俺の転生体は異世界の最凶魔剣だった!?
8 書物庫の主
書物庫の扉を開けるとそこには沢山の本と1人の白い人影があった……って人?
白い人影はよくよく見ると知っている人物だった。
「……」
俺はすぐに扉を閉めた。
「アハハハ……気の所為…かな?寝間着姿のキリカが居た気がする……此処、書物庫だよね……?」
もう一度扉を開ける。気の所為では無かった。俺の視線の先には透明感のあるネグリジェ……では無く透明感の無いネグリジェを身に纏ったキリカの姿があった。彼女は今、起きたばかりらしい。
「…ケイト……さん?どうして私の部屋に……?」
寝起きなのか、アルコールがまだ回っているのか、キリカの意識は未だ覚醒していない。そしてキリカは自分の身嗜みを確認してハッとする。
「え?……やだ、私ったら着替えるの忘れてた!ケ、ケイトさん、い、いい、一度外で待ってて下さいませんか?」
キリカは顔を赤くして言う。
「わ、分かりました」
俺も慌てて扉を閉めて待機する。
―2分後―
キリカがもう入っていいと言っていたので扉を開ける。寝起きだった彼女は黒いワンピースに着替え髪の毛を整えたのだろう。しかし、短時間だった所為か髪の毛が少し乱れていた。
「キリカ、ちょっと良いかな?」
俺は手招きをする。
「は、はい、何でしょうか?」
キリカは少し緊張している様子で来る。
「ちょっと後ろを向いて下さい。あ、あと櫛を貸して下さい。今、整えますから」
そう言って、俺はキリカから櫛を受け取った後、彼女の髪を梳かし始める。
「これでよしっと、もう良いよ」
ある程度整え終わったのでキリカに声をかける。しかし、彼女は動かない。気になって顔を覗き込むと彼女は立ったまま寝ていた。よっぽど夢幻(仮)が強かったのだろう。
「立ったまま寝ている……仕方ない、運ぶか」
立ったまま寝ているキリカを起こさないようにそっと抱えベットまで運ぶ。途中、自分の足に躓来そうになっても彼女は起きない。ゆっくり床に積まれている本の山を避けながらベッドまで辿り着いた。
「お酒を飲んだ後に夜更かしして読書……大丈夫なのか?この子……」
そっと羽根のように軽いキリカをベッドに寝かせて俺はそう呟いた。
「ま、余計な詮索はよしてこの世界の資料を探すか」
資料を探して小一時間。書物庫にあった本のジャンルは、
≪歴史、地学≫≪聖剣と魔剣≫(本では無く羊皮紙の束)
≪文学≫-≪純文学≫≪大衆文学≫
≪神学≫
≪悪魔学≫≪魔法、魔術≫≪呪法≫≪禁呪、禁術≫
≪錬金術≫
≪武術≫-≪剣術≫≪槍術≫≪杖術≫≪拳術≫(入門のみ)
≪戦術≫(入門のみ)
≪国に関するもの≫(ジャンル名は適当)
≪教会に関するもの≫(上に同じ)
≪生物学≫(入門のみ)
≪医学≫(入門のみ)-≪薬学≫
≪聖剣と魔剣≫(本のバージョンもあった)
≪神と邪神≫
≪外典類≫
だった。
よくよく考えるとこう並べたらジャンルじゃないな。ま、いいか。
取り敢えず気になるものから読み始める。
10分後
「やっぱり≪神と邪神≫には載っているわけないか〜安心した……」
俺は少し安心した。しかし、後程登場する事は今は知る由もなかった。それはこの世界できになるものリストに入っている。この世界について気になっていた事は纏めると、
1、邪神にラヴクラフトの創作した小説に登場する邪神が居るか
2、俺の本体である《魔剣:メラン=サナトス》について
3、国の発展具合と財政について
4、魔物について
5、ダンジョンの有無(もしあった場合は歴史も調べる)
6、この世界に存在する種族
の6つである。
まだ外典類には手をつけていないので安心するのはまだ早かったと後悔するのは外典類読んでいる時だった。
大凡2時間
≪聖剣と魔剣≫には俺の本体の事が載っておらず、外典扱いだった。種族については、
<人族>-<人間>
<魔族>-<妖魔>、<妖精>、<精霊>、<魔人>、<悪魔>
<蛮族>-<妖魔>
<亜人族>-<エルフ>、<ドワーフ>、<獣人>(兎人や猫人など色々)、<魔人>、<巨人>
<龍(竜)族>←(いわゆるドラゴン)
<神族>-<正神>、<邪神>
<亜神族>-< 天使>、<聖人>、<超人>(人族から偶に進化する)
に分けられる。魔人と妖魔が2つあるのは曖昧だからこう分けておいた。決して間違えでは無い。
国の発展具合と財政についてだが、やはり図書館か学校みたいなもので学ぶしか無い。
