異世界でみんなの飯テロ保護してます!

雪見だいふく

どうするの?

 話を終わらせ疲れてきった体を休め起きた頃には外が暗くなっていた。
 そんな俺はソファーに寝転びながら考える。

 で……早速、女神様を見つけたいのだが……。

 これからどうやって進めろと?

 結局、戦況が不利なことには変わりないんじゃないか?
 俺らは女神様が誰かも分からないのに探し続けなければならない。
 打って変わって相手はやけくそに倒していればそのうち見つかるんだぞ?
 そう思い1人、部屋の中で苛立ち頭をポリポリとかく。
 その後、イライラしててもしょうがないと思い部屋から出て下に降りる。
 階段を降り広い部屋に向かうため曲がったところでサン・チュにぶつかる。

「……ごめん」
「なんか疲れ溜まってそうだけど大丈夫……? 私のせいでもあるとは思うんだけどね……」
 
 と、声のトーンを下げていく。

「いやいやいや……お前は悪くないよ。悪いのは神様だ……ふざけた賭けをしやがって」

 と、八つ当たりをするような口調になってしまう。 

「その……口調荒れててごめんな」
「疲れてるんだよ。きっと。私も何か思い出したら言うから……!」

 そう言うと上の階へスタタタタと上がっていった。
 俺はそんなサン・チュを後にし広い部屋に入る。
 そこにはエミリーがポツンと置いてある椅子に座り目を瞑っていた。
 笑いながら寝ていて、とても気持ち良さそうだ。
 羨ましいなぁ……と思い、エミリーの前に正座しぼーっと眺める。
 この姿を見られたらどんな風に思われるんだろうと頭の片隅にあるが気にせず眺める。


「……」




「わぁあぁぁ!?」

 突然の叫び声で目を覚ます。
 目を……覚ます?

「何であなたが私の前で寝てるんですか!? ……死ねばいいのに」

 と、お得意の死ねばいいのにの声が小さくなっている。
 じゃなくて寝ちゃったのか!? 人の膝の近くで? 飛んだ変態だ!


「「……」」


 こういう時にどうやってケアをすればいいのか俺には分からない。

「あ、あの、さっき言おうと思っていた事があって椅子に座って待っていたんですが……その、、寝ちゃって……」

 と、目線をそらす。
 焦っているせいなのかは知らないが喋るスピードがいつも以上に早くなっていることが分かる。

「何ですか?」
「その……」
「その……?」
「夜十二時から緊急で防衛してくださる方達で会議を行うって言ってましたよ? てへぺろ」
「……おい!」

 まぁ俺ものんびり寝てたけどマジかよ!
 急いで時間を確認すると時刻は既に十二時を指していた。

「……ごめんなさい」
「後で太ももを凝視するからな!!」

 と、俺は願望を叫ぶと急いで準備をしたギルドまで向かった。


 何だよ! このバイク! もっとスピード出ないのかよ!
 と、いつも使っているバイクを叩き不満をこぼしていた時にはギルド(喫茶店)まで到着していた。
 喫茶店に入りマスターと話をつけて奥の部屋ギルドへと進む。
 するといつもとは違う形状になっておりカウンターとかは無くただ広い空き地……いやライブ会場のようになっていた。
 その上に立っている人物は侵略軍の幹部には匹敵しないものの危機察知スキルが反応する。
 中央に立っていた肉地区を総括しているらしい人がこれからの事について話しているんではないかと思われる内容だった。

「――との事だから! こうするように。いいな!」

『はい!』

 と、会場にいた全員が微妙に返事は違うものの大きな声を上げる。

「それでは……こんな夜遅くに集めて悪かった。これからは上層部だけで話を進める。以上……! 終わり」

『ありがとうございました!』

 そう言うと俺の方に向かってたくさんの人が襲いかかってくるかのように会場の外に出ていく。
 その人達の勢いで俺も外に出されてしまった。

「やべぇよ……話聞き忘れた……」

 と、不安になり震えた声が口から漏れていると後ろから明るそうな男が話しかけてきた。

「もしかして……遅刻でもしたのかー?」
「そうなんですよ……って誰っ!?」
「いやぁ……何だか落ち込んでたからさ」

 男はショートの髪に天パなのかパーマが軽くかかっており身長は180センチ位らあるのではないだろうか。年齢もかなり若そうだ。
 顔立ちも揃っておりイケメンだ。性格も今、俺を助けようとしてる辺りイケメンだろう。
 こういう困ってる人に対して初対面でも助けてあげられる人って格好いいよなぁ。

「話聞けなかったんだろ? 教えてやるよ」
「マジですか……? ありがとうございます」
「じゃあそこのベンチにでも座って話すか」

 と、電灯の下に置いてあるベンチに腰をかける。

「まず自己紹介からするか……俺の名前は矢島やじま 大地だいち宜しくな」
「えーっと一 一です。よろしくお願いします!」

「それじゃあ早速これからどうしていくのか話してやるぜ――」

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身) 魚との会話 危機察知

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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