2度目の転移はクラスみんなで(凍結中)

AdieuJury

二話

まぁこんなところだろう
他のやつらのステータスも見たけどそこまで強くはない
俺は最初の時全ステータス50だったしな
まぁ今は測定不能だから隠蔽で隠しているけど...

「おぉ!スゲー!ゲームみたいだ!」
「これ俺ATK高いほうなんじゃね?」
「私はMATが結構高いわね」

そんな会話が聞こえてきた
ゲームみたいだけど、ゲームじゃない
この割り切りは最初の難関だな
俺もそうだったし

「皆様、ステータスは見れたでしょうか?ちなみにLv1の平均は全ステータス8です。皆様はこれよりも上回っているものが多いはずです。皆様には戦う力があるのです。ぜひ私たちに力を貸してくれませんか?」

おいおい、そんな勧誘じゃ誘われるわけ...

「...俺、やります!」

って誘われるんかぁい!
普通は断るだろ!
やっぱり日野は馬鹿だな、うん

「俺の力でこの世界を救えるなら、やります!」
「はぁ...仕方ねぇな、あいつ一人に任せてちゃぁ男じゃねぇな」
「わ、私もやります」
「エルフ美女に会いたいので俺もやります」

こんな感じで徐々に増えてって、最終的には全員がやることになった
一人おかしな奴がいたけど

「ありがとう...本当にありがとう」

王は涙しながら俺たちにお礼を言っていた

おいおい、俺の時はそんなに感動してなかっただろ
あ、ちなみに王の名前はシルベルト・ラウルですからね

「では、今日はもう遅いので、部屋へご案内します。ゆっくり休んでください」

言われるがままに俺たちは、案内された

で、数時間後
俺の部屋にメイドさんが来た

「失礼致します、王様がお呼びです。謁見の間までご同行ください」

呼びだされちった

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「お主、名はなんという?」

ここは正直に言うか
多分バレてるだろうし

「仁だよ、久しぶりだな、シルさん」
「その呼び名...お主本当にジンなのか!?」
「あぁそうだ、信じられないなら色々話そうか?そうだな...まずはシルさんが酒場で酔ってその場にいた女の子たちに「待て!もうわかったから!やめてくれ!」...わかったよ」

信じてもらえたようだ

「まさか二度もお主を呼んでしまうとはな...」
「それについては俺もびっくりだ、もう来れないと思ってたからな」
「わしも思ってなかったわい」
「そうだ、今回の魔王は誰なんだ?名前くらいはわかるだろ?」
「そうじゃ!そこが問題なのじゃよ」
「どういうことだ?」
「その魔王は...あいつなのじゃ」
「あいつ?」
「なんじゃ?知らんのか?お前達も聞いたことぐらいはあるはずじゃぞ?」
「まじで?」

全然分からん...

「現魔王の名はアルベルト・サタン、先代魔王ソルティア・サタンの息子じゃよ」

アルベルト・サタンか...
確かに聞いたことはあるけど、性格とか、どんな魔族かまでは知らない

「でも魔族なら俺が先代魔王殺しちゃったし、しょうがないんじゃないか?」
「じゃが、少しおかしいのじゃ」
「おかしい?」

どういうことだろう

「アルベルトはつい半年前...戦争が始まる前まではとても友好的だったのじゃよ。我が城に一人で来るくらいにな」
「そんなに!?」
「しかも、終いにはお主が残していったトランプをわしと一緒にやる始末じゃ。いいやつだった」

友達か!?
いくらなんでも友好的過ぎないか?

「それがの?いつの間にか戦争を吹っかけられて、こちらとしても何も準備ができておらず、周辺の村や町は次々と破壊されていった。お主が帰ったあとだからのぉ。お主の仲間達は皆自分の故郷へ帰ってしまったし、兵士達も頑張ってくれたが...何も出来なかったんじゃ」
「そうか...」

やっぱり魔族相手だと兵士達じゃきついか
Aランク冒険者でもきついくらいだしなぁ

「そこで我らはまた勇者召喚を行う決意をしたのだ。そこ出来たのがジンたちじゃったわけだ」
「なるほどね...状況は理解したよ。俺は魔王の息子のことは何も知らないからなんとも言えないけど、多分催眠魔法だな。突然変わったならそれが一番有力な説だ。あとは急に心変わりしたとかだと思うけど...」

