異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

……変態じゃないよ?

 廃墟と化した街へ近づいていくと敵の姿が見え始める。
 やべぇな。これ。
 敵は何かに乗ってくることはなく、じわじわと歩きながらきていた。
 敵の人数は五百はあるんじゃないかと思う。
 先を見ても、キリがない。

「……これ、ヤバくないすか?」
「ヤバいね。私達だけで対処出来るとは思わない」
「でも、雑魚しかいないんじゃないですか? 蹴散らしましょう」

 わお。エミリーの戦闘民族本能が騒ぎ出した!
 いやいやいや。雑魚っていってもそれなりの力はあるだろ! ましてやショッ〇ー戦闘員じゃないんだからさぁ。俺達はヒーローじゃないし!

「スキル! ホールキャベツ!」

 あー! もう待てよ!
 だが……。想像とは違う展開になった。

「相手弱っ!」

 敵はどんどんと倒れていくのだ。まるで、エミリーがプレイヤーに操作されている無双ゲームのようだった。

「これなら、俺でも!!」

 まぁ、ここで女に変身すれば強いのだが周りに仲間がいる状態でするのはちょっとなー……。
 なので、通常状態のおっぱおビームを左から右にかけて打っていく。
 何これ。
 発言がサイコかもしれないけど超楽しい!!
 敵はバタリバタリと倒れていく。だが、残るやつもいた。そう幹部の連中だ。
 はぁ……。何度も何度も! しつこいなぁ。
 この嚙ませ犬みたいな厨二病を何回見させられたら済むんだよ!

「フハハハハハハ! ここで再び会うとはなぁ! 俺達は血の繋が……」
「エミリー頼んだ!」
「ホールキャベツ!」

 相手の口ごと封じた。そこで寝てろ。

「また、動けないじゃないかぁ!!」
「ざまぁみろ!」

 でも、幹部が来てるってことは強い奴もいるって事だよなぁ……。
 そう思いながら、敵を見渡していると……プスッ。足に何かが刺さる。
 棘? 何だこれは……。

「よぉ。餓鬼が!」

 そこに立っていたのは筋肉モリモリのおっさんだった。
 あそこまで筋肉があると流石に気持ち悪いな。
 ボディービルダーか何かをしているかのような化け物体型だった。

「おっぱおビーム!」
「効かねぇよ。卑猥なガキが」

 ちっ。筋肉を膨らませるようにして攻撃を跳ね返してくる。
 まぁ、方向が全然違ったので避ける。避けない。の問題ではなかったのだけれど。

「その程度の攻撃じゃあ効かないぜぇ」
「ちっ」

 俺は相手の反射か何かが崩れるのを待ち打ち続ける。
 だが、相手は不敵な笑みで笑い続ける。

「おいおいどうした?」
「ちっ……」

 分からないけど体が痛い。何かが全身を麻痺させているのか?
 俺は念のため全身に身体強化を付けるが痛みは取れない。

「何が起きてんだ……?」
「ようやく気づいたか。苦しんで死ね」

 俺は危険と判断し、物陰に一旦隠れる。

「逃げても無駄だぜぇ」

 相手は近づいてすらいないのに痛みだけは続く。
 何が起きているんだ。筋肉モリモリの癖にセコい攻撃ばっかりしてきやがって……。
 くっそ……。痛い。こうなったら変身してオーバーキルでさっさと倒さねぇと……。

「変身!」

 俺はあの時のセリフと行動を思い出してやってみる。

「ミラクルキュン! キューティーハート! 貴方の心を撃ち抜いちゃうぞっ?」

 ……体は一瞬で変化し女になる。
 凄いけど、さっきの動きを俺がしてたと思うと吐き気がするし気持ち悪いな……。
 俺はそう思いながら、敵へと姿を現した。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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