異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

分かりません

 俺は、赤いタンクトップに髪はツインテールの茶髪……と、話を進めていく。

「んー……私にはさっぱり分かりません。力になれず、ごめんなさい」
「いえ。長い話を聞いていただき、ありがとうございました」

 もう一つ聞きたいことはあったけど、ここまで話を真剣に聞いてもらったんだからいいだろう。
 俺は別の人に話しかける。
 だが、どの人の回答も同じで二つの質問に対し「分からない」との、回答だった。

 何の情報も獲られないまま時間がきたので集合場所に戻る。
 全員の顔は暗く俯いていて、何の戦果も無しという感じだった。

「ごめん……何も情報を得られなかった」
「同じくです」
「私も……」
「場所が悪かっただけかもしんねーよ……! ははっ」

 と、笑い飛ばす。

「でも……ここの街って一番城に近くて有意義な情報が得られそうじゃん」
「それを言われたら何とも……」
「そうだ……! なら直接、城に入って聞いてみたらいいんじゃねぇか?」
「確かに。それは賛成です」
「よしっ! 行こう!」


 俺達は城まで歩く。
 近づくにつれて、物価も高くなり豪華になっていくのが分かる。
 城の前まで着くと物凄く高い門に厳重な警備がされてあった。
 そして、この城を守っていると思われる兵士達も立っていたので話しかける。

「あのー……この門ってくぐれるんですかね?」
「許可証を出して頂けますか」
「俺ら旅行……っていうか旅人でして」
「帰れ! そんな奴らを城に入れられるか!」

 と、槍のようなもので追い返されてしまった。

「入れてくんねーのかよ。クソが」
「野菜地区では他の住人や旅の方も入れるんですがね……」
「どうしよう。城に入れば何か情報が聞けると思ったのに……」

 ……どうしたらいいんだ? 許可証……だろ。
 少し悩み俺は一つだけ案を思いつく。

「……! そうだ! おいエミリー。お前って、確か、野菜地区で騎士団か何かしてたよな」
「はい。していましたが……それが?」
「外交として入れてもらえないのか? 騎士団長の印みたいなやつは無いのか?」
「あ……それならあります! この胸つけてるペンダントが……」
「よし。それで行くぞ! 危うくば上の奴らから情報を貰おうぜ!」

 俺達は騎士団の前に、また姿を現す。

「君達……帰れと言っただろ! ぶっ殺されたいのか!」
「おいおい。態度が悪いんじゃねぇのか? 死ぬのはお前らになるぞ?」

 俺は偉そうに、そう言い放ち首でクイクイとエミリーに「見せてやれ」とこき使う。
 多少、イラッとしたのか、俺に剣を構えそうだったが、その手を堪えて胸のペンダントを出す。

「「お、大きいですね……」」

「そこじゃねぇよ!」

 俺は的確なツッコミを入れる。
 隣ではエミリーが恥ずかしそうに顔を真っ赤にしていた。

「お前も照れてんじゃねぇよ! おい。騎士共。このペンダントが分かんねぇのか? 野菜地区、騎士団長の印だ」

「「……!? 無礼をすみませんでした!」」

「分かればいいんだよ」

 俺は関係ないのに偉そうにドヤる。
 まぁ、俺に出来るのはこれくらいの事だからな。

「で……私達は外交に来たわけだ。城に入れさせて貰えないかな?」

 と、エミリーは優しく言いかける。
 こういう時だけは無駄に団長らしい。

「「もちろんです!! どうぞお入りください!」」

 と、頑丈そうな扉は何かロックが解除されると同時に開かれる。

「お進み下さい!」

 その声で門をくぐり様々な設備や豪族が暮らしている城内部に入る。
 その中では貴族達が遊戯をしたり訓練をしたり、施設を除けば飛鳥時代の人達みたいだ。
 スラム街とは違い、とても裕福そうに見える。
「凄いな……。でも、ここからどこに行けばいいんだか……」

 思ったよりも内部が広く、どこをどう進めばいいのか分からない。
 どこかに誤って入り、処刑とかも嫌だしな。

「とりあえず誰かに聞いてみるのどうでしょうか」
「確かに! それならいいかもねー。さっきの騎士なんて、どう?」
「そうだな。そうするか」

 俺たちは回れ右をするように後ろに戻り、さっきの騎士達に話しかける。

「あの……」
「はい! 何でしょうか!」
「外交……っていうか話を聞きたいんですけど、どうすればいいでしょうか。思ってたよりも広くて……」
「そ、それなら今から案内人をお呼びします!!」

 と、スマホのようなものを使い誰かに電話をする。

「今、呼びましたので少しお待ちください!」

 そこから大体二分。
 前の方から服装が整えてあり、腰に剣を差している男が歩いてきた。

「「団長様!! お疲れ様です! 何故このような所に……」」
「おやおや。外交相手。それも野菜地区の団長様に対して案内人では失礼じゃないか」

 と、騎士の方を向き笑顔で答え、俺達の方を再び向く。

「少し待たせてしまい申し訳ございません。私の名前はトライフル・エドワードと申します。先程、呼ばれていていたのを聞いたかもしれませんがお菓子地区で騎士団長をさせて貰っています」

 と、爽やかな笑顔を飛ばし頭を下げた。


 ……俺が一番嫌い系の奴きたぁぁあああ!!

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品