ただの世界最強の村人と双子の弟子

ヒロ

第91話 望まぬ再会

個人的な事情で投稿できず、申し訳ありません!!

===???視点========================

「アハハハハッ!やっぱり大した事、なかったね!」
「がはぁっ!!」

 私の心臓を握りつぶし、胸から手を引き抜きながら笑う少女。

 私達、神でも心臓はあり、それが無くなれば死ぬのは必然。

 …………ただの狂った少女なら勝ち目はありましたが、狂ってるとは思えないほどの的確な攻撃や技は圧倒的でした。

 ………あれが『殲滅武術』、あれが『魔導』。……はっきり言って、もう2度と戦いたくない相手です…。

 すみません……、私の力が足りないばかりに……、あなた様の元に……この狂犬が……………。


===ユウキ視点========================

「ちっ、再生した時に軌道がズレたか」

 初めて撃たれたようで、神とは思えないほど苦しんでいる奴を見ながら再びさっきと同じ手順をする。未だ守姫による頭の痛みは続いているから、これは幻覚では無い。

「………何が起きたというのだ…!?確かに破壊した筈………!!」
「…………なら、答えは一つしかねぇだろ」

 俺はさっきと同じ弾丸を装填し、銃身が熱くなったのを確認してから引き金を引く。

(ドゥゥゥン!!)
「ちぃ!猪口才なっ!!」

 奴は左肩から溢れる血を意図もせず、左手を弾丸に向けた。

「"壊っ"!!」
「なっ!?」

 奴はただ手を向けただけでなく、俺からでも分かるほど力強く手を握り締めた瞬間、弾丸が破裂した。それだけならまだ良い。だが、驚いたのは弾丸が再生しない事だ。

「これでなら壊せるという事は………、お前は遂に神の領域をその身で侵したという事か!!」

 奴は恐らく"再び時をリ・タイム"に気づいたんだろう。……確かにこの『魔導』だけは特に苦労したのを覚えている。なにせ、人の力が及ばない、時間というものに関与するものだからだ。

「それを破壊出来るって事は、お前は弾丸をただ破壊した訳じゃねぇんだろ?」
「…………本当に頭の回る奴だ」

 奴は肩から弾を抜き出し、握り潰した。そして、肩からの血は止まり、徐々に塞がっていく。
 その間にドラコに呼びかける。……はっきり言って、俺ではこいつには勝てないだろう。恐らくリルのような神の力を持つ奴じゃないと………

「ドラコ!誰か人影は見えるか!?」
「……………………ああ、ちょっと待ってろ」

 ドラコはどうやら意識がこっちに向いてなかったようで、急いで周囲を見渡している。

「…………………お前はここで倒さねばならぬ」
「…………そいつはこっちのセリフだ」

 肩の傷が治り切った奴は、俺を見据えている。特に何もしてないが、それ故にどんな事をしてくるか、分からない。
 
 …………今の内に退散するか?
(それでも良いと思います!)
(そうですね、攻武がリルを呼ぶまでの時間稼ぎをすればいいのですから……)

 今の俺の目的はあくまで時間稼ぎ。なら、ここで退散してもーー

「………っ!?ドラコ!避けろっ!!」
「…………え?」

 俺はドラコに退散の事を言おうと、ドラコに視線を向けた時には、ドラコの頭上にかかと落としをしようとしている人影が見えた。

 奴は!?
(動いていません!!)
(魔力の反応も無しです)

 ドラコのところに全力で向かいながら、守姫達に聞くと、あれは奴では無いみたいだ。

(間に合いません!)
 くっそ!守姫!!
(はい!お任せを!!)

 もう、人影の足はドラコに当たりそうな位置まで来ており、ドラコはまだ、気づいておらず、ゆっくりと後ろを振り返ろうとしているだけ。

 俺の足では間に合わないから、俺は片手銃を投げ捨て、右手に守姫を顕現させ、守姫の切っ先をドラコの頭と人影の足の間辺りに向ける。

 頼むぞ!
(はいっ!"単障壁"!!)

