平凡な毎日が一瞬で崩れ去った(凍結中)

AdieuJury

4話 試験

翌日
修羅達は6時くらいには起きていた

「そういえば、翠のステータスって俺見てないよな?」
「あ、うん!見せるよ!ステータス、オープン!」
「ええっと...っ!?」

柊翠 ヒューマン Lv1 
職業:狩人

STR 70
VIT 50
INT 300
MND 200
AGL 500
DEX 400
LUK 20

スキル 弓術Lv5 全属性魔法Lv1
特殊スキル 必中 成長速度2倍
称号 勇者 愛を知る者

つ、強い...
これ最強の後衛じゃないか?
称号の愛を知る者ってやつは気になるけど...
それに俺の下位互換みたいな特殊スキルもあるな

「翠強くない?」
「そんなことないよ?他のみんなも平均200くらいのステータスだったし」

よーするに、俺が一番低いのか
辛いなぁ...

「あれ?知らないスキルがある」
「え?どれだ?」
「この、成長速度2倍?ってスキルだよ。前はなかったのに...」

どういうことだ?
もしかしたら俺のスキルの影響かもしれないな

「そ、そうか...ま、まぁとりあえず武器屋に行こう。昨日の地図にも書いてあったし」
「うん!」

ちょっと悲しいなぁ...

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

地図の通りに歩くと武器屋の前まで来れた

「...でけぇ」
「昨日に引き続き、またまたデジャヴだね!」
「だから言わんくていい」
「はーい」

...聞いてんのかコノヤロウ
ってかこの国のお店なんか全体的にでかくね?

「ま、とりあえず入るか」
「うん!」

ガチャ...

「いらっしゃい、今日は何のようだ?」
「防具一式を買いに来た。一人金貨3枚で見繕ってもらえないか?二人共軽鎧系の防具で頼む」
「...あんた、主導権を奪うの上手いなぁ」
「そうでもないさ」
「まぁいい...それならこれはどうだ?普通のアイアンプレートに見えるが、魔石加工をしてある」

魔石加工?

「なんだそれは?」
「なんだ、知らないのか?」
「あぁ、つい昨日冒険者になったばかりでな」
「なんだあんたら新人か?ならしょうがないなぁ、教えてやろう」
「ありがとう」
「魔石加工ってのは、簡単に言えば一つの武器や防具に対して、何らかの効果をプラスするものだ。この防具にはあんたにはAGL上昇(小)、そこの嬢ちゃんのにはDEX上昇(小)の魔石加工をしてある」
「なるほど、その魔石っていうのにも色々種類があるのか?」
「たくさんあるねぇ、例えば赤色の魔石だとSTR、青色だとINTとかね、ちなみに無色はスキル関係だそうだよ」
「そうか、貴重な情報をありがとう」
「なぁに、当然のことだ」
「じゃあその防具を買いたい、いくらだ?」
「一つ金貨2枚、銀貨45枚だが...銀貨の分はサービスしてやろう。新人割ってやつだ」
「ありがとう、じゃあこれで」
「ひい、ふう、みい...丁度だね、また買いに来るのを待ってるよ。今度は武器もね」
「あぁ、また来るよ」
「バイバーイ!」

そういって、俺達は武器屋を去り、ギルドへ向かった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ギルドに着いた

「すみません、試験を受けに来たんですが」
「あ、お待ちしていました。どうぞ、こちらに来てください」
「わかりました...じゃあ行くか!」
「うん!」

これで俺達の今の実力がわかるな

修羅達は昨日と同じ受付嬢に、ギルドの訓練場に連れていかれた
そこには、巨漢な男と体が細めの男が立っていた

「お待たせしました」
「あぁ、全然待ってないから大丈夫だ」
「初めまして、シュラと言います。今日はよろしくお願いします」
「私は、ミドリだよ!よろしくね!」
「あぁ、俺はラムダだ。よろしくな」
「僕はライです。よろしく頼む」

この人達...強いな
戦わなくてもわかるこの威圧感
只者じゃない...と思う

「ではルールを説明します...と言っても相手を戦闘不能にする、または相手が降参する。これが勝利条件です。また、装備については、刃引きしたものをそこに置いてあるので使ってください」

相手を殺さないようにってところか
まぁ普通だよな

「では、先にどちらからやりますか?」
「じゃあ俺から行こう」
「修羅くん!頑張ってね!」

相手側は...

「ライ、先にやってもいいか?」
「あの人近接タイプみたいだし、いいよ」
「じゃあ試験官からは俺が先にやろう」

ラムダさん...武器は斧か
一撃でもくらったら終わりそうだな...
色々考えたが、修羅はとりあえずラムダさんを倒そうという結論に至った
ラムダは両手で斧を持ち、修羅は刀を鞘に納めたまま構えている

「おい、刀抜かねぇのか?」
「そうですよ?」
「舐めてんのか?」
「そんなことないですよ」
「ならいいが...怪我しても知らんぞ?」
「当たり前です。怪我するつもり、ありませんから」
「...後悔させてやるよ」

うわぁ...マルクスさんの時は大丈夫だったけど、怒らせちゃったかな
とりあえず頑張ろう

「準備はいいですか?」
「はい」
「おう」
「それでは...試験、開始!」

開始と同時にラムダは全力で前に走った

「死ねぇ!!!!」

めちゃくちゃ物騒な事言ってるよ!?
だけどこの速度なら一の型で大丈夫だな

「...居合『一閃』!」
「ぎゃあぁぁぁ!」
「まだまだ!...ってあれ?」

気絶しちゃってるよ
一撃で?
それはないはずだ...
あんな覇気しておいてここまで弱いか?

