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雪見だいふく

船の旅

 俺達は船に入る。
 すると、スキンヘッドの男が話しかけてきた。

「俺が運転させてもらうサン・ゴリだ。宜しくな。何かあったら言ってくれ」
『宜しくお願いしますっ!』

 その後、俺達は船内のことをゴリさんに教えて貰い沢山ある部屋の中から一番大きい部屋にとりあえず集まる事にした。

「楽しみだね!」
「寝不足で悩まされませんしね……」
「だよね……」
「サーフィン! サーフィン!」
「お前はとりあえず落ち着け」
「ワーイン! ワーイン!」
「学さーん……」
「俺の名は翼! 海を支配する者!」
「料理! 料理!」
「あまり、食べ過ぎると……って、陽葵さん辞めてください! 禁句だったのは謝りますから!」

 皆のテンションは完全にMAXになっていた。寝不足のせいで体の重さもMAXだけど。

「せっかく船の旅だから何かしないか? なんでも出来ると思うし」
「釣りをしようぜ! 俺は船といったら釣りって感じがするからな!」
「釣りとは良いですね。私も大好きですよ」
「「魚食べれるっ!?」」

 女子2人は食べ物が楽しみな様だ。魚は今まで食べられなかったから。ってのもあると思うけどね。

「調理施設があるってゴリさん言ってたので食べれると思いますよ」
「やったー! 釣りをしよー!」

 ちなみに俺は小さい頃から父親と釣りをしているので腕の方に自信はある。他の人がどうかは知らないが。

「じゃあ、道具とかあるか聞いてみますね」

 俺は釣りの道具があるのか。そして、それは貸してもらえるのかを聞くためにゴリさんの元へ向かう。
 俺は操縦席のドアをノックする。


「失礼しまーす。ゴリさん聞きたい事があるんですけどいいですか?」
「おう。用があるなら何なりと言ってくれ」
「釣り道具ってあります? あるなら貸してもらいたいんですけど……」
「あるぜ。『用具室』って書かれた部屋があると思うからそこから取ってくれ。好きなものを持っていって良いからな」
「ありがとうございます!」
「……っと、その前に釣りはいいんだがこれだけは聞いてくれ。まぁ、滅多に釣れたりすることは無いんだが『ダイヤモンドハリセンボン』という、針1本1本が宝石のように輝いている奴がいるんだがそいつを捕まえたら逃がしといてくれ」
「何でですか?」
「高く売れることは売れるんだが……『キングハリセンボン』が怒って船を沈めるんだ。それを回避するには倒さなくちゃいけないからな。気をつけないと死ぬって訳だ。分かったな?」
「死ぬのは嫌なので了解しました」

 俺は操縦席からお辞儀をした後に部屋から退出し、用具室へ向かう。
 でも……高く売れる魚か。逃がさなきゃなんだけどめちゃくちゃ欲しいなぁ……。
 と、考えながらその中でも耐久性の良さそうな釣り竿、ルアー、バケツ、クーラーボックス等を持っていこうと試みる。
 だが、流石に量が多いので部屋まで戻り4人を呼び釣り道具を持っていくことにした。

「釣り道具、1人じゃ持てないんで手伝ってくださーい」

 部屋の扉を開け俺が元気よく声を上げると鈴奈がソファーで寝ていた。他の3人は心配そうに鈴奈を見つめていた。

「ゲホ」
「大変なの……船酔いしてダウンしたっぽい」
「鈴奈さん大丈夫ですか?」
「ちょっと危険かも……吐きそ」
「とりあえずトイレに行きましょう。って、俺じゃあ付いていけないので陽葵さんに頼んでもいいですか? 看病とか諸々お願いします!」
「うん。良いよ。美味しい魚沢山釣ってきてね!」
「任せてください。じゃあ、翼と学さんはお願いします」
「分かりましたよ」

 鈴奈の事を陽葵さんに頼み。俺達3人は用具室から釣り道具を持ち船の外に出た。
 照りつける太陽! 青い空! 透き通るような海! めちゃくちゃ最高じゃないか!

「んー! 気持ちいい!」

 俺は全身を縦に伸ばす。翼や学さんも同じ反応で気持ち良さそうにしていた。

「じゃあ、釣りをしましょうか!」
『おー!』

 3人は間隔をあけるように並びそれぞれ餌を付け釣りを始める。

「どんな魚が釣れるのか楽しですねー」
「だな! こんな綺麗な海で釣りが出来るなんて凄く嬉しいぜ……」

 と、涙を拭うように目を擦る。どうやら、物凄く感動しているようだ。

「私の釣りの腕を見せてあげましょう」
「俺だって負けませんよ?」
「俺がいいことを考えたぜ! なんなら釣った魚を後で見せ合い誰が1番凄いか決めようぜ!」
「得点の基準は?」
「見た目的にどれが1番凄いか。とかで、良いんじゃないか?」
「私もそれに賛成ですよ。何が釣れるかなんて分からないですからね」
「よし! じゃあ、時間はとりあえず1時間半! 勝負開始!」

 俺の腕の見せどころだな。1番レアっぽい魚を釣ってやるぜ!

 ――30分後

 クァクァ
 空にはカモメが飛んでいる。俺達の釣竿に当たりは無し。

「なかなか来ませんねー」
「だな。絶対釣ってやるぜ!」

 来ない。というより、全く魚影すらないんだよな。

「何だか大物が来そうな気がしますね」

 ――この時、俺はゴリさんの話を完全に忘れていた。

取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー 土下座フラッシュ(晴れの時だけ使用可能)

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