 次の瞬間、守姫の"単障壁"が発動し、切っ先から真っ白で小さな光の筋がドラコと人影の足の間に割り込み、瞬時に余裕でドラコを覆えるほどの正方形の結界が展開される。

 守姫の"単障壁"は、一方向にしか張れないものだが、防御力は高い。ドラゴンの攻撃すら防げる"単障壁"と人影のかかとがぶつかった瞬間、

(パリィィン!!)
「なっ!!?」
(嘘っ!!?)
(ドゴォーーーーン!!)

 守姫の"単障壁"は、まるで薄い氷のように破片を撒き散らしながら割られ、ドラコにはかかと落としを決め、ドラコは真っ直ぐ、凄いスピードで地面に落ちてくる。

「…………………ほう…」
「アハハハハッ!!もう羽根付きのトカゲさん、壊れちゃったの?でも、脆いおもちゃが壊れるのは仕方ないか~」
「……………………え?」

 奴が空に立つ人影を見て、何か言ったようだが、全く俺の耳には入って来ず、俺の耳には幼さを残した少女の声しか聞こえない。

「あ~~!!お師匠じゃないですか~!会いたかったですよ~~!!だって、私が一番壊したい人だもんっ!!!」
「…………………おい……」

 少女は、血を流し続けるドラコを踏み躙りながら、俺に愛想良く笑いかける。

「他の人は壊れやすくて、正直退屈だったんですけど~~!!お師匠なら、私を楽しませてくれますよね!!!」
「………………おいっ!!」

 耐えきれず、俺は怒鳴る。怒鳴った俺を見て、悪気も無さそうに小首を傾げながら見つめる少女。

 その少女は、金色と水色の髪をなびかせ、真っ白で神々しい目は、何処か濁っていて、青いワンピースは血で塗られ、金色のカーディガンには明らかに返り血が付いていた。

 見間違えるはずの無い少女、俺の自慢の弟子であるリルがそこに立っていた……。


===ティフィラ視点========================

「よし、行くか。行こうか。行ってやろうか。行ってやる!向かってやる。面倒だが。この俺が、我が、余が、妾が!真の魔神というもの!この世界の支配者というものを!見せつけてやるわっ!!」

 どうやら、どの魔神も《魔神領》を荒らされたく無いらしく、背中から体を覆えるほどの巨大で真っ黒な翼を生やし、身を屈め、一気に飛び立った。その方向はユウキの魔力を感じられた方向です。

「………………どうしよ…」

 私は地面に手を付き、四つん這いの状態で項垂れる。

 ユウキの所に行きたい!………けど、あの魔神だけでも絶望的なのに、ユウキの所には敵がいるみたい。……多分、その敵は『神の強欲ゴットグリード』の構成員。私達が行っても、足手まといに…………

「おいっ!お前らっ!」

 突如、聞こえた大声。その声が聞こえた方向を見ると、ユウキの『ソウルウェポン』である攻武が、こっちに走って向かって来ていました。

「一体何があった!?リルは!?オリナは!?さっき、凄いスピードで王の所へ向かったあの男は誰だ!?」
「え………、えぇっとーー」
「まあまあ、落ち着いて。僕から説明するから………」

 攻武の怒涛の質問責めに、戸惑っていると、クソ野郎が間に割り込んで、攻武を連れて少し離れた所に向かいました。

「………………なんだとっ!?…………本当か!?」

 遠くからでも、聞こえる攻武の驚いた声。きっと、私の無力さに、呆れながら、ユウキの所に帰るんでしょうね……。

 ザクザクと足音が、私の所に向かってくる。そして、私の近くで足音が止まり、そして……………罵倒したり………

「…………よく頑張ったな、こんな敵地で」
「……………え?」

 予想外の反応に、顔を上げると、そこには優しい笑みを浮かべた攻武が居ました。
 その顔は、何処かユウキに似ていて、思わず抱き付いて叫んでしまってました。

「……オリナを!助けてあげて!!」


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 随分、中途半端に終わってしまい、申し訳ありません!!
 

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