異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

疲れた

 俺たちは、山を登っていた。
 女神の手がかりを集めるため、山を越えて街へ到着するためだ。

「いやー、結構疲れますね」
「だねー。近道とか無かったの?」
「筋トレだー。筋トレ」
「海人……。お前、それって……」
「ゴホン。いや、何も無い」

 ふざっけんな! 近道あんのかよ! こんな高い山に登ってる時点でおかしいと思ったんだよなぁ!

「……ま、まぁ、怒ってもしょうがないか」
「ですね……」

 エミリーもため息混じりに返事をする。
 それから数時間。山を登り続けたり、飯を食べたりして、街へ何とか辿り着くことが出来た。

「はぁぁあ! 疲れたー!」
「本当だよなー。近道あるのに隠してるしよー!」

 ちなみに近道(乗り物)を使えば一時間近くで着いたらしい。
 何倍の時間をかけてんだよ。
 まぁ、何だかんだで着いたこの街はとても神秘的な所だった。
 この街は崖に囲まれるような位置にあり、崖に付いているエメラルドが街全体を照らしてある。
 綺麗な洞穴もたくさんありとても涼しい街だ。
 そんな景色を見て、喜ぶ元気すら無くなっていたけどな。

「とりあえず、どっか泊まるところ……」

 俺は弱々しい声でそう言う。

「しょうがねーなぁ。付いてこいよ」

「「「「お前のせいで疲れてるんだよ!」」」」

 俺たち四人の息の合ったツッコミが炸裂した。

 タッタッタッ

 前を見て、どんどんと前へ進む海人へ付いていく。
 どこに向かっているのかは分からないが、ここから見えるくらいの大きな建物の方へ歩いていく。

「ど、どこ行くんだよ」
「行ってからのお楽しみ」

 勿体ぶりやがって。なんだよ。

 それから、ドヤ顔でチラッチラッとこちらを向きながら海人は前へ進む。
 一々、ドヤ顔するくらいだったらさっさと言えばいいのにな……。

「ふぅ。もう少しだぜ」
「ここら高そうな建物しかないけど、金とかあるのか?」
「そこは任せろ」

 めちゃくちゃ大きな建物があちらこちらにある。金はほとんど持っていないので、海人が頼みの綱だ。元々、高いホテルなんかで泊まる気はさらさら無かったからな。

 タッタッタッ

 それから、もう少し歩き……。

「はぁ!?!? こんな所、大丈夫なのかよ!」

 俺たちの前に物凄い圧力を放つ建物がある。
 高さは上が見えないくらい。
 場所はこの街の一番奥で街全体を見渡せそうだ。

「おい……。俺は今、ふと思っちまったんだけどさ、『ここ』国の城じゃないか?」

 マジでおかしい。こんなのが許されるはずがない。処刑は本当に勘弁して欲しい。

「そうだぞ? 俺の特権で泊まらせてもらえるからさー!」

 こいつにそんな力があるとは思えないのだが……。

 海人は自動ロックで顔を認証している。

「……頼むぞ」

 誰かと通話をし、海人は俺らに近づいてくる。

「おっけ。泊まらせてもらえるぞ」
「……まじか!!」

 俺ら四人は歓喜の声を上げる。こんなに凄いホテルに泊まれるなら、あの程度の苦労くらい余裕だぜ!

 俺はテンションを上げ、城に入った。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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