「ん?そう言えばあの領主の息子ってキリカと同じ学校に通っているのかな?ま、今は関係ないか」
次に魔物だが、ダンジョンに生息しているものが比較的多いがダンジョンの外にも生息している。(但し少ないとは言っていない)
そうすると俺が目覚めた祠もダンジョンに分類される。
因みにこの世界の魔法は大気中にある魔素を身体に取り込んで魔力に変換しなければ使えない。変換した魔力は身体に貯まっていき、貯まった状態で魔法を発動すると成功しやすいらしい。ができないものは偶にいる。それに、魔力は生成に個人差があり、貯める量も個人差がある。しかしこれは悪魔学をきちんと学んでいればの話だ。平民では悪魔学を学べない為、独自で開発されて出来た魔法がある。それが悪魔学を学ばなくても使える魔法、《生活魔法》だ。って話が逸れ過ぎた。
大気中にある魔素が一番多い所がダンジョンである為、魔物が発生するらしい。その為、魔物は狩っても狩っても根絶やしができない。その代わりだが、ダンジョン以外で倒した魔物は食用になる者がある。主にオークやコカトリスとか色々。
だいたい知りたい事はわかった。そして外典類。その中にはラヴクラフトの創作した小説に登場する邪神の名前があったり、所有者を不幸にする聖剣だったり、所有者にもスキルの影響を与える魔剣だったり色々と載っていた。俺の《魔剣:メラン=サナトス》も載ってた。
魔剣ではこう言うのがあった。
《サタンの怨炎》火
《狂愛のアスモデウス》水
《レヴィアタン》風
《蠅ノ王》土
《妖刀:富欲》金
《魔剣:ルキフェル=プライド》光
《魔剣:レイジネス=ベルフェゴール》闇
《無名》無
《妖刀:雷電》雷
《魔剣:ギフト》毒
《魔剣:ムエルト》死
最初の7つはどう考えても‘七つの大罪’だと思う。そして一番驚いたのは、俺の本体である《魔剣:メラン=サナトス》はその中に載っていなかった事だ。しかし、羊皮紙の方の資料を漁っている時に本体について書かれている羊皮紙を見つけた。そして知った。俺の本体は2つの属性を持つ魔剣だった事を。
「え ︎嘘…だろ……あり得ない……二つの属性を持つ魔剣は作れないって……そもそも出来たとしても製作者は3つの属性適性を持っていることになる……けど……やっぱり情報が足りない……」
少し戸惑ったがその後に実際に見たら正気度を削る神性の本を見つけ読んでしまった為すぐに落ち着いた。
資料をある程度読み終わり適当に椅子を引っ張りそれに座る。
「フゥ……取り敢えず大体この世界のことは分かった。でも良く知っておかないと後々の生活に支障をきたすだろうから……学校に行くか……」
そんな独り言を言っているとキリカが目を覚まし起き上がった。
「………あれ?私は何でまたベッドで寝ているんだろう?確かさっきケイト様に髪を梳いてもらっている途中でしたが……」
「あ、起きた。もう身体は大丈夫?」
俺は起きたキリカに声をかける。
「は、ひゃい!だ、大丈夫でしゅ!」
あ、噛んだ。
「そう。なら良かった。もうそろそろお昼時だけど食堂に一緒に行く?」
俺はキリカにそう問う。彼女は噛んだのが恥ずかしいのか少し顔を紅潮させて頷く。俺は御巫山戯として扉を開け執事の真似をする。
「どうぞお嬢様」
なんて言うのかわからないので適当に言った。
違和感が無かったのだろう。そのまま指摘を受けず食堂まで歩き始める。
「どう?似てた?」
ちょっと感想を聞いてみる。
「ええ……本物の執事みたいでちょっと雇いたいと思ってしまいました……」
彼女は恥ずかしそうに答える。それはそうだろう。現在俺が来ている服は執事服に似たナザルさんの古着だもの。制服みたいなのにメッチャ動き易くて貰えるか聞いて見たらもう着れないからタダで貰えた。
そしてキリカと適当に魔法について話しながら廊下を歩いていると、メイド長が前からやって来た。
「おや?お嬢様、やっと御目覚めになりましたか……ケイト様、この様なお嬢様ですが何卒宜しくお願い致します……」
「ちょ、ちょっとフィラ、そんなのは良いから……」
キリカはまた少し顔を紅潮させてそう言った。
「いえいえ、俺は可愛いと思いますよ。特に寝起きの顔にはなんかこうグッとくる様な別の魅力がありますし」
俺は真面目に冗談半分で答える。
「け、ケイト様 ︎」
そんな事を言っているうちに食堂まで着いた。お昼にはお酒が出ませんように……理由は、お酒に酔ったナザルさんとカレアさんがコワクテシカタガナイ…………
