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雪見だいふく

演技力を……

1
 現在のポーカー結果。男33、女38、自分7、陽葵さん92枚。と、なっていて、俺が圧倒的に不利だ。
 サッ
 カードが手元に配られる。それぞれの顔を見てみるが特に何も変化はない。俺に配られたカードは……スペード、クローバーの5。ダイヤとスペードの10。ハートのキング。となっている。
 お、ツーペアやん。フルハウスにならねぇかな。と、いっても、高い額をかけられたら勝負すら出来ないんだけれど。女からカードを変えていく。俺はハートのキングを変える。すると……ハートの7がきた。ツーベアか。そして、全員がカードを変更する。
 女の親からだ。女の顔には笑顔が見えた。
「ベット」
 と、いい女はチップ30枚賭ける。
 さ、30枚!?俺もはやかけられないやん……!俺は落ち込んだ声で……
「フォールド」
 と、言う。
 次は陽葵さんの番。陽葵さんは笑いながら
「コール」
 と、言った。
「どうせ、そんなに賭けるやつ強気なだけで、何も無いだけよ」
 それは、俺も共感できる。なぜなら、アプリでそれは学んだからだ。何処で何が使えるかはわからない……。まぁ、どの道勝負には乗れないんだけれど。
 男は即答で
「フォールド」
 と言った。
 そして、それぞれのカードが出される。男はノーカード。そして、肝心な他の2人は……女はワンペア。陽葵さんは……フルハウスだった。え……この人運いいな……。2連でフルハウスって……この人なんかスキル使ってないか!?
「ちっ。運のいい女ね」
 うん。そりゃあそうなるよ。コインが移動する。
 そこで液晶を見ると……男31、女8、俺5、陽葵さん122枚となっている。
 こんだけ、減っても俺だけはまともにかけられないんだよね……。
 サッ
 カードが配られる。……俺はビビって唖然としてしまった。スペードとクローバーとダイヤとハートの7が全部来たのだ。……フォーカード……。意味無い……。
 俺はカードを1枚変更し、チップを賭ける。
「ベット」
 と、言い。俺はチップを1枚賭ける。そして、俺は泣く演技をしながら、
「お願いですぅ!1回だけでいいからポーカーをさせてくださいいいい」
 と、頼んだ。だって、こんなの2人はタヒねってことやん。勝負すら出来ないんだもん。
 男は爽快に笑いながら
「はっはっは!情けねぇ奴だな」
 と、心に刺さるような言葉を放ってくる。そして、追い打ちのように、陽葵さんは
「レイズ」
 といい、掛け金を7枚まで上げる。あの……情けかけても良くない……人生甘くないんだな。
 そして、男の番。男は
「コール」
 と、言った。女も相当自分の手に自信があったらしい。
「コール」
 と言い、勝負に乗った。俺はすかさず降りた。
「フォールド」
 ……勝負してぇよ!主人公補正つけやがれ!しかもあの男は勝負も出来ないなんて恥ずかしー。と言わんばかりに見てくるしよ!なんなんだ!まったく!
 そして、勝者は……陽葵さんがキングのワンペア。男の手は4と8のツーペア。女の手はハートのフラッシュだった……これで俺の希望は完全に無くなったわ……。まぁ……陽葵さんが反則してないのが分かっただけでもいいよね……。ははっ!と、自分の気持ちをなんとか保つ。
 現在のチップ数。男24、女22、俺3、陽葵さん115枚となっている。
 そして、この後もゲームが続き2ターン後、天井のスピーカーから声が聞こえてくる。
「脱落したプレイヤーがいます。一様。貴方の体のパーツを売りチップに変え勝負に戻りますか……?それとも、大人しく外から見てますか……?」
 え、こんなの即答しない奴いるの!?俺は呆れた声で
「外で見てまーす」
 と、言った。こんなゲームやってられるかよ!完全にディーラーに金が入るようになってるだけじゃねぇか!
 俺は個室の部屋を陽葵さんのツケ(勝手に)で借り。先程の試合の続きを見る。
「プレイヤーが1人減ったのでルールを1つ変更します。それは……禁止カード。毎ターンカードを1枚液晶に出します。そのカードを持ったままアクションに入った場合。ノーペアときて持ち額の半分(偶数の場合は多い方)を賭けそのまま試合を行っていただきます。金額が掛けられない場合は『フォールド』といった形にして頂きます」
