砂漠王子の愛は∞!~唇から風の魔法の溺愛アラヴィアン・ラブ~
Prologue~唇から風の魔法~
アイラ・ラルフ・ヴィーリビアは遠くから胸に響いてきた声に耳を傾けた。
――ねえ、アイラ。世界は、誰かが誰かを愛することで、成り立ってる。意味わかる? そう思うと、この世界も悪くないと思う。
かつて訊かれた親友レシュロン・バードからの問いの答を、あたしはずっと探している――……
眼の前には大きな虎の置物。随を凝らして神々が彫られた寝台の存在感。
色とりどりのクッション数個に寄り掛かり、怪しげな煙管を銜えている男はラヴィアン王国、第二王子アル・ラティーク・ラヴィアン。
くゆらせた煙管の香油がやけに甘ったるく、アイラの鼻に悪戯をした。
「僕のハレムへようこそ、奴隷。怖がらなくていいよ。ちょっとの辛抱だ」
頬を撫でられた刹那、視界に桃色の靄が立ち篭めた。
『いいんだよ、気持ちを解き放って、何もかも忘れて、幸せな気分に浸れ』
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