平凡な毎日が一瞬で崩れ去った(凍結中)

AdieuJury

10話 新たな出会い

......どうしてこうなった?

「師匠!俺が荷物をお持ちいたします!」
「あ、ずるい!あたしが持つの!」
「じゃあ僕は肩を揉みますね」
「いえ、それは私が!」

なぜなんだ......

その理由は、今から1時間前に遡る

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

街を出てから5時間が経った
そろそろお昼時だ

「よし、ここらで1回休憩を取るか」
「そうだね」

昼飯はパンとジャムでいいか

「...ん?」
「修羅くん?どうしたの?」
「なんかこっちに来てる」

黄色が四個、赤が十数個ってところか

「ちょっと行ってくるわ、4人はここで待ってて」
「わかったよ!」
「わかったわ」
「了解しました!」
「はいなのです!」

じゃ、ちょっと行ってくるか!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

んーどこら辺だ?
...お、誰かの声が聞こえる

「はぁ、はぁ、はぁ、こいつらいつまで追ってくんだよ!」
「知らないわよ!」
「こんな所にオークの巣があったなんて......」
「とにかく逃げないと!私達Fランクが勝てるわけない!」

おー、やってるやってる
ってかあの赤い反応はオークだったか
んで黄色はこの新米冒険者か
やっぱ黄色は仲間以外の人の反応なんだな
...あ、一人転んだ
不味そうだからそろそろ倒すか

「おーい、助けいるか?」
「誰!?」
「この際誰でもいいから助けて!」
「おう、わかった」

そういって修羅は刀を抜いた・・・

「こいつら相手に抜刀術はいらなそうだな」

数は14体か......楽勝だな
スキルでも試すか

「『虚空閃』っ!」

ズバババババババババババッ!

......は?
いやいや何このスキル
まだ上級刀術Lv3だよね?
なんか一面の木がなくなったんだけど
もちろんオークも全滅したし

《レベルが上がりました》

お、また上がったか

「...え?終わったの?」
「そう...みたいね」
「ランクCの魔物をあんな一瞬で?」
「群れだったらたしかB相当だったよね?凄すぎるわ...」

あれ?またやらかした?
そんなに強かったんだ
ま、とりあえず無事でよかった
それで...誰に話しかけようかな
一番話しかけやすそうな戦士っぽい男の子でいっか

「お前ら、大丈夫だったか?」
「あ、はい!」
「じゃいいや、聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「いいですよ、あなたは俺達の命の恩人ですから」
「あ、そう...まぁいいや。それで、何しにここに来てたんだ?」
「採集クエストです。ここで採れる薬草とキノコを取りに来たんですけど...」
「その最中にオークに遭遇したのか」
「はい......」

じゃあ次は...司令塔っぽい男の子にしよう

「じゃそこの...君は魔法使いかな?」
「は、はい!」
「この辺ではよくオークはでるか?」
「いえ...ここら辺ではまず魔物はEランクまでしか出ないはずです」

なのにCランクか...

「異常ってことだな?」
「そうです...あの、一ついいですか?」

ん?なんだ?

「名前を教えてもらえませんか?」

あ、言ってなかったか
忘れてたわ
確かに助けてもらったはいいけど見知らぬ人だったら警戒はするよな
うーん...下の名前だけでいいか

「シュラだ」
「シュラさん、この度は本当にありがとうございました。あのままだったら僕達どうなってたか...」
「あぁ、気にするな。たまたま隣町に行こうとして通りかかっただけだからな」
「そうだったんですか...」

あ、そうだ

「オークの巣って、駆除した方がいいよな?」
「そ、そりゃそうですが...無茶ですよ!?オークの巣っていったら、最低でも100体はいますからね!」

けっこーいるなー
翠たちにも手伝ってもらうか

「大丈夫だって、仲間もいるから」
「仲間?」
「おう、今呼ぶから待ってろ」

少し離れてから...よし

(おーい、翠、聞こえるか?)
(あ、修羅くん!何かあった?)
(この近くにオークの巣があるらしいんだ、駆除したいんだけど、数が多くて俺1人じゃきついから来てもらえない?)
(いいよ!メアリーたちも連れてく?)
(おう、頼むわ)
(お安い御用だよ!じゃあ、また後でね!)
(おう...あ、場所わかるか?)
(大丈夫!修羅くんの匂いでたどり着けるから!)
(お、おう、そりゃよかった。気をつけてな)
(うん!)

これでよしっと...そんな匂いするかな?
まぁいいや

「あと五分もしたらくるだろ」
「ほ、本当ですか?」
「あぁ、念話で呼んだからな」
「念話って上級スキルですよね...本当に何者ですか?」
「ん?ただの冒険者だよ」
「まだ1週間くらいしか経ってないけどね!」
「...うぉ!?翠!?幾ら何でも速すぎだろ!」

もう来たの!?まだ十秒経ってないよ!?

「無属性魔法に速度強化の魔法があったから使ってきたの!そしたらいつもの十倍くらいの速度で来れちゃった!」
「へぇ...メアリーたちは?」
「あと五秒もしたら来ると思うよ?」

五秒後...

「はぁ、はぁ、ミドリ、速すぎない?」
「ミドリ姉に追いつく気がしなかったわ...」
「お姉ちゃんすごいの!」

本当に着きやがった...
みろ、こいつら4人唖然としてるじゃねぇか
...あれ、そういえば

「俺の名前は言ったけど、お前らの名前、聞いてなかったな」
「「「「......あっ!?」」」」

忘れてたみたいだな

「じゃ、うちのメンバーも来たことだし、自己紹介でもしますか。ミュゼから」
「私からなの!?」
「当たり前だろ?」
「えー...ミドリ姉!先にお願い!」
「はぐっ!?......しょ、しょうがないなぁ」

...翠、少しだけど鼻血出てるぞ

「私はミドリ、狩人だよ!」
「私はミュゼ、魔法使いよ!」
「私はミラなの!魔法剣士なの!」
「私はメアリー、ミュゼとミラは私の娘で、職業は治癒師よ」
「さっきも話したと思うが、俺はシュラ、職業は創造士だ」

こっちは一通り終わったな
次は新米冒険者達か

「今度はこっちか、じゃあ俺から。俺はジル、戦士です!」
「私はマリー、魔法槍士をやってます!」
「僕はワイズっていいます。職業は魔法使いです」
「私はクレアです。職業は僧侶です」

聞いた感じパーティとしてはバランスがいいな
それに比べて俺らは...職業だけでみたら前衛ミラしかいないじゃん
ま、俺も前衛出来るからいいんだけどな

「さて!自己紹介も終えたし、早速終わらせるか」
「え!?もう行くんですか?」
「当たり前だろ?善は急げだ」

楽しみだなぁ

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品