ただの世界最強の村人と双子の弟子
第65話 和解
===リリ視点========================
《ライベトロス》と戦った時だけしか使えなかった私の『ソウルウェポン』の真の能力、"相手、自身からの魔力を吸収し、剣に纏う"。凄い力だから、しっかりとコントロールしたい!だから!
私は鉄の棒をポーチに収納し、自身の『ソウルウェポン』を顕現させてあの時の感覚をイメージする。………剣に魔力が通うあの感覚。それを拡大させるように!!
「はぁぁぁっ!!」
「なっ!?力が抜けて………!!」
騎士団長が放出した魔力を吸収していき、私の『ソウルウェポン』は例え森の中にあっても分かるくらい巨大化しました。
「貴様………!!よくも!俺の魔力を!!」
「………やめなさい」
もはや、騎士団の風上にも置けないくらい、怒り狂った騎士団長が自身の『ソウルウェポン』であろう刃がギザギザになった両刃直剣を持って突っ込んで来ましたが、それを日本刀で防いだ師匠(分身)とシャルティ様が私達と騎士団長の間に割り込んで来ました。
「ユウキっ!!」
「おっ、お前しっかりと本来の力を制御出来るようになったのか」
飛び込んで来たティフィラさんを余裕で躱しながら師匠は私の巨大化した『ソウルウェポン』を見て、褒めてくれました。
「貴様っ!!シャルティ様を人質にーー」
「うっさい、黙れ」
「がふっ!!」
騎士団長はシャルティ様を見て、より一層怒り狂いましたが、師匠によって蹴り飛ばされ、沈黙しました。
「まあ、色々あったが、とにかくそこのお嬢さんと話してやってくれ」
師匠はそう言って、シャルティ様を私達の方に歩かせ、師匠(分身)は騎士団長の方へ行ってしまいました。
「…………………」
「「「「「「…………………」」」」」」
お互い気まずくて、沈黙が続きましたが、それを破ったのはシャルティ様でした。
「……すみませんでした、いくら世界を救うのに必死だとはいえ、やりすぎました」
シャルティ様はそう言うと、私達に頭を下げました。国のトップの1人であるシャルティ様が一般人である私達に頭を下げるなんて前代未聞です。
「………世界が滅びるって言ってたけど、それって本当だったんだ」
「……………ええ、私の能力の一つに未来視があって、未来視は予知じゃなくて、視ているから、実際に起こる事が見えます」
「……………そんな能力があれば、私達が助けられる事も分かったんじゃないの?」
ティフィラさんの言う事は最もで、そんな能力があれば、何もかも未然に防ぐ事が出来るはず。
「………『全能の大英雄』様が一つ行動するだけで未来が大きく変わってしまい、気づいた時には逃げられる未来になっていました」
あー、師匠どころか分身ですら影響が大きいんだ…………。でも………
「未来は変わらないんじゃ………」
「私が見れるのは現在からの未来。例えば、ここで私が自殺すれば、また未来が変わる。あなた達が連合国を滅ぼせば、未来が変わる。行動や結果の影響が余りにも大きかったら、未来が変化してしまうんです」
何気にこの人、自分が世界に大きな影響を与えると思ってらっしゃる。
「……………改めてお願いいたします。我ら連合国に協力して頂けないでしょうか!!」
シャルティ様はまた、頭を下げました。でも、今回は連合国のシャルティ様として頭を下げたようです。
「………どうします?師匠?」
「………え?俺はもう持たないけど?」
チラッと師匠に目を向けたら、体はボロボロになって崩れてきており、日本刀も無くなっていました。
「え!?師匠!?」
「お師匠様!?」
「ユウキ!!」
「ご主人!?」
私達はシャルティ様なんか御構い無しに師匠の下に駆け寄ります。近くで見ても分かる通り、もう師匠は持たないようです。
「ま、所詮俺は使い捨て。本体には遠く及ばない力では存命も出来ねぇ」
「ルル!!何とかならないの!?」
「………今探してるっ!!」
「無駄だ。その魔導書には載ってねぇ。俺を完成させたのはその魔導書が出来た後だからな」
師匠が話している間にも、師匠の体は崩れていき、もう下半身はありません。
「ユウキ!ユウキ!もういってしまうの!?」
「ああ、お前らもさっさとイアを探して《デットラス》に行け。そこに本体がいる」
そう言い残し、師匠は塵になりました。
「…………《デットラス》って何です?」
「……《デットラス》は《魔神領》の最奥にあると言われている竜達の楽園でもあり、墓場」
