僕と最強幼女と狂った世界

土佐 牛乳

ショートカット美少女とそれとあれ



 高校に入って、新学期初日。まあ僕は休んでしまったということになるのだけれど、僕にとってはあんなことがあったため、それはどうしようもないことであり、中学同様また、新年度開始からボッチ確定な僕でもあり、だからといって何かがあったんだと、いちいち顔も名前も覚えていない担任の先生に、あのあと全てが終わった後、夜の八時くらいであったか、家の固定電話から病欠だと伝えたのだけれど、倦怠な先生でもあったため指導ということはなくなったわけであるのだ。

  僕は、次の日、またいつものように学校にいくバス停に向けて歩いていた。この今歩いている小道の雪たちは昨日の激闘で、全て水へと変換されていた。昨日僕が死んだところの民家の外壁は、紙パックに入った特売用のトマトジュースをぶちまけたように、赤と朱色の混じった大きな大きな花火、いや大きなトマトを壁にぶつけたような感じとなって、壁にびっしりと血が塗りたくられていた。なぜこのような人肉が(まあこれは僕の死んだあとであるのだが……)ぐちゃぐちゃな惨害になっているにもかかわらず、このような警察や、誰もが空間を綺麗に切り離されたように、一部のデータを消されたように、路上にいる物乞いたちから無視をしているように、目に入っているにも関わらず気づいていないのか、彼女、スタフェリア・アブソリュータ・ウロボロウス改め、フェリアに聞いてみたが『わからん』とそっぽを向けるように彼女は僕にそう言った。世界最強であると大口を叩いていたわりには、彼女にもしらないような何か例外的な不思議な力があるのだなとその時にしてそう仮定した。某魔法アニメでいうところの人払い、もしくは怪奇隠し、もしくは本当にこの世界だけが切り離されているのか、常識を疑うようなものがこの町全体に張り巡らされているのか。しかし人払いであったのならば、今こうして通勤している学生、県道車線を走っている乗用車、バイクの運転手にも効果が表れるはずで…… まあ深くも考える必要はないのかなと考え歩き、バス停までついた。

「あ、新入生君? おはよー」

 バス停である、富田商店のジュースの自販機の前で、肩までのショーカットの上級生と思われる女性(同学年とは思えないような、少々あか抜けている感じがする。ファンデーションをしているのか肌がキレイだ)がパカパカの携帯電話を片手に俺に話しかけてきた。目は二重で大きく、鼻はスラッとしているが、形が整っておりながら控えめに大きく、口は、女性のお手本のような形をしている。ショートカットがとても似合っているような爽やかさであり、ショートカット好きである俺にとっては、とんでもないような美少女キターと頭の中で叫んでいたりもする。しかし、毎日この美少女先輩を拝ませてもらえるのは、たまらなくうれしいと同時に、そんな美少女に話しかけられて揚ってしまった僕、コミュ障野郎の顔を返事を待っていると言わんばかりに見ていた。

「お、そあしゃしゅます」

 と、首だけを使って顔を下げたと同時に、彼女は小さく笑っていた。
  なんともまあ咄嗟に返事を返そうとやってみたのだが、口が俺の反応速度についていけず見事に、盛大に、盛況に、風光明媚に、晴れ晴れしく、ワンダフルに、ファンタスティックに、藪から棒に、雄大に、絶妙に、鮮麗に、華々しく、壮麗に、華麗に、絶佳に、絢爛豪華に、あでやかに、きらびやかに、美々しく、エレガントに、文句なしに、神妙に、立派に口を噛んだ。下唇に、するどい二本の刃で指されたような激痛が一瞬走った。恥ずかしくなってしまったため、このままでは、もどかしい気持ちになってしまうため、噛んでしまった次の話を僕から切り出した。

「あはは、今年入ってきたばかりで、不束者ですがよろしくおねがいします」

 頭を掻きながら、俺は彼女に言う。これでまあ噛んだことを含めて残念人間ということがわかっただろうな…… しかしほんと美少女だなあ……

「……あの、ほらここ」

 彼女は、唇の下あたりを刺している。うんたしかにかわいいがこの女性は何をもってしてこのような行動を行っているのか。疑問が浮かび。あそうか、朝ごはんが俺の顎についているのだろうなという推測をして、俺は言われたとおりに、口下の顎辺りを触ってみた。

「うわぁっ!」

 これまた傍から見れば大げさと言わんばかりの驚きに、俺の唇から血がちょびちょびと、だらだらと流れていた。

「いっぱい出てるね、ちょっとまってハンカチ取り出してあげる」

 と、僕はなすがままになり、彼女は、女の子のお手本となるようなきれいな柄のハンカチを取り出し、きれいな手つき、まるで、天使からの施しを受けたようなやさしいタッチ、いやけがをした子供を撫でるような神聖なる母性を感じ、マジでばブミを感じておぎゃるところで、下あごにまで流れていた血を拭いた。

「あ、すいません」

 と、言ってみたものの、彼女が前かがみになりながら、拭いているため、首辺りのシャツとシャツの間から、少し焼けている健康的な肌が見え…… さすがに見るわけにもいかずに、視線を上へと上げる。しかし、ながら春だというのに、このように肌が焼けているのはなぜなのだろうかという、疑問が浮かんでしまった。ファンタジーに出てくるようなダークエルフともいかないが、その特徴的な褐色に近い肌色、そしてその美貌に、完全に心を奪われてしまいそうになった。

「すごい噛み具合だったし、ふふッ、こうなるのもねー」

 ほらと、ハンカチを抑えてと小さく指示をして、俺はハンカチのバラの匂いのような柔軟剤の匂いフンガフンガしながら、彼女にありがとうございますとお礼をいう。

「こんなに噛んで血が出る人なんて、人生で初めて見た。めっちゃアニメみたいだよ」

 そう言いちいさくわらうと、俺を見ていた彼女は、正面の車道を屈むようにバスが来る左車線を見ている。それから名前を聞いていないと思っていた僕は、こう切り出した。

「喜んでもらえてよかったです。そういえば名前まだでしたね。僕の名前は天野宇夜久です」といい、バ
スが来ないかと見ていた彼女の耳からするりと垂れる髪の毛に視線が釣られる。

「わたしは、一二ひとふ 華憐かれん、高校二年生。よろしくねやっくん」






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