ファンタジー作品に使えるかもしれないふわっとした中世ネタ

パクリ田盗作@カクヨムコン3参戦中

海の御者って?



海の御者とは解散物を専門に運ぶ飛脚のことです。手元の資料では行商人ではなく飛脚が馬に乗り、空気孔のある樽に魚を入れて運んだそうです。
専門の飛脚ができた理由の一つに当時のキリスト教では四旬節と言われる肉食を禁ずる期間が有り、その間敬虔な信者は魚を食べていたそうです。


当時の一般的な農民などは川魚や養殖された鯉、塩漬け乾物といったもので海水魚は司教や領主ぐらいしか口にできませんでしたし、貴族ですら海から遠い内陸部だと贅沢品でお祝いや客人の歓迎の時ぐらいしか食べれなかったそうです。


海の御者にはいろいろな特典がありました。少しでも早く届けられるように関所は基本止まることなく通行でき、街道では後方から海の御者が来た場合は現代の緊急車両のように優先させる法律があったそうです。
海の御者が通る街道ルートは近隣住民の税金や賦役で整備補修が義務付けられていたと言われています。


さて、いろいろ特典のある海の御者ですが通常の飛脚より命の危険がありました。
海の御者が運んでいるのは鮮魚、貴族ですら滅多に食べられない高級品なので盗賊だけでなく果ては貴族や聖職者すら鮮魚を狙って襲撃したと言われています。
命の危険もある海の御者ですが収入は超高給取りでした。年収は約9000リーブルだと言われています。現在のお金で換算すると大体数千万単位でした。
12世紀前後の都市部の肉体労働者の収入が日当1・5リーブルだったそうです。


さて資料を調べている際、面白い記述がありました。当時中世の人々は魚を水中に植生する植物の一種だと信じていたとか。
修道院の名前は書いていませんでしたが、本当に魚を土に埋めて作物のように育てようとした修道院もあったそうです。
無論育つ訳もなく、水の中じゃないと実らないという手紙を当時の教皇に送ったそうです。

          

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