白い人影はよくよく見ると知っている人物だった。
「……」
俺はすぐに扉を閉めた。
「アハハハ……気の所為…かな?寝間着姿のキリカが居た気がする……此処、書物庫だよね……?」
もう一度扉を開ける。気の所為では無かった。俺の視線の先には透明感のあるネグリジェ……では無く透明感の無いネグリジェを身に纏ったキリカの姿があった。彼女は今、起きたばかりらしい。
「…ケイト……さん?どうして私の部屋に……?」
寝起きなのか、アルコールがまだ回っているのか、キリカの意識は未だ覚醒していない。そしてキリカは自分の身嗜みを確認してハッとする。
「え?……やだ、私ったら着替えるの忘れてた!ケ、ケイトさん、い、いい、一度外で待ってて下さいませんか?」
キリカは顔を赤くして言う。
「わ、分かりました」
俺も慌てて扉を閉めて待機する。
―2分後―
キリカがもう入っていいと言っていたので扉を開ける。寝起きだった彼女は黒いワンピースに着替え髪の毛を整えたのだろう。しかし、短時間だった所為か髪の毛が少し乱れていた。
「キリカ、ちょっと良いかな?」
俺は手招きをする。
「は、はい、何でしょうか?」
キリカは少し緊張している様子で来る。
「ちょっと後ろを向いて下さい。あ、あと櫛を貸して下さい。今、整えますから」
そう言って、俺はキリカから櫛を受け取った後、彼女の髪を梳かし始める。
「これでよしっと、もう良いよ」
ある程度整え終わったのでキリカに声をかける。しかし、彼女は動かない。気になって顔を覗き込むと彼女は立ったまま寝ていた。よっぽど夢幻(仮)が強かったのだろう。
「立ったまま寝ている……仕方ない、運ぶか」
立ったまま寝ているキリカを起こさないようにそっと抱えベットまで運ぶ。途中、自分の足に躓来そうになっても彼女は起きない。ゆっくり床に積まれている本の山を避けながらベッドまで辿り着いた。
「お酒を飲んだ後に夜更かしして読書……大丈夫なのか?この子……」
そっと羽根のように軽いキリカをベッドに寝かせて俺はそう呟いた。
「ま、余計な詮索はよしてこの世界の資料を探すか」
資料を探して小一時間。書物庫にあった本のジャンルは、
≪歴史、地学≫≪聖剣と魔剣≫(本では無く羊皮紙の束)
≪文学≫-≪純文学≫≪大衆文学≫
≪神学≫
≪悪魔学≫≪魔法、魔術≫≪呪法≫≪禁呪、禁術≫
≪錬金術≫
≪武術≫-≪剣術≫≪槍術≫≪杖術≫≪拳術≫(入門のみ)
≪戦術≫(入門のみ)
≪国に関するもの≫(ジャンル名は適当)
≪教会に関するもの≫(上に同じ)
≪生物学≫(入門のみ)
≪医学≫(入門のみ)-≪薬学≫
≪聖剣と魔剣≫(本のバージョンもあった)
≪神と邪神≫
≪外典類≫
だった。
よくよく考えるとこう並べたらジャンルじゃないな。ま、いいか。
取り敢えず気になるものから読み始める。
10分後
「やっぱり≪神と邪神≫には載っているわけないか〜安心した……」
俺は少し安心した。しかし、後程登場する事は今は知る由もなかった。それはこの世界できになるものリストに入っている。この世界について気になっていた事は纏めると、
1、邪神にラヴクラフトの創作した小説に登場する邪神が居るか
2、俺の本体である《魔剣:メラン=サナトス》について
3、国の発展具合と財政について
4、魔物について
5、ダンジョンの有無(もしあった場合は歴史も調べる)
6、この世界に存在する種族
の6つである。
まだ外典類には手をつけていないので安心するのはまだ早かったと後悔するのは外典類読んでいる時だった。
大凡2時間
≪聖剣と魔剣≫には俺の本体の事が載っておらず、外典扱いだった。種族については、
<人族>-<人間>
<魔族>-<妖魔>、<妖精>、<精霊>、<魔人>、<悪魔>
<蛮族>-<妖魔>
<亜人族>-<エルフ>、<ドワーフ>、<獣人>(兎人や猫人など色々)、<魔人>、<巨人>
<龍(竜)族>←(いわゆるドラゴン)
<神族>-<正神>、<邪神>
<亜神族>-< 天使>、<聖人>、<超人>(人族から偶に進化する)
に分けられる。魔人と妖魔が2つあるのは曖昧だからこう分けておいた。決して間違えでは無い。
国の発展具合と財政についてだが、やはり図書館か学校みたいなもので学ぶしか無い。
「ん?そう言えばあの領主の息子ってキリカと同じ学校に通っているのかな?ま、今は関係ないか」
