僕と最強幼女と狂った世界
十二神具の武器
「この鬼畜やろうと、共通の相手を倒すことじゃよ猪頭め」
「いいだろう、貴様達ごときに負けるワシではない」
と、言い出して何かを持つようにして手を前に突き出すと霧が出現するように何かが出てきた。
  紅蓮のハンマーのような、大きな曲がり天に上がっている牙が、猪に文字得られたのか二本ほど持ち取っ手から直角についていた。その僕の腕ぐらいに、大きな牙を支えているのは、イノシシの毛皮のようでもある。イノシシが猪獅子を操っているようでもあり。まるでどこか、生物の部品からできた太古の武器のような印象があった。
それを己の体の一部のように、腕を回すようにして体から一往復させる。
「これが第参世界十二神具、破砕のスタンプッ!」
彼がそう言って、夜久たちをさすようにしてかざした。
「夜久よ、人が認識できる枠を超えた、肉体のその先へ行きたくはないか?」
スタフェリアは、意気揚々と夜久に聞いている。
「何を言っているんだいスタフェリア? 僕は人とカテゴライズするには、人類には失礼なくらいには僕は欠落した、いや欠乏人間だぜ。行っているというよりは逝っているという表現が僕にはあっているんだよ、君ならわかるだろう?」
「確かにのう、では聞く必要もないのう」
妙に納得したようにスタフェリアはうなずいた。それを確認して夜久は視線を元の彼の方へと戻した。
「この余についてこい」
「言うまでもないさ、君とならどんな不徳を積み重ねたって、地獄の底だって大歓迎だよ」
「そうか……」
夜久の目の前にスタフェリアは位置しているため、夜久には彼女がどのような顔をしているのか知る由はなかったが、それでも彼女が確かにいいと言っているような気がしてる夜久であった。
「だけれどスタフェリア、あの猪が持っている武器を壊す算段はあるのかい?」
「あるぞよ、この世の力はただ殴りあうだけのような力ではない」
「そうかい、なら最初から使えと僕はそう思ってしまうのだけれど」
「最初は殴りあうのが基本じゃろう。そして相手が力のハメを外すのならば、こちらも合わせて同じどひょうで叩き潰してやるのじゃ」
そういえば、自分が倒した相手も、最初は殴り合いが基本だろうと言っていたのを夜久は思い出していた。なんとも脳筋の連中なのだろうなと彼はそう受け流した。
「でもまあ、スタフェリアが苦戦していたように見えていたのに、こうも隠し玉を用意していたのは、やっぱり君が演出家だからなのかい?」
「そうじゃよ、じゃないと盛り上がるものも盛り上がらんじゃろうて」
「確かになあ、何事にもアップダウンが必要だと僕はそう思っているからね」
「……戯言はここまでじゃ。まあしかと見るがよい、これが余の、第参世界十二神具。原初終焉の拳のその全貌を」彼女の周りに灰色をした花のつぼみのようなものが、足元から彼女を包み込むようにして湧いてきた。それを彼女はガオナ立ちの仁王立ちで、そのつぼみのような口のようなものを一身に受けて、そしてそれは彼女の体ごと包んだのちに淡い霧のように消えていった。
いつも間にか、彼女の両腕はは白と黒の色に支配されて、まるでこの世界を掌握しているような、そんな圧倒的な支配の文字そのものをこの体に表したようなそんな力が確かに、彼女の身の回りに現れた。それは取ってつもなく、彼女そのものと言っていいようなそんな力さえ感じさせる拳と彼女の存在であった。
  その拳は、右手は黒のまるで竜のうろこを体現して、昔の絵に描いているような雲のような何か渦が巻いていている模様を、そのグローブのようなに腕に纏わっていた。
  そして禍々しい、黒いうろこは、全てを終わりに衰弱に導かんとするオーラが確かにそこには存在していた。
  そして対をなしたようになっている、左腕。その腕は真っ白な造形をした、グローブとなっていた。それは全てを始まりに導くような、一色透明の白となっており、彼女の銀髪を月明かりに反射させたような発光した、白となっていた。
  その腕についているブロー部のようなものは、目の前の男が持っているような、その十二神具の武器となっている。それはかつて世界を守っていたファントマ―の武器となっている。三度、やり直しさせられている世界のすべての英知を結集して作られているため、その力は絶対のものとなっており、十二神具はクラスAAAの力を有している。
  スタフェリアの武器は、事象を変えることができるような武器となっている。全ての十二神具の武器は事象を変えることはできないが、それに匹敵している力を持っている。
「スタフェリア、僕も何か君に感化されて、インスピレーションが湧いてきたよ」
彼女の変身シーンに夜久は、自分自身も何かに変われるのではないだろうかと考えて、そしてウーハーというそんあ掛け声を腹の底から湧き出るようにして言ってみるが、しかしならが彼の体には全くとそのような力の全貌は無かった。
「……。」
「夜久よ、貴様は鬼門の使い手、つまりは狂言鬼であり、トラ牛ということを忘れるのはないじゃろうてな」
「なるほど、よし尺の都合でもあるけれど僕の力の開放は次の章ということにしよう」
「まあそれもいいのう、攻撃が当たらない範囲で囮にでもなっておってくれい。究極の属性には、衆属性の相性がいいからのう」
「わかったよ、こう見えて僕は将棋は得意であったんだ。だからというか人の考えていることのその隙間を通すようなことはまあ得意さ、囮は僕にまかせてくれ」
「ほう、そいつは鬼であったのか、またお前も酔狂になったものだなスタフェリア」
一通りの夜久とスタフェリアの会話を聞いていた男は、そう言っていた。
「家庭を持っているような貴様がいうものではないわい」
「たしかにな、そこの鬼共々この私が相手をしてやろう」
彼は手に持っていた大きなハンマーの取っ手を音が鳴るほどに強く握ると、その手は確かに彼らを潰すようにして、その体と共に動き出した。
  彼と、夜久とスタフェリアの距離は十五m、六、七歩で合えるよな距離を一瞬にして、イノシシの男は距離を詰めていた。その男は、確かに離れた位置にいたが、それさえもまったく意味はない情報であり、今こうして近くにしていることが、夢のようでもありながらも、彼の身体能力では簡単なことであった。それに反応した夜久は距離を取り、そしてスタフェリアは、その黒のグローブが付いている右手でその攻撃を受け止めた。
  夜久はスタフェリアと彼がどれほどまでに高度な戦いをしていたのか、寒気がするほどに驚いていた。そしてそれを反応できる自分がどこまで人ではないのかわかった。
  それにニヤつく夜久であった。
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