異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

開戦

 俺は最高の目覚めを迎える。
 隣に美女が二人。最高だぜ!

「はっはっはっはっは!」
「……んにゅ?」
「う、うるさいですね」

 時刻は朝の七時。
 そんなに早くはないはずなのだが……俺のせいで落ち着いて寝れなかったか?!

「ね、寝れなかったのか……?」

「「だって、戦争ですよ?!」」

 ごめんなさい。俺が迂闊でした。ハーレムになって、盛り上がっていました。

「そ、そうか」
「逆に、何故、あんなに気持ち良く寝れるのだ……」

 お前らのおかげでテンションが上がっていたからだ! なんて、言えねぇよなぁ。
 それこそ、また『クソ童貞』と、言われてしまう。

「それは……だな」
「それは?」
「……エミリー、あれだよ」
「あれか」
「な、何だよ。二人して、怖い目で俺を見て……」

「「……せーの。クソ童貞!!」」

 ごめんなさいって!!

「あ、あはは……そ、それよりー!」
「誤魔化すのか」
「誤魔化します。それより、今日の作戦の話をしよう! な?」
「……分かった」
「作戦とかは簡単すぎて、言われてないから、自由に攻めるって事だと思うから、俺達だけは一緒に行動しようぜ」
「分かった!」

 よし……! 適当なことを言って、誤魔化せた。
 俺は逃げるようにサササっと、その場を離れる。

「おう。おはような!」
「あ、おはよっす!」

 何気に馴染み深いおっさんだ。

「飯はそこら辺のを食べといてくれ」
「分かりましたー!」

 言われた場所に行くと、少しながらパンなどが用意されていた。
 ていうか、ペコさんに二人のことを話さないと。
 そう思った、俺は置いてあったコッペパンを一つだけ口にくわえて探しに向かう。


 はぁ……。いないなぁ。


 パンをかじり終え、しばらく経った。
 空から降ってこないかなぁ。そんなラブコメみたいな事は起きないか。
 第一、それが起きたらペコさんがヒロインってことになるし。


「……おっと! あぶねぇぞ!!」

 いや、あんただよ!
 ……って、マジで空から降ってきてるんですけど?!

「丁度、探してたんです」
「ん? 何だよ」
「俺の超強い仲間が味方になってくれるって。めちゃくちゃ信用できる奴らなんで安心してください。俺と一緒に捕まったくらいですし」
「お、ナイスだぜ!」

 それを伝えた、俺は元の場所に戻り、二人が歓迎されている中も、のんびりと休んだ。
 終わった後も休み、戦争が始まる直前まで休んだ。
 そんな風にダランとしていると、気がつけば昼頃も過ぎ、時刻は五時半になっていた。

「っしゃぁ! お前ら! 絶対に勝つぞ!!」

「「「「「「おう!!!!!!」」」」」」

「そのために今からスキルをかける! 待ってろよ! 少し中心に集まれ!」

 その場にいた千人近くの人間が中央に集合する。
 巨大おしくらまんじゅうだ。

「いくぞ!」

 すると、俺達は一気に光に包まれる。
 みるみる、力が湧いてくる。握力が何倍、いや何十倍に感じる。

「完了だ!」

「「「「「「凄すぎます!!!!!!!!」」」」」」

 俺も遂にこのノリに混ざって叫んでしまった。
 理由は簡単。凄すぎたからだ。
 身体能力が数十倍になっているぞ……!
 これなら、作戦なんて無くとも、簡単に勝てるんじゃないか??
 今なら物凄い、跳躍力による飛行体験が出来てもおかしくないぞ。
 周りも同じように盛り上がっていた。

「す、凄いですね……」
「お前の力が数十倍とか、一人で倒してしまえるんじゃないか?」
「それくらいの気で倒してやる……」

 怖すぎる。殺意も倍増しているように見えた。

「サン・チュも今なら力を使い放題なんじゃないか?」
「……うん。怖いくらいだよ。『記憶』も少し戻ってきたし」
「本当か!?」
「うん。この戦争が終わったら話すよ!」

 よぉし。絶対に勝つぞ!!

 時が刻一刻と進み、それぞれがやる気、緊張感に満ち溢れている中、一つの合図がかかる。

「お前ら! 行くぞ!!」

 それぞれが忍のように壁を張り……いや、走り、重力を無視して一気に走る。
 戦闘もののアニメの中でも、かなりの先頭集団と言えるだろう。
 そして、可愛い女の子がいた通りにあっという間に入る。
 千人もの人間が一気に押し寄せる。
 街の人達は恐怖か、室内に入っていた。

「落としにきてやったぞ! 覚悟して待っておけ!」

 ペコさんが大声で叫ぶ。
 門の前には大量の兵士がいた。最近までは働いているのか怯えている人も多くいた。
 だが、そんな事は正直、どうでもよかった。
 こいつら、昨日はよくも……!
 俺の怒りはフルパワーになっていた。

「皆さん! ここは俺の力を見てください! 試してみたいので……」
「任せたぞ」

 ペコさんから、お許しの声が出る。
 なら、俺の本気の見せどころだ。

「おい……出しゃばって大丈夫か?」
「安心しろ。雑魚の駆除は俺の仕事だ」

 周りがゴクリと息をのむ。
 期待の声が上がっている。なら、俺の力を最大限に出すだけだ。

 胸に力を一気に入れる。
 体型は変わっていないのに上腕二頭筋が凄くあるように感じる。
 力が溜まり、空気の波動のようなものが俺の胸に集まり始める。
 正直、自分でもびっくりだ。
 こんなに大技演出が出るなんて。
 空気の波動が集まり終わったのか止まり始める。

 今だ……決める!

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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