花便

ノベルバユーザー202674

花便




僕のクラスにはイジメがあった、いじめられているのは、千川千春、幼稚園から一緒の幼馴染でクラスではおとなしいほうだろう。
 いつも朝早くに来てお花を交換しているのを、僕は知っていた。皆花が変わっていることにすら気づいていないだろう。
ましてや千春が変えている事など知るはずがない、僕だけが千春のしている事を知っている、ちょっとした僕の自慢だ。
 小学生の頃は隣町の「丘の上公園」などに、家族ぐるみで遊びに行ったりお互いの家に泊まったりした事もあった。
 しかし高校二年になってから話しかけづらくなっていってしまった。原因は大体予想がつく、高校生になり、千春を女子として意識してしまいもし、自分が話しかけたら周りからいじられるのではないか、そう思ってしまうからだ。
僕が勝手に一人でいじられるのではと、どうでもいい心配していた頃、彼女はいじめられていたらしい、彼女に打ち明けられるまでしらなかった。
 ある日彼女が僕にいじめられているということ打ち明けてきた。その日まで僕は彼女のことをすべて分かっていると思っていた。
次の日から今まで気づかなかった。千春へのいじめが目につき始めた。
 僕は、「千春は嫌がっているだろ」と、止めに入った。(久しぶりだな下の名前で呼ばれるの)
 すると、彼女をいじめていたグループは、「冷めること言いやがって」と舌打ちをして去っていった。
 帰りに僕を校門で待っていた千春が僕を呼びとめ、少し黙った後「やっぱりいいや今日はありがとう、また明日ね。」と言い走り去って行った。
 夜、風呂からあがって携帯を見てみると、千春から「ねぇ、花言葉って知ってる?」というメールが来ていた。
 「ある程度なら知ってるけど、どした?」と返し布団に入った。
「なんでもないよ」と朝起きると返信が来ていた。
 学校に行くと花瓶にピンクのバラが飾られていた。僕が席につくと、千春が走り寄ってきて
 「ねぇねぇ、ピンクのバラの花言葉なーんだ?」
 「えーと確か感謝だったような」
 「せいかーい昨日はかっこよかったよ。昨日はね。」
 「一言余計だよ」
 「嘘うそありがと光希」と言い自分の席に戻って行った。
 授業も終わり帰ろうとしていたらいじめグループに囲まれ蹴られ続けた。しばらくして蹴り飽きたのか分からないが、
「女の前でカッコつけたいのは分からんでもないがーこれから冷めるようなことしたらどうなるかわかるよな?」と言い放ち去っていった。
 翌日から僕は千春のこと無視するようになった。またやられるのが怖かった。
 そして千春はまたいじめられ始めた。何度か千春が助けを訴えて来たが、僕は無視することしかできなかった。
 いじめられていても千春は花瓶の花を前みたいに毎日ではないが定期的に交換されていた。前はピンクのバラが入っていたが、今は紫色のアネモネになっていた。
ここで彼女にもう少し気を配れていたら、あんな事にはならなかったのかもしれない。
 何日も経ったある日今までアネモネだったのがラベンダーになっていた。少し匂いキツイな
 そしてまた何日か経った日、花がチグリジアという見たことない花になっていた。流石花屋くらいにしか思わず意図に気づけなかった。
 そして、花がキスツスに変わった次の日千春が学校に来なかった。
  「あいつ皆勤賞狙ってるっていってたのになー」
 そんなことを考えていると、ふとこの前の千春の言葉を思い出した。
 「花言葉って知ってる?」
 もしあれがあの時だけでなく今までの花全部に関係あるとしたら。
 そう思った僕は携帯で急いで「キスツス 花言葉」で検索した。通信制限をこの日ほど煩わしいとおもったことはない。
「やっと結果出た。」
 結果を見て僕は教室を飛び出した。
 「もしあれが本当ならどこを選ぶ」
 僕は記憶から千春が選ぶ可能性のあるところを考えた。
 「俺にあんなことを聞いてきたのは、俺へのメッセージだったから。」
 「だとしたら千春は何か俺と千春に関係する場所を選ぶはず。」
 僕には、一つだけ思い当たる場所があった。
 「おねがいだ。合っててくれよ。」 「そして間に合ってくれ」
 僕はある場所を目指して走った。
 その場所は、昔よく遊んだ場所。最近は全くよりつかなくなっていたが確か崖の上にあったはずだ。
 しかしその場所は走って三十分はかかる、僕はひたすら走った。いくつか信号を超えてあとはこの坂をのぼるだけだ。
 「見えた!」 「千春ー」
 僕は千春を見つけて叫んだ。
 その声に反応して、柵の上に立っていた千春が、振り向き戻ろうとした。
 しかし、その拍子に足を滑らせ、何かを呟きながら、崖の下へと消えていった。
 「千春ーーー」僕は叫ぶことしかできなかった。
 日が暮れるまで泣いた僕は、うつむきながらとぼとぼ歩いて帰った。
 僕はショックのあまり周りが見えていなかった。
信号が赤と言うことにそしてトラックの存在に・・・
今日、息子が急に教室を飛び出した上に隣町でトラックに轢かれ死んでしまった。
幼馴染の千春ちゃんは学校に来ていなかったらしい。千春ちゃんのお母さんが言うには朝元気に出かけて行ったらしい。
その日の夜中千春ちゃんのお母さんが来て千春ちゃんの遺体が隣町の崖の下で見つかったと伝えに来た。千春ちゃんの机には両親に宛てた遺書と光希に宛てた手紙に白いカーネーションが置かれていた。
手紙にはこう書かれていた。
「光希へ、光希がこの手紙を読んでいる時には私は死んでいると思います。」
「光希は私が死んだことを自分のせいだと自分を責めているかも知れませんが、自殺したのは、私の心が弱かっただけ、自分を責めないでください。」
「最後に、この花と、花言葉を贈ります。白いカーネーション(純粋な愛)(私の愛は生きています)私は貴方のことがずっと好きでした。さようなら。」
後日、千春と光希の葬式が合同で行われ、二人の棺おけには白いカーネーションが詰められ千春の手紙も入れられ二人と一緒に火葬された。
今は二人隣り合ったお墓で仲良く眠っている。
私の名前は千川千春。私は今から自殺します。
私はもう耐えられなくなってしまったから。
いじめだけなら耐えられた。
あの人と少しでも話せればそれで良かった。
あの人が心の支えだった。
でも、好きだったあの人に無視されるのはとても辛かった。悲しかった。
でも直接伝えることはできなかった。あの人に迷惑がかかってしまうから。
だから花言葉に思いを込めた。
「結局最後まで伝わらなかったな~」
お父さんお母さんごめんなさい。

先に行って待ってます。さようなら

「千春ー」
柵に立ったその時、私を呼ぶ光輝の声が聞こえた。
振り向いた瞬間、私はバランスを崩し空中に投げ出された。
   「光希、遅いよ・・・・バカ」
そして私の意識は暗闇に包まれた。

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