異世界でみんなの飯テロ保護してます!
口臭の悪魔
口が臭い!
取り調べじゃない。これは1種の『拷問』だ! このハゲはとりあえず『口臭の悪魔』と名付けよう。
口臭の悪魔の口の臭いを表すならびしょ濡れになった臭い靴下の中に納豆を詰め込んだような感じだ。
ゲームとかでよくある毒の息みたいなのはこんな感じだろう。
俺の体力はじわじわ削られていた。
そして、口臭の悪魔はおそらく今回の件に関しての書類らしき紙を机の上に出す。
「えぇ……あなたは今回の件に関して目の前で勝手に牢が破壊され『何もしてない』という、事なんですよねぇ」
吐息を吐くようなのは本当に辞めてくれ。臭すぎて涙出てきた。
「そうなんですよ。なんか、脱走した奴がいたじゃないですか?勝手にそいつが俺を共犯に仕立てて巻き込んだんですよ。たぶん時間稼ぎの為に俺の牢の扉を壊していったんでしょうね」
「んー、まず、その脱走した男が捕まってないから何とも言えないんだよね」
「あれだけの人数がいても……ですか?」
「あぁ、数多くの警備兵が気絶されたりしていてな。中でも1番酷いのは鼻に山葵を詰められていたみたいなんだが、それについても知らないか?ちなみに、さっきの警備兵だ」
と、顔を近づけてくる。
臭すぎて号泣してしまった。ついでにメンタルもかなり削られているからね。
「知らないんでずぅ(知らないんです)」
臭さに負けて泣いてしまったせいではたから見たら俺は罪を認めている犯人に見えているだろう。
『田舎のオカンが泣いてるぞ』
みたいなね。
「本当に! 何も! 知らないんだな?」
いちいち区切って言ってこないでほしい。臭すぎて健康上悪い気がしてきた……。
そして、気になる事がもう1つだけある。この、おかしな世界の住人が口臭だけで済むわけない。本当に悪魔になるかもしれないし、口臭の神様になるかもしれないけど……
「してないですぅ」
と、俺は泣きそうな声で返す。
「なら、とりあえずその男が捕まるまではここで待機しててください。心配しなくても、生活に必要な物は出ますので」
「わかり……ま……した」
俺の意識はここで途絶えた。口臭に負けたということだ。
「ここは……どこだ?」
俺が起きた場所はふかふかなベットの上。メイドなんかが起こしてくれそうだ。視界が徐々に回復していく。
「起きましたか」
遂に本命のヒロイン登場か……?
ん?俺の手は握られていた。
目を凝らして、その手が握られている先を見ると10円ハゲだった。
――数時間後
視界がぼんやりしている。これは、嫌な予感がするぞ。きっちり手も握られてるし……俺は全てを察して目を一気に覚ます。
あれ、この手はどう考えても口臭の悪魔ではない。こんな可愛らしい手ではないはずだ。
「あの……って、陽葵さん!?」
そこには愛らしくも俺の手を握って眠る陽葵さんがいた。この、手を離して起きるわけにもいかないしな……ていうか、なんだよ、このラブコメ展開!
俺の心配をして手を握って看病?してた女の子がそのまま寝ているし。
「シュー……クリ……ーム。えへへ、あり……がとう」
パクッ
俺の右指を咥えてしまった。
「な、な、な、な、なっ……!」
「ふぇ?」
陽葵さんは右手で目をこする。
「ふぁじめ君!?(一君!?)」
陽葵さんは気づいたかのように俺の右指から口を離す。陽葵さんの顔は林檎のように赤くなる。恐らく俺もそうなっているだろう。
「は、は、一君!今のはなかったことに……」
「そ、そ、そ、そうですね。今は寝てたってこともあると思いますしね……」
その後陽葵さんは目を逸らし沈黙が続く。
「「あのっ……!」」
もう、なんでこういう時って言葉が被るのかなー! 俺は勇気を振り絞り、
「陽葵さん! ありがとうございます!」
って、違うわ! ありがとうございます! なんて、言ったらただの『変態』じゃないか!
俺が変なこと言うから、また陽葵さん赤くなってるし!
「あの、陽葵さん! 看病してくれたんですか?」
「わ、私は口が臭い男から『君のパーティの人が倒れてしまってね』と、臭い吐息と共に話しかけられたから急いで駆けつけたのよ」
「臭いよね!」
って、そうじゃねぇ!
「そうそう! 臭すぎて隣の人が禁断症状のようなものが出ていたよ……人間がカビるように胞子みたいなのが出ていたよ……」
やべぇな。マジで殺人鬼じゃねぇか。
「って、話がずれちゃったね! それで、心配して駆けつけたの! 冤罪で捕まったならあの時そう言ってくれればいいのにー……心配したんだよっ?」
可愛すぎる! なんだこの生き物は。もう、他の人とは桁違いの可愛さじゃねぇか!
