異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

俺の性事情はどうでもいいんじゃ!

 ……。
 乱雑に書かれた手紙の上にぶち壊したくなる物が置いてある。
 その物を違う位置に置き、乱雑に書かれた手紙を読む。

『おい。海人を奪おうとする男め!
 さっさとこれを使い、男の喜びを知りやがれ! ついでにあの三人をお前が犯してくれたら、私としても海人を取られる心配が減り、安心するしな!
 そのための大きいベットだ! 感謝しやがれ!!』

 この手紙の上に置いてあった物は『コンドーム』だったのだ!

 ……ニコッ

 俺は紙をくしゃくしゃにする。すると、気が付くことがある。
 後ろにも何か書いてあるのだ。
 俺はくしゃくしゃにした紙を再度広げて確認する。

 3P楽しめよ!

 俺が怒りを顕にし、紙を引きちぎったタイミングで玄関の方からガチャという音が聞こえる。
 三人がトイレから戻ったようだ。

 ……ぎゃあああぁあぁあ!!

 俺は急いでくしゃくしゃにした紙とコンドームをポケットに詰める。
 そして、この部屋に通ずる扉が開かれる。
 俺は机の前で立ち尽くしていた。

「あれっ? 一君。顔、真っ赤にしてどうしたの? 大丈夫??」
「そんな事聞くな! じゃなくて、そんな事無いですよー……ははっ!」

 やべぇ。今の誤爆はやべぇ。自分からあんな事を言うなんておかしいだろ!

「あなたナニを考えてるんですか? 今度こそ。それ。ぶった斬りますよ?」
「ははっ! 嘘がご上手で!」

 こいつのぶった斬るはガチでやばい。
 俺は後ろに引こうとするが机に引っかかり、寄っかかる形になる。
 そして、仏顔をしたエミリーが俺を潰すと言わんばかりに近づいてくる。
 ぎゃあああぁあぁあ!!

「一……嘘でしょ? そんな所でナニをしてたの?」
「違うよー! サン・チュ。俺がそんな最低男に見えるかなー」

 俺は仏顔のエミリーから顔を逸らし、扉前にいるサン・チュの顔をしっかりと見る。
 すると、俺がサン・チュでしていたと判断したのか顎を思いっきり掴まれる。
 こんなに怖い顎クイが今までにあっただろうか!

 すると、エミリーは真面目な顔で俺を見つめて口を開く。

「はい。少なくとも私は最低に見えます」
「……俺、少しは傷付いたよ?」

 だが、その言葉責めは止まることを知らない。

「ねぇ! 一君! 誰でしてたの?」

 陽葵さん。流石の俺もブチギレて服を全部脱がせて、ポケットにあるこれを使うぞ。おい! てか、使わないぞ?!
 俺は陽葵さんの方を向く。

「だから、してませんって!」
「してたんですか? してたんですよね?」

 どんどんと顔を近づけてくる彼女に怯え、俺の上半身は机にどんどんと倒れていく。
 そして、角度はどんどん急になり机へ完全に倒されてしまった。
 今なら、エミリーに押し倒されたァ! と叫んでも「本当だ……!」となるだろう。
 いや、なったからと言ってどうこうなる問題では無いと思うが。

「もう! いい加減にしてください! 流石の俺でもそんなことはしません! 仲間の絆を乱すようなことは! 少なくともお前らといる時はしないよ!!」

 だって、見つかってからかわれるのも嫌だし。

「本当……ですか?」
「お、なら離してくれるよな?」
「それとこれとは別です! 条件があります」
「な、何だよ」

 肩への力が更に強くなる。肩こりになるからやめろや!

「さっき言いましたよね……その」

 エミリーの顔も段々と赤くなる。

「な、何だよ……。自分で聞いておいて」

 シチュエーションもシチュエーションなので、顔が赤くなっている美女に押し倒されているという体で段々と恥ずかしくなり、興奮してきた。

「その……。さっき言いましたよね! 少なくともお前らといる時はしないよ!! と……。えーっと! だから、その! 誰でしてるんですか!?」
「はぁ?!?! それ聞く必要ある?」
「あ、ありましゅ!」

 顔を赤くしながら、こんな質問をしてきやがって! 聞くのに何の意味があるんだ! あるとしたら……あれしかねーよなぁ……。

「な、なぁ。あのさ」

 俺は目線を逸らし、思ったことをそのまま言う。

「キモい! って、思うかもしれないけどさ。お前、そんな事を聞いてくるなんて、俺の事好きなの?」

 そんなラブコメみたいな臭く気持ち悪いセリフを吐く。これ、実際にやったら結構ヤバいよな……。

「な、な、な、な、な、な、何を言っているんですかっ!」

 机の上に乗っていたはずの俺の体がソファーに思いっきり打ち付けられる。

「痛っ! ふざけんな、てめぇ!」

 またしても、身体強化スキルを付けておいて良かったぜ。

「……よしいょっと」

 俺は立ち上がり服を払った後、こんな話をやめるために話題を切り替えようとする。

「よしっ、こんな話はやめよう! もういいだろ?」
「「「……」」」

 三人が少し顔を赤くしながら俺を見つめてくる。

「どうしたんですかー?」

 ……マジでどうしたんだ? あれっ。ポケットに感覚がない。もしかして……!
 俺は下を確認する。
 ……切腹致す。
 俺は股間を思いっきりエミリーに蹴り上げられ、悶絶しながらその場に倒れた。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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