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雪見だいふく

魚人『前編』

 何だよ……こいつら。
 俺はこんな生物をもちろん地球上で見たことも無いし聞いたこともない。当たり前だ。

「どうします……?」

 俺達は少し離れ魚人を無視するように円になり話し合う。

「明らかに何かが起きてるよな……」
「だ、だね。てか、めちゃくちゃ怖いんだけど」

 鈴菜が怖がる気持ちも十分に分かる俺だってめちゃくちゃ怖いけど強がってるだけだし。

「とりあえず……倒すしかなさそうだよな」
「でもさ……前のタコの進軍も止めないとやばいよ。私達の泊まってるホテル壊れちゃうよ」

 タコは遅いながらも確実に前に進んでいた。
 巨人が一歩また一歩進むように。

「どうしますかね……あんな面倒臭い山賊みたいなやつ存在するんですね」

 学が山賊と発した途端怒るように魚人が訴えてきた。

「あぁ? 余程お前ら人間の方が悪行を行ってるだろ」

 もう、話す余地もないかのように輝く剣を構えこちらに向けてくる。

「悪かった。まぁ、少し話をしよう。な?」
「仕方ない。殺す前に話だけでもしてやろう」

 殺す? この、パーティをか? あのタコなら未だしも俺達と同じぐらいの背丈でゆういつ違うといったら鼻か口か分からないものが長くてギザギザしてるって所くらいだろ。

「助かるよ。で? 悪いんだけど何故こんなことを?」
「それは話す訳にはいかない。オクト様から口止めを受けている」

 オクト様というのは恐らくあのバカでかいタコのことだろう。

「分かった。じゃあもう1つだけいいか?」
「質問を受けよう」
「助かる。単刀直入に聞かせてもらうお前らは1体何なんだ?」
「見てわからないか? サメだ。我々は力を得た。それだけだ」

 ……夢かとも思うけどこの迫力は多分本物だ。
 何が起きているのかはオクト様? とやらに聞くのが良さそうだな。

「もういいか? ならば行くぞ!」

 先程から話していたリーダー格のサメを筆頭に2人のサメが剣を構えこちらに歩きながら近付いてくる。

「あわわわわ! どうしよう!」
「陽葵! ここは私に任せて! 縛ってから援護宜しくね!」
「私も拘束を手伝います」
「お、俺も何かします!」

 このパーティでまともに戦うのはクズリリー以来な気がするが大丈夫だろう。なんたって個人個人が強すぎるんだから。

『リーフターン!』

 鈴菜はリーダー格のサメの足元にそれを打つ。
 よし。これで相手の足が止まる。
 だが、サメは歯を地面に落とすようにして草を切る。すぐにまた新しい歯が生えてくる。
 サメは止まることなく接近してくる。

「やばいやばい!」
「落ち着いてください。私の酒に対しては歯で対抗できませんので」

『スキル! ワ……』
「作戦B!」
「了解しました」

 右後方にいたサメはポケットから何かを取り出す。

「いきますよ」

 地面に何かを叩きつける。
 その瞬間、砂浜が暗闇に包まれる。

「煙幕!?」
「このままでは何も見えないのでスキルも使えませんね……」
「どうするの!?」

 俺達はかなり慌てていた。このままでは本当に殺されてしまう。

「と、と、とりあえず後ろに思いっきり走りましょう! 相手を撒く作戦です! 声はバレないようにここから黙りましょう!」

 暗過ぎて仲間の状態は分からないが俺は振り返り後ろに猛ダッシュする。

「きゃぁ!」

 鈴菜の声が少し後ろからした。

「足を軽く切られた……もう少し上だったら死んでたかも……痛くて走れない。私の事は置いていって……」

 俺は全力で前に走りながら叫ぶ。

「鈴菜! 頑張ってくれよ……死んだら嫌だぞ……」

 鈴菜の声はもうしなかった。
 畜生! 何なんだよマジで!
 こんな事ならダラダラしてないで特訓しとけばよかった。うぅ……俺は鼻水を垂らし泣きながらただただ全力で走る。

「そうです!」

 すると、学の声がした後にその場に倒れるような音がした。
 作戦を思いついたなら死ぬなよ……おい! もう嫌だぞ!

「良い作戦があります! よく聞いてください!」
「お前が死んだら元も子もないだろ……」
「私はわざと転んで横に避けたんです! サメはたしか直線にしか進めません! つまり、横に移動すればとりあえずは助かります! 恐らく、鈴菜さんも生きています!」

 このまま逃げても助かる術はない。
 なら、実行するまでだ。

「よし! 分かった!」
「横に転がればいいのね!」

 俺は横に転がるうに移動する。
 サメが前を通ったような足音がする。
 とりあえずは助かったのか……?

「これからどうしますー!」
「この暗闇を何とかしないとですね……翼さんなら明るくするようなスキルを持っていると思うんですが……」

 くそ……! そろそろ晴れてもいいはずなのに……。

「とりあえず、サメ達は真っ直ぐ進んでるって考えられますよね。なら、さっきと反対方向に思いっきり向かってとりあえず明るい場所まで行きましょう!」

 俺達はUターンするように反対方向に全力で走……あ、あのスキルがあった!

「俺がいるここに来てください! 暫く叫んでいるので! 確実に明るい所まで行けます!」

 俺は奇声をあげる猿のように叫ぶ。
 すると、俺の肩に3人の手が乗る感覚がある。

「いきますよー! スキル!『出前の初級術』」

 俺は自分の分を含めた4台バイクを用意する。

「前にバイクを置きました。それに乗ってここから逃げましょう!」
「これですね」
「これね」
「これかー!」
「陽葵さん違います! それは俺の肩です!」

 こんないつも通りのやり取りをし各自バイクに乗り全力で煙幕の外まで逃げる。
 すると、だんだん明るくなり視界が安定する場所まで出た。
 俺達4人はバイクを止める。

「ナイス!」
「全員の力ですよ」
「私だけあまり何もしてないなー!」
「たまにはいいじゃないですか……」

 後ろを振り返ると3人の人影が迫ってきていた。

「何もしてないし私が片付けるよー」」

 サメのいる方に向かい歩き始める陽葵さんを俺は止める。

「翼がいないし相性が悪いのでやめましょう!」

 俺がそんな事を口にすると煙幕が一気に晴れた。

「ん? 誰がいないって?」

 煙幕の晴れた場所。その中央に立っていたのは翼だった。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能) 水鉄砲(小) おっぱおビーム

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配 身体強化(全身)

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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