ミミック転生  ~『比類なき同族殺し』の汚名を晴らす方法~

チョーカー

新たな仲間と敵影

 俺は扉を開いた。
 中を覗き込む。広がるのは闇だ。マイクロフトの報告どおりの漆黒ってやつだ。
 しかし――――

 「マイクの時と違って灯りはつかないのか。歓迎されてないな」

 俺は自虐気味に笑い、館の内部に足を踏み入れた。

 「待て」

 俺は背後から体を掴まれ、持ち上げられた。

 「……降ろせよ、司令塔」

 俺を持ち上げたのは白衣の男だった。

 「いやだ。私もついて行く」

 その言葉は予想外だった。思惑がわからない。
 だから「……」と沈黙で返した。

 「私だってわかっている。ギルドがおかしいって事くらい。だから――――」
 「罪滅ぼしのつもりか?」

 「そうだ」と彼は力強く答えた。
 俺は「やれやれ」と会話にタメを作り、

 「こんなヤバイ所に乗り込む前に部下を治療してやれ」
 「必要ない。すでに終えている」  

 どうやら、白衣の男は有能らしい。

 「それで、あんたの名前は?」
 「アラシだ」
 「攻撃的な名前だ。見た目に似合わない名前だな」
 「よく言われるさ。あんたは?」
 「ミミックだ」
 「それは種族名じゃないのか?」
 「そこからきている。人は勝手に呼び名をつけている。ちなみにお勧めはミッくんだ」
 「……呼び名は、もう少し考えてみる」

 ようやく白衣の男――――アラシは俺の体を下ろしてくれた。
 俺たちは館を進むことにした。 

 「あんた、どこまで理解している?」

 俺は聞いた。

 「魔族が2人、篭城してると聞いている」
 「それだけか?」
 「それだけだ」

 「……うむ」と考える。 新しい情報は0だ。
 すこしだけ、ニンバリとコウ少年の情報を提示して情報共有をした。
 しかし、困ったことがある。
 アラシは気配遮断スキルを有していない。
 俺たちの侵入はニンバリたちも気づいているだろう。

 「いつ襲われてもおかしくないな……」

 決して広くはない館。いつ遭遇しても……

 「いつではなく、今遭遇したみたいだね」

 不意打ち気味に声をかけられる。
 その声の主は、顔にあどけなさを残した青年。
 豹柄のコートが異常に目立つ。
 他には剣だ。アラシのような長剣――――ただし、刀身の幅が異常に広い。
 まるで鈍器のような奇妙な剣を肩に担いでいる。

 「新手の魔族か」

 俺は警戒心を強める。
 事前情報になかった相手だ。どんな攻撃を――――

 「久々だね、ミミック」

 青年は言った。

 「久々……? だと?」

 困惑も一瞬、すぐに青年が誰か理解できた。
 その青年の背中――――豹柄のコートを突き破り、6枚の黒い翼が出現したからだ。

 「――――っ!? おまえ、コウかッ!」

 青年を「正解」と笑みを浮かべる。 
 俺はマイクロフトの言葉を思い出した。

 「確か、コウ少年が成長していたって話だったな。失念していたぞ」

 俺は前に出る。それと同時に――――

 「バックアップは――――支援を頼む!」

 アラシに支持を出した。



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