僕と最強幼女と狂った世界

土佐 牛乳

乱入



「神祖六人衆ここに見参、往時はよくも私たちの模造品を破壊してくれた。スタフェリア・アブソリュータ・ウロボロウス、そして天野路夜久よ」

 奴ら神祖は、突然にして、飄々にして、タンタンにして、堂々にして、怏怏にして、彼はそこにいるのがあたりまえのように、それは突然と、それは曖昧なものの霧が晴れたように、それは、さぞおかしかろうにそこに彼ら6人衆は立っていたのだ。

「こんな時にじゃと!?」

 スタフェリアは、驚きながらも、戦闘の構えを始めた。しかしこれから始まるという子は、彼女はとてつもなく、秘湯困憊の状態で、7人の相手をしなければならないとのことは彼女にとってはかなりきついものとなっていた。
 一方この物語の主人公夜久は、これらの目の前のことに、いまだ信じれないような気持になっているとのことで、目は受け入れられなくともしかっりとこの現実を捉えていた。それさえ分かったスタフェリアはよかったと思ってはいた。
  ここは逃げるべきかの瀬戸際で、ここにいるもう一人の男、竜登大司は、腰をゆっくりと上げ、戦闘区域から逃げようと考えてついたらしい。しかし、彼のような手練れもこの人数相手にはできないのであったが、単純には、これは相性の問題であり、彼が、スタフェリアに強ければ、スタフェリアは、この大衆に強く、この大衆は、竜登大司に強いのであった。ただそれだけの力の関係図がこの場所にて、展開されていたが、しかし、この場所から一歩も動くことはできない夜久は例外となっている。彼は、どちらにも合いそれない力関係となっているが彼はまだ気づかない。

「お前らの目的はなんだ?」

 竜登大司はそう、先頭にいる一人の黒尽くめの男にそう話しかけた。いや彼らの話しかけたのであった。それは、彼にはどうも、彼らがここまで進出した。要するにこの二対一のこの戦闘にさえ、出てきてしまったのは、どう考えてもナンセンス。つまりはあまりにも力関係が違うような相手に、大きな武器を使うような場違い感。それはアリに対して、ナイフを使って殺してくるようなそんな力の核の違いに彼は、竜登大司は疑問を抱いたのであった。

「亡命の竜殺しの皇子ジークフリードよ。貴様に教えてやろう。我々の使命は我々の絶対服従を誓ったジェネレーターズ達から与えられた、狂乱バグの消滅、世界の管理、ツールとしての世界の直接操作である」ニヤリと、顔を子悪党のように歪ませると彼らは、先人から洗礼されたように動き出す。

「ほほう、今日はいいことを知れた。またの機会にだ、有象無象共よ」

 彼、竜登大司は、言い際には天野路夜久を見て、暗闇の中へと大きな煙玉のような、四方に広がる煙の中で消えていった。

「剣豪のようにして忍力を使えるようだ」

 一つ煙が消え去るころに、一人の先頭に立っていた男は、そう呟いた。

「おい、何を邪魔をしてくれる。その罪は重いと貴様らも十分に承知の上でここに、我らの戦場に赴いたのだろうな? 神祖達よ」

 天野路夜久は、スタフェリアの言葉から、彼らが本体の神祖たちであると頭の中でそう結論付けた。彼らの真の力がここに来てわかるようになるのか…… そう怖気付きながらも、立ち上がった。

「スタフェリア…… やるってならやるぜ」

 この前のような、爽快な戦闘を思い浮かべ、彼はそう呟いた。

「先ほどまでは腰が抜けておったのに、回復は早いのう」

 彼女は、彼にあおるように言った。その言葉で彼、夜久はいつもの調子を取り戻した。

「このトンでも展開。こんどこそ、どちらが、多く倒せるか勝負だぜ」

 彼はへへッと笑いながら、そういった。

「いいじゃろう。逃げるのじゃないぞ」

「ああ」

 彼らは、胃や厳密には、彼女は、大衆には強い存在であり、マイノリティには、その真の力は発揮されないのであった。それが、相性であり、合性でもあったのだ。
  個は大衆に弱く、大衆は大きいものに弱く、大きいものは個に弱い。それがこの世界の理であり、破れもしないルールである。しかしながらそれを例外となっているのが、この物語の主人公であり、狂言回しでもあるこの天野路夜久であった。
  二対六、多勢に無勢ではあるが、彼ら彼女らには、まったくとそのような力の押しには、つうようが無かったのである。それは、彼女が大きい存在であるからだ。
  一人が、もう一人が、そしてもう一人が、圧巻の動きで、包囲陣系の軸を作り出すと、中央にいた奴らも、ワンテンポズレて動き出した。

「神祖六人衆、祖龍をここで消去させる。太乙式包囲陣系一七八九」

 指揮を執っているという男の周りで、同じような容姿をした男たちが、きれいな動きを見せて、まるで一心同体が如く、動きでスタフェリアと夜久を取り囲んだ。
  明らかに、この前の奴らとは、勝手が違うような連中の動きは、まるで獲物に気づかずにその身で回り込みをするベビのようでもあった。包囲というものを全ての理を無視して再現されているかのようでもあり、それほどまでに彼らは、するりと、きれいに解けることも出来ずに囲まれていたのである。

「■■■■■■、■■■■■■■■。■■■■■■■■■■ッ! 急急如律令ッ!」

 六人衆は阿吽の呼吸いや、一つの生命体のように、合唱を唱える。そしてその息の合い、その力とは何かと、夜久の意識が、意味の解らないような考えに支配されたその時。

「畜生、ジャンプじゃ!! 飛べえいッ!!!!」

 一人の幼き声が、その外れていた意識を目覚めさせた。そして夜久は、彼女の言葉通りに目一杯ジャンプをしようと全力でその場から富んだ。
  先に飛んでいた彼女は、彼が近くまで、彼女の手の届く範囲まできた夜久の手を掴むと、引っ張り上げるようにして、彼の体を思い切り蹴とばし天高くへと夜久を突き飛ばした。いや放り投げたのであった。まるでそれは初めに会った時のように、彼女は全力で彼の背中を蹴り上げたのであった。
  空中にいる束の間、凄まじい閃光と爆音が、蹴られた背中に、彼の痛みとなってプつプつと突き刺さり、彼は必至の限りで、天高くとんだ空中で、体を回転させた。
  嫌な予感が彼の中であったからだ。





  それは……











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