《レベ・が・が・ま・た》
《・・レベ・に・し・ので・化・可・にな・・す》

なんか、聞こえにくくなってたけど、あの音声が聞こえたような...

「し、勝者!シュラ・ツクモ!」
「修羅くんすごい!」
「あ、あはは...」

まぁ今は気にしないでおこう

「つ、次はミドリさん、お願いします」
「はーい!修羅くん、頑張ってくるね!」
「お、おう、気をつけてな」
「うん!」

あの感じなら大丈夫だと思うけど...

「まったく情けないですね...次は僕ですね?僕はラムダのようには行きませんよ?」

そうなのか?
覇気を見る限り、ラムダの方が強いと思うんだけど

「準備はいいですか?」
「うん!」
「はい」
「それでは...試験、開始!」
「フレイムキャノン!」

開始と同時に魔法を打ってきた
けど...

「ファイアボール!」

威力が確実に翠の方が上だった
多分上位?の火魔法を最初に覚える魔法で打ち消すどころが貫いてしまったのだ

「なっ!?ぎゃあぁぁぁ!!」

そのままライは気絶した

「し、勝者!ミドリ・ヒイラギ!」

なんか呆気なかったなぁ

「お二人共、強いどころじゃないじゃないですか!あの二人は、うちのギルドの最高ランク、Sランク冒険者ですよ!?それを一撃で...」

え?そんなに強い人たちだったの?
そうは思えないけどなぁ...

「あの二人、ステータス隠蔽してたよね?」
「はい、確かに隠蔽はしています。シュラさんが鑑定スキルを持っていることを知っていたので、こちらから支給させていただきました。ちなみに答えると、あの二人はLv167で、ステータスは、シュラさんの見たステータスのおよそ200倍ですよ?普通あんなステータス差で勝つのは不可能です。一体何をしたんですか?」

そんな事言われてもなぁ...

「まぁこの世界にはない技を使っただけだよ。翠のはわからん」
「私は、ステータスを隠蔽してるんだよ?」
「え?そうなの?」
「うん!修羅くんを驚かせたかったから、隠してたんだ!と言っても二箇所だけどね?私の本当のステータスを見せてあげるね!ステータス、オープン!」

そういって、翠は隠蔽を解いたステータスを見せてくれた

柊翠 ヒューマン Lv3 
職業:狩人

STR 280
VIT 200
INT 表示することを諦めました←ここと
MND 800
AGL 2000
DEX 1600
LUK 20

スキル 弓術Lv5 隠蔽Lv1 全属性魔法LvMAX←ここ
特殊スキル 必中 成長速度2倍
称号 勇者 愛を知る者


「...」
「あれ?修羅くん?」

俺の見間違いか?なんか、表示することを諦めましたって表示されてた気がするんだが...
もう一回見てみよう


柊翠 ヒューマン Lv3 職業:狩人

STR 280
VIT 200
INT 表示することを諦めました
MND 800
AGL 2000
DEX 1600
LUK 20

スキル 弓術Lv5 隠蔽Lv1 全属性魔法LvMAX
特殊スキル 成長速度2倍
称号 勇者 愛を知る者


...諦めるなよ!

「翠」
「な、なに?」
「お前、強すぎだろ」
「そ、そんなことないよぉ」

まぁ原因もわかったことだし...

「と、言うことで納得してもらえます?」
「...」
「あれ?...おーい、受付嬢さーん」
「はっ!?これは夢ですね!」

大丈夫か?この人

「残念ながら、夢じゃないんですねぇ」
「あ、そうですか...でもシュラさんの方は説明がつきませんよね?」
「それについてはなんとも...レベルもまだ低いし...」
「そうですか...でもこうなると新人からいきなりSSランクになってしまいますが、大丈夫ですか?」
「なにがです?」
「いえ...あ、そうだ。もう一つ試験を行ってもいいですか?」
「理由は?」
「あなた達がとても強いことはわかりました。でも、人を殺したことはないでしょう?」
「「!?」」

なんでわかったんだ!?

「長年の勘ってやつですよ...なので、一つクエストを出します。それにクリアすれば、SSランクの称号を差し上げます。」
「...わかりました、受けましょう。その代わり、報酬は弾んで下さいね?」
「もとよりそのつもりです。クエスト内容は、盗賊の討伐、又は生け捕りです。ですが、一人につき一人は必ず殺してください。そして、これから人を殺すこともあるということを、今のうちに知っておいてください」
「証拠はどうすればいいですか?」
「持ってこなくていいです。先程も言った通り、勘でわかりますから」

...勘ってすげぇ

「場所はこの国の西側の森にあります」
「わかりました...では行ってきます」
「行ってきまーす!」
「はい、行ってらっしゃい」

さて、初めての人殺しか...
憂鬱だな

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