次に魔物だが、ダンジョンに生息しているものが比較的多いがダンジョンの外にも生息している。(但し少ないとは言っていない)
そうすると俺が目覚めた祠もダンジョンに分類される。
因みにこの世界の魔法は大気中にある魔素を身体に取り込んで魔力に変換しなければ使えない。変換した魔力は身体に貯まっていき、貯まった状態で魔法を発動すると成功しやすいらしい。ができないものは偶にいる。それに、魔力は生成に個人差があり、貯める量も個人差がある。しかしこれは悪魔学をきちんと学んでいればの話だ。平民では悪魔学を学べない為、独自で開発されて出来た魔法がある。それが悪魔学を学ばなくても使える魔法、《生活魔法》だ。って話が逸れ過ぎた。
大気中にある魔素が一番多い所がダンジョンである為、魔物が発生するらしい。その為、魔物は狩っても狩っても根絶やしができない。その代わりだが、ダンジョン以外で倒した魔物は食用になる者がある。主にオークやコカトリスとか色々。
だいたい知りたい事はわかった。そして外典類。その中にはラヴクラフトの創作した小説に登場する邪神の名前があったり、所有者を不幸にする聖剣だったり、所有者にもスキルの影響を与える魔剣だったり色々と載っていた。俺の《魔剣:メラン=サナトス》も載ってた。
魔剣ではこう言うのがあった。
《サタンの怨炎》火
《狂愛のアスモデウス》水
《レヴィアタン》風
《蠅ノ王》土
《妖刀:富欲》金
《魔剣:ルキフェル=プライド》光
《魔剣:レイジネス=ベルフェゴール》闇
《無名》無
《妖刀:雷電》雷
《魔剣:ギフト》毒
《魔剣:ムエルト》死
最初の7つはどう考えても‘七つの大罪’だと思う。そして一番驚いたのは、俺の本体である《魔剣:メラン=サナトス》はその中に載っていなかった事だ。しかし、羊皮紙の方の資料を漁っている時に本体について書かれている羊皮紙を見つけた。そして知った。俺の本体は2つの属性を持つ魔剣だった事を。
「え ︎嘘…だろ……あり得ない……二つの属性を持つ魔剣は作れないって……そもそも出来たとしても製作者は3つの属性適性を持っていることになる……けど……やっぱり情報が足りない……」
少し戸惑ったがその後に実際に見たら正気度を削る神性の本を見つけ読んでしまった為すぐに落ち着いた。
資料をある程度読み終わり適当に椅子を引っ張りそれに座る。
「フゥ……取り敢えず大体この世界のことは分かった。でも良く知っておかないと後々の生活に支障をきたすだろうから……学校に行くか……」
そんな独り言を言っているとキリカが目を覚まし起き上がった。
「………あれ?私は何でまたベッドで寝ているんだろう?確かさっきケイト様に髪を梳いてもらっている途中でしたが……」
「あ、起きた。もう身体は大丈夫?」
俺は起きたキリカに声をかける。
「は、ひゃい!だ、大丈夫でしゅ!」
あ、噛んだ。
「そう。なら良かった。もうそろそろお昼時だけど食堂に一緒に行く?」
俺はキリカにそう問う。彼女は噛んだのが恥ずかしいのか少し顔を紅潮させて頷く。俺は御巫山戯として扉を開け執事の真似をする。
「どうぞお嬢様」
なんて言うのかわからないので適当に言った。
違和感が無かったのだろう。そのまま指摘を受けず食堂まで歩き始める。
「どう?似てた?」
ちょっと感想を聞いてみる。
「ええ……本物の執事みたいでちょっと雇いたいと思ってしまいました……」
彼女は恥ずかしそうに答える。それはそうだろう。現在俺が来ている服は執事服に似たナザルさんの古着だもの。制服みたいなのにメッチャ動き易くて貰えるか聞いて見たらもう着れないからタダで貰えた。
そしてキリカと適当に魔法について話しながら廊下を歩いていると、メイド長が前からやって来た。
「おや?お嬢様、やっと御目覚めになりましたか……ケイト様、この様なお嬢様ですが何卒宜しくお願い致します……」
「ちょ、ちょっとフィラ、そんなのは良いから……」
キリカはまた少し顔を紅潮させてそう言った。
「いえいえ、俺は可愛いと思いますよ。特に寝起きの顔にはなんかこうグッとくる様な別の魅力がありますし」
俺は真面目に冗談半分で答える。
「け、ケイト様 ︎」
そんな事を言っているうちに食堂まで着いた。お昼にはお酒が出ませんように……理由は、お酒に酔ったナザルさんとカレアさんがコワクテシカタガナイ…………
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