「心配かけてすみません。こっから出るにはもう少しかかりそうです……ところで、決闘はどんな感じでしたか?」
「決闘はね……」
取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術
カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー
迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経
おトイレの付き添い 遊園地の支配
つまようじ回避マン
お色家 変装『舞妓』
地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力
取り調べじゃない。これは1種の『拷問』だ! このハゲはとりあえず『口臭の悪魔』と名付けよう。
口臭の悪魔の口の臭いを表すならびしょ濡れになった臭い靴下の中に納豆を詰め込んだような感じだ。
ゲームとかでよくある毒の息みたいなのはこんな感じだろう。
俺の体力はじわじわ削られていた。
そして、口臭の悪魔はおそらく今回の件に関しての書類らしき紙を机の上に出す。
「えぇ……あなたは今回の件に関して目の前で勝手に牢が破壊され『何もしてない』という、事なんですよねぇ」
吐息を吐くようなのは本当に辞めてくれ。臭すぎて涙出てきた。
「そうなんですよ。なんか、脱走した奴がいたじゃないですか?勝手にそいつが俺を共犯に仕立てて巻き込んだんですよ。たぶん時間稼ぎの為に俺の牢の扉を壊していったんでしょうね」
「んー、まず、その脱走した男が捕まってないから何とも言えないんだよね」
「あれだけの人数がいても……ですか?」
「あぁ、数多くの警備兵が気絶されたりしていてな。中でも1番酷いのは鼻に山葵を詰められていたみたいなんだが、それについても知らないか?ちなみに、さっきの警備兵だ」
と、顔を近づけてくる。
臭すぎて号泣してしまった。ついでにメンタルもかなり削られているからね。
「知らないんでずぅ(知らないんです)」
臭さに負けて泣いてしまったせいではたから見たら俺は罪を認めている犯人に見えているだろう。
『田舎のオカンが泣いてるぞ』
みたいなね。
「本当に! 何も! 知らないんだな?」
いちいち区切って言ってこないでほしい。臭すぎて健康上悪い気がしてきた……。
そして、気になる事がもう1つだけある。この、おかしな世界の住人が口臭だけで済むわけない。本当に悪魔になるかもしれないし、口臭の神様になるかもしれないけど……
「してないですぅ」
と、俺は泣きそうな声で返す。
「なら、とりあえずその男が捕まるまではここで待機しててください。心配しなくても、生活に必要な物は出ますので」
「わかり……ま……した」
俺の意識はここで途絶えた。口臭に負けたということだ。
「ここは……どこだ?」
俺が起きた場所はふかふかなベットの上。メイドなんかが起こしてくれそうだ。視界が徐々に回復していく。
「起きましたか」
遂に本命のヒロイン登場か……?
ん?俺の手は握られていた。
目を凝らして、その手が握られている先を見ると10円ハゲだった。
――数時間後
視界がぼんやりしている。これは、嫌な予感がするぞ。きっちり手も握られてるし……俺は全てを察して目を一気に覚ます。
あれ、この手はどう考えても口臭の悪魔ではない。こんな可愛らしい手ではないはずだ。
「あの……って、陽葵さん!?」
そこには愛らしくも俺の手を握って眠る陽葵さんがいた。この、手を離して起きるわけにもいかないしな……ていうか、なんだよ、このラブコメ展開!
俺の心配をして手を握って看病?してた女の子がそのまま寝ているし。
「シュー……クリ……ーム。えへへ、あり……がとう」
パクッ
俺の右指を咥えてしまった。
「な、な、な、な、なっ……!」
「ふぇ?」
陽葵さんは右手で目をこする。
「ふぁじめ君!?(一君!?)」
陽葵さんは気づいたかのように俺の右指から口を離す。陽葵さんの顔は林檎のように赤くなる。恐らく俺もそうなっているだろう。
「は、は、一君!今のはなかったことに……」
「そ、そ、そ、そうですね。今は寝てたってこともあると思いますしね……」
その後陽葵さんは目を逸らし沈黙が続く。
「「あのっ……!」」
もう、なんでこういう時って言葉が被るのかなー! 俺は勇気を振り絞り、
「陽葵さん! ありがとうございます!」
って、違うわ! ありがとうございます! なんて、言ったらただの『変態』じゃないか!
俺が変なこと言うから、また陽葵さん赤くなってるし!
「あの、陽葵さん! 看病してくれたんですか?」
「わ、私は口が臭い男から『君のパーティの人が倒れてしまってね』と、臭い吐息と共に話しかけられたから急いで駆けつけたのよ」
「臭いよね!」
って、そうじゃねぇ!
「そうそう! 臭すぎて隣の人が禁断症状のようなものが出ていたよ……人間がカビるように胞子みたいなのが出ていたよ……」
やべぇな。マジで殺人鬼じゃねぇか。
「って、話がずれちゃったね! それで、心配して駆けつけたの! 冤罪で捕まったならあの時そう言ってくれればいいのにー……心配したんだよっ?」
可愛すぎる! なんだこの生き物は。もう、他の人とは桁違いの可愛さじゃねぇか!
「心配かけてすみません。こっから出るにはもう少しかかりそうです……ところで、決闘はどんな感じでしたか?」
「決闘はね……」
取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術
カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ リーフターン 玉ねぎボンバー
迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経
おトイレの付き添い 遊園地の支配
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お色家 変装『舞妓』
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