それはないだろうな
確実と言っていいくらい催眠魔法だろう

「まぁそういうことなのじゃ、今回も悪いがよろしく頼むのじゃ」
「あぁ、わかった。じゃ早速なんだけど「お待ちください!」...なんだよ?」

大臣が俺と王の会話に割って入ってきた

「この者が本当に先代勇者なのですか?それにしてはあまりにステータスが弱すぎるかと、今回の勇者、コウキ様の劣化版のようなステータスではありませんか?」

よく劣化版とかいう言葉知ってるな
まぁ説明してやるか

「それなら俺が隠蔽を掛けてるからな。今解くから、もっかい俺のステータス見てみろ」
「隠蔽?私の鑑定のレベルは8ですよ?そんな簡単に...え?」

大臣は俺のステータスを見て絶句したようだ
なんせ測定不能だからな
レベルも1000だし

「こ、これは...失礼しました!」

大臣は慌てて後ろにさがった
まぁ傍から見りゃ化物だもんな

「で、さっきの話に戻るけど、俺はとりあえずここで訓練に付き合うわ。だから初期の武器...刀でいいや、頂戴」
「武器のことなら明日でも構わんか?明日の早朝に勇者たちに武器を選んでもらうから、その時に渡そう」
「ふーん...まいっか、じゃあ次、今他の国ではどんな対応をしてるかわかる?」
「たしか亜人の国では魔族との戦争に備えた人員集めを、ドワーフの国では大量の武器作りを、エルフの国ではアイテム作りをしているはずじゃ。妖精卿ファンタジアとアトラス帝国はわからんのぉ」
「そうか...状況確認してきた方がいい?」
「できればそうして欲しいが...頼めるか?」
「一時間で戻ってくるわ、行ってくる、『転移!』」

そう言って仁はとりあえずアトラス帝国に向かった

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「よっと...さぁてとぉ!?なんだこれ!?」

転移でアトラス帝国に来たと思ったら、そこは何故か廃墟のようになっていた
ここには元勇者パーティ...俺の仲間のローグがいたはずだ
無事だろうか...

「とりあえず城に向かおう、なにか残ってるかもしれない」

ちなみにローグは俺のパーティの最初の仲間で、とても良い友人だった
基本無口なのだが、自分が興味を抱くものと戦闘時には饒舌になるというやつだった

帝国に着いてから五分後
仁は城についた

「これは...すごいな」

火などがまだ消えてないから、ここはそれほど遠くない時間に襲われたのだろう
だとしたらまだ生き残りがいるかもしれない

「おーい!誰かいねぇのかぁ!!」

必死に声を張り上げる仁

「皇帝ぃ!ローグぅ!いねぇのかぁ!!...そうだ!」

ここには地下室があったはず...
緊急時に皇族が隠れるために用意されていたはずだ

「そこに向かうか...無事でいてくれよ...!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そしてまた五分後

バンッ!!

「ここか!?」
「ジン!?どうしてここに!」

地下室に入ると、そこにはローグと皇帝のシャルテ・アトラスがいた
ちなみに皇帝は女です

「ジンさん!また来ていたのですか?」
「色々あってな、ラウル王国がまた俺を呼んだんだ。偶然だけどな。とりあえず無事でよかった」
「そうか、あのでかい魔力はお前の召喚の魔力か...ジン、すまない、お前が昔守ったこの国が...」

そう、俺は昔、この帝国をローグの願いを聞き入れて守ったのだ
もちろん報酬はたんまりもらったけどね

「まぁ落ち着け、何があったんだ?」
「実は...」

ローグはここで何があったかをすべて話してくれた

ここ、アトラス帝国は金属の原料、鉱石がよく取れる鉱山がたくさんあったので、それをドワーフの国に送り、武器を生産してもらってたそうだ
そして今日、何やらでかい魔力がこっちまできて、何事かと思ったら急に鉱山から魔物がたくさん出たらしい
その数ざっと二十万、多すぎだろ
魔物のランクも高く、少なくとも一番の雑魚でCはあったそうだ
その襲撃により帝国の軍隊は全滅、辛うじてローグはシャルテを連れて地下室に入ったそうだ

「なるほど、大変だったな。シャルテ、大丈夫か?」
「私は大丈夫ですけど...国民が...」

そりゃ大丈夫なわけねぇか
国民全員殺されたんだもんな
幸い親父さんたちは俺がいた時に死んでたから、その悲しみは少ないだろうけど...
それでも普通は辛い
だってこいつまだ11歳だもん
まだまだ子供のはずだ
そんな子供が大勢の人が死んで、なんとも思わないわけがない

「じゃあとりあえずラウル王国に行くか、で、保護してもらえ、俺が状況を話してやるから」
「...わかりましたわ」
「それにしても随分早く帰ってきたんだな。まだ一年だぞ?」
「それは俺も思ったよ、あ、手に捕まっとけ、じゃあ行くぞ?転移!」

そうして俺達は、アトラス帝国を後にした

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「よっと...シルさん、お客さんだよ」
「客だと?...ん!?お主、シャルテか!?」
「シルベルトさん!大変なの!帝国が「まぁ少し待ちなさいな、俺が説明するから」って、ジンさん!いいところで切らないでくださいよ!」
「まぁまぁ、で、シルさん、実は帝国がかくかくしかじかなんだよ」
「なにっ!?かくかくうまうまじゃと!?それは災難じゃったな...じゃがシャルテとローグが無事でよかったのじゃ」
「毎度思うけどよくそれで通じるな...」
「いつもの事だろ?とりあえず、この二人を匿ってくれ、あとローグ、お前には俺達の修行手伝ってもらうから。あ、言うの忘れてたけど、俺以外にも勇者20人くらいいるから」
「「えっ!?」」

ローグとシャルテはそれを聞いてめちゃくちゃ驚いてた

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その頃妖精卿ファンタジアでは...

「...はっ!?お兄様の匂いがする!今私が会いに行きますわぁ!!!!」
「陛下ぁぁぁ!お待ちくださいぃぃ!!」

こりゃまた面倒そうだ...

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