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リベンジ
「くぅ、飛んでる奴は厄介だな!レイ!」
「ええ、【ジャイロアロー】!」
「だめ、躱された!」
シュンがワイバーンの口から放たれた火球を盾で弾いて、レイがお返しとばかりに上空にいるワイバーンに向かって矢を放つが、空中を激しく動き回るワイバーンにはあたらない。
「あんなに動き回られたら当たらないわ!」
「クソっだめか!マチ、ワイバーンの動きを止めることはできるか?」
「やってみる【《神獣降臨(獣人化)》】!」
スキルを発動させると、頭から二本の角が少しだけ生え、目が爬虫類特有の鋭い瞳へと変化し、皮膚が一部硬質な鱗へとなり、背中からは二対の翼が生えた。
「ギャアアアアア!」
私は空へと飛びあがり、ワイバーンの元に近付くとそれに気づいたワイバーンは、自分の領域を他の生物
に侵されたのが気に食わなかったのか、激しい雄たけびを上げた。
◇
私は、優勝賞品を確認した後、ヒロキたちと一緒に第二の街ーフェンハイル―を出てウルバ鉱山を越えた先にある、第三の街へ行かないかという話になり、一緒に行くことにした。
道中に出てくるゴーレムなどは、みんなと連携して戦うことで何も苦戦することもなく倒していった。
山頂に近付いてくると、バサッ、バサッっと翼を羽ばたかせる音が聞こえて、嫌な予感がして上空を見上げてみると、以前戦った時よりも一回り大きいワイバーンがいた。
激昂しているワイバーンが火球を放つモーションを取ったので、私もそれに合わせてスキルを発動させた。
「【《蛍火》】」
「グギャアアアアアアアア!」
ワイバーンの周りをフワフワと漂っている【《蛍火》】に、火球が引火すると次々に爆発を引き起こして、ワイバーンを飲み込んでいった。
「今よレイ!」
「これならいけるわ!【シャイニングストリーム】!」
空へと打ち上げた魔矢は頂点へと到達した瞬間に弾け、【《増殖》】によって通常の数より数倍も多くの光の尾を引いて爆発に飲み込まれたワイバーンに向かって降り注いでいく。
体中に無数の矢傷を受け、翼にも穴が空いたワイバーンは飛ぶことを維持できなくなり、地上へと落下していった。
「地上に落ちちまえばこっちのもんだぜ!止めだ【煉獄斬り】!」
ワイバーンの落下に合わせて、ヒロキがスキルを発動させて落ちてきたワイバーンの首を切断した。
【煉獄斬り】の効果により、煉獄の炎がワイバーンへと燃え移り、残った体も燃やし尽くしていった。
前回は油断して尻尾についている毒針に気づかないで死亡して相打ちとなったが今回は仲間もいることもあって、そういった危険も犯さずに勝利することができた。
「ふぅ~、疲れたぜ」
「マチがいて助かったわ、ありがとう」
「そんなことないよ。レイのあの攻撃ならいけたんじゃない?」
「あれはMPの消費がでかすぎて連発なんて出来やしないわよ」
「そうなんだ」
「そういえばここのエリアボスはなんなんだろうな」
「げ、そうだった…ワイバーンはボスじゃないんだった」
「ボス並みにつかれたのは確かよね」
「確かに」
「えっと、ここのボスはメタルジュエルワームみたいだな」
ヒロキがウルバ鉱山のエリアボスがメタルジュエルワームだというと、虫だと聞いたレイが苦虫をかみつぶしたような顔になった。
「うぇ~、虫はちょっと無理…」
「大丈夫よ、レイ見た目は虫っぽくないから」
「リンは虫苦手じゃないの?」
「私は特に苦手じゃないわ」
「え~、マチは~?」
「私は蜘蛛や蜂、蛾とかじゃなければ…」
「つまり、ワームは大丈夫なのね…」
「うん」
「裏切者~!」と叫ぶレイを放置して、ボスを攻略するために休憩しながら計画を立てていく。
まず、ここのエリアボスと戦うためにはこの鉱山の頂上へと登り、そこに開いている坑道へと飛び込んだ先にある一番奥の部屋にボスであるメタルジュエルワームがいる。
坑道の中には、メタルスライムなどのメタル系統のモンスターが生息している。
メタル系統に有効なのは火属性の技なので、ヒロキの【煉獄斬り】やリンの魔法、私の【《神獣降臨(獣人化)》】で行くことになる。
「坑道の中じゃ私は役に立たないわね」
レイの技は【《増殖》】させて攻撃する広範囲攻撃なので、狭い行動の中じゃ危ないので使えないだろう。出現するモンスターは硬い皮膚のメタル系のモンスターが多いので、弓が主な攻撃手段のレイは今回はあまり出番はないだろう。
◇
「【《炎竜の爪》】!」
目の前にいるメタルゴーレムの腕の付け根に向かって、高熱の炎で出来た爪を振り下ろす。炎の爪が、メタルゴーレム腕の付け根に触れると、その部分を溶かしながら切り裂いていく。
「【ジャイロアロー】!」
一気に切断することは出来なかったが、レイが放ったダメ押しの一撃により切断されかかっていたメタルゴーレムの腕が千切れ飛んだ。
「【シールドバッシュ】!」
ゴーレムなので痛みはないが、片腕を奪われたことに怒ったメタルゴーレムが目の前にいる私に向かって残ったもう片方の腕を振り下ろしてきたが、横から飛び込んできたシュンの猛烈なタックルによって、不意を突かれたメタルゴーレムは吹き飛ばされて壁に激突した。
「ありがとうシュン」
「な、なに、これくらい、どうってことはないぜ」
助けてくれたシュンにお礼を言うと、ぶつかったときの衝撃が予想以上だったのか、メタルゴーレムを吹き飛ばした本人も目を回してふらふらとしていた。
「【フレイムピラー】!」
壁に埋まって動けなくなったメタルゴーレムに向かって、リンが火魔法を使ってとどめを刺した。
マチ
 レベル14
HP:81
MP:24
 STR:67(10)
DEF:66(21)
 AGI:74(20)
 INT:38
 DEX:24
装備
 武器 :初心者の刀
防具
頭 :
体上 :赤熊のレザーアーマー
体下 :赤熊のレザーベルト
腕 :赤熊のレザーアーム
足 :赤熊のレザーブーツ
アクセ
頭 :
顔 :
首 :
腕 :ファフニールのパンジャ
足 :
耳 :
ユニークスキル
【《赤熊の爪》】、【《神獣降臨》lv4】(使用可能形態:フェンリル、ファフニール)、【《八咫烏》】
スキル
【刀 lv20】 【察知 lv1】【回避 lv7】 【STR上昇 】【取得経験値上昇(微)】
 残りスキルポイント:4
残りアビリティポイント:2
称号
  《ファフニールの友人》
  《森の王者赤熊を討伐せし者》
  《フェンリルの友人》
  《一人前のポーション職人》
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