な人物とかには渡してはならない…………
 そしてまた、危ない本を見つけた。
  【猛毒の作り方 I〜Ⅹ】

 「………………」

 これも正直に言おう。とても欲しい。さて、危険な人物とかに取られる前に収納収納……え?俺自体が危険人物?アハハハッまさかそんな訳ない。俺は生前、極普通の高校生だったし…………ね?

 「面白そうな本はない……ですね…………」

 キリカが隣でそう呟いた。やはり彼女は読書好きなのだろう。寝室が書物庫なくらいだし。

 「そうだね…………てか眠い……………俺はちょっと寝るから本体を預かってくれるかな?」

 「え?え、ええ構いませんよ」

 キリカから了承を得て俺は本体を渡す。そして〈実体化〉の使用を中断する。剣の状態でいると疲れが取れて楽だ……そのまま感覚に身を委ねれば直ぐに意識が遠のいて行く………暫くして俺は意識が消えた。

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