 ……なんだ、このクソルール。陽葵さんが有利になっただけやん……。
2
 そして、ゲームは続き。行っている最中に船全体にアナウンスが行われた。
「防衛軍の皆様!全員至急フロントまでお越しください!」
 ……陽葵さんは液晶越しで見てもわかるくらいに全力で関係ないですーと言わんばかりに首を振っている。あの人本当にどうなんだよ!
 俺は1人でフロントまで急いで行くと、そこには俺を含めて5人しか集まっていなかった。……防衛側の人達のんびりダラダラしすぎだよ。
 アナウンスの女性が不満を言いたそうに話し始める。
「……少ない人数しか!集まりませんでしたが話を聞いてください……もうすぐでフイッシュパークの最北端オクトパースの前を通るんですが……そこの防衛の方々が苦戦されていて……その人達を助けるためにとりあえず船を止めたいんですよ。そこで、タコを守って欲しいな。ということなんですよ」
「おう、わかったぜ」
「わかったわよ」
 と、少ないながらに声を上げる。俺も遅れを取らないように声を上げた。
「わかりました!」
 と、言うと。隣にいたムキムキの男が俺に対してこんなことを言ってきたのだ。
「なんだこいつ使えなさそうだな。本当に戦えんのか?」
 ムカッ。俺はかなりイラッときた。
「おいおい。なら、ここで戦うか!?」
 男は笑いながら、
「そうこなくっちゃな」
 と、言った。俺はさっきのポーカーでイライラしてだよ!このイライラをお前にぶつけてやるよ!
「リーフターン」
 隣にいた綺麗な女性が喧嘩を止めるようにスキルを使ってきた。俺らは草……というより、サンチュに巻かれた。
「……!?あの、その技どこで覚えたんですか!?」
 女は戸惑うように、
「え……。そこ?縛られたことは怒ってないの……もしかして……」
 俺は即答で、
「いえ、違います。ただ単にサンチュとは関わりが何かと深くて」
 と、答えた。女性は……
「これねぇ……今から行く野菜地区……そうね。ベジタブルクセンブルクで、教えてもらったかな。サンチュの人達にね」
 名前……まぁいいや。
「おいおい!俺を忘れてんじゃねぇだろうな!この戦いが終わったら絶対戦ってやるからな!」
 こいつめんどくせぇな。と、思いつつも、
「望むところでーす」
 と、軽く答えた。
「……楽しそうなところすみません!そろそろ到着します……」
 ん、案外早いな。まぁ至急って言ってたしな。そこで、なんか忍者みたいな格好をしてる老人が声を出す。
「お互いの技を把握しておくのは大切でしょう……。何かと助け合いとか出来そうですしな……ちなみに私は鮭とか、魚の技が使えますぞ。例えば産卵とかですな……。っと、これは失礼関係ないですな」
 場が凍てついた。この人は氷系統のスキルを使った方がいいよ。いるよね、老人で変な下ネタを言って場を凍らせる人。対応に困るよね。
「私はさっき話したとおり野菜の技が使えるわよ」
 場の雰囲気が変わった……ナイス!
「俺は肉だぜ。焦がし焼きとかな」
 どうだ、と言わんばかりにドヤ顔をしてくる。俺の技の下位互換かよ。
「俺も肉だ。まぁ、焼肉関連なら使いこなせるかな。そこそこは」
 ……周りが驚いたように見てくる。
「や、焼肉!?そんなに強い食べ物の力を覚えられるなんて……」
「……まぁ、俺のことはとりあえず良いとして、あともう1人の話を聞きましょうよ」
 チェック柄の服に眼鏡をかけている。
「私はぁドゥフ卵とかなら出来ますねぇドゥフフオムライスとかね」
 絶対あれだ、メイド喫茶だ。
 と、自己紹介をした所で港に到着する。
「それでは、私もたいした戦力にはなりませんが……少ないので戦います!」
 ……本当に現職の守る人達くそだ。
「それじゃあ行きますよ!」

獲得スキル
騙される弱抵抗力
取得スキル
皿洗いの極意 出前の初級術

カルビ名人 焦がし焼きマスター 山葵鼻つめ

迷惑客の対処 愛想笑い 協調性 驚き対策 ロリコン対策 ジャパニーズソウル 無神経

おトイレの付き添い 遊園地の支配

つまようじ回避マン

お色家 変装『舞妓』

地球のゲームでもあったようなレベルの煽り 
演技『狂人』 主人公補正 騙される弱抵抗力

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