ティフィラさんは冷や汗をかきながら教えてくれました。………それにしても、ティフィラさんが冷や汗をかくほどの所なんだ……。それに、師匠は『竜族』に修行の相手をしてもらうと言っていたから、信憑性はかなり高いと思う。というか、分身とはいえ、師匠が言っていたから間違いないと思うけど。
「とにかく、イアさんを探すのは変わらないって事ですね!それなら、早く探しにーー」
「あのーー、私の提案を忘れているんじゃないんですか?」
もう今すぐにでもエルガさんに飛んで行ってもらおうと思ってたけど、若干涙目のシャルティ様を忘れていました……。
===???視点========================
「奴がいる場所が分かったぞ」
「本当か!?」
「ああ、《デットラス》にいるらしい」
「あそこか………!奴の事だ、とんでもない場所にいるとは思っていたが………」
「どうする?あそこには並大抵の奴なら辿り着く事すら出来ないぞ」
「問題ない、私が人選しておく」
「それなら、俺とちょっとした奴であの神気を持ってる双子を足止めしておく」
「頼んだぞ」
「ああ、全てはーー」
===============================
「それじゃあ、『全能の大英雄』様を連れてまたここに来てくださいね!!」
「はい!」
私達は結局、師匠に決めてもらおうという事になって、師匠と再会出来たらまたここに来る事にしました。
「エルガさん、お願いします」
「やれやれ、今度ユウキに大人数で移動出来る魔導具でも作ってもらおうかな」
若干嫌そうにしながらも、エルガさんはフェニックスになります。私達は慣れてしまいましたが、シャルティ様はとても驚いています。私達は順番に乗り込み、最後に私が残りましたが、シャルティ様に伝えたい事があったので、シャルティ様の近くに行き、
「シャルティ様、私達ぐらいの強さを持ったドワーフ族がいたら、いち早く伝えてくださいね」
「……ええ、勿論。未来を救う為の投資と考えたら、協力は惜しまないわ」
子供なのに、国のトップと握手を交わしてエルガさんに飛び乗る。
「では、お願いします。神の信仰溢れる国、《アブェル》まで!!」
エルガさんは羽根を広げ、はためかせて、飛び立ちました。凄い突風が吹く中、下を見下ろしてみたら、シャルティ様が私達に手を振っていました。
武闘大会が原因で、シャルティ様の事を嫌な人だと思ってたけど、そんな事はなくて、ただ世界を守りたい優しい人だった。
次に訪れる国はイアさん探しではなく、私とルルの為に神殿に…………!!
===============================
皆さん、リリとルルが神殿に行きたいと言っていたの、覚えてますか?
《ライベトロス》と戦った時だけしか使えなかった私の『ソウルウェポン』の真の能力、"相手、自身からの魔力を吸収し、剣に纏う"。凄い力だから、しっかりとコントロールしたい!だから!
私は鉄の棒をポーチに収納し、自身の『ソウルウェポン』を顕現させてあの時の感覚をイメージする。………剣に魔力が通うあの感覚。それを拡大させるように!!
「はぁぁぁっ!!」
「なっ!?力が抜けて………!!」
騎士団長が放出した魔力を吸収していき、私の『ソウルウェポン』は例え森の中にあっても分かるくらい巨大化しました。
「貴様………!!よくも!俺の魔力を!!」
「………やめなさい」
もはや、騎士団の風上にも置けないくらい、怒り狂った騎士団長が自身の『ソウルウェポン』であろう刃がギザギザになった両刃直剣を持って突っ込んで来ましたが、それを日本刀で防いだ師匠(分身)とシャルティ様が私達と騎士団長の間に割り込んで来ました。
「ユウキっ!!」
「おっ、お前しっかりと本来の力を制御出来るようになったのか」
飛び込んで来たティフィラさんを余裕で躱しながら師匠は私の巨大化した『ソウルウェポン』を見て、褒めてくれました。
「貴様っ!!シャルティ様を人質にーー」
「うっさい、黙れ」
「がふっ!!」
騎士団長はシャルティ様を見て、より一層怒り狂いましたが、師匠によって蹴り飛ばされ、沈黙しました。
「まあ、色々あったが、とにかくそこのお嬢さんと話してやってくれ」
師匠はそう言って、シャルティ様を私達の方に歩かせ、師匠(分身)は騎士団長の方へ行ってしまいました。
「…………………」
「「「「「「…………………」」」」」」
お互い気まずくて、沈黙が続きましたが、それを破ったのはシャルティ様でした。
「……すみませんでした、いくら世界を救うのに必死だとはいえ、やりすぎました」
シャルティ様はそう言うと、私達に頭を下げました。国のトップの1人であるシャルティ様が一般人である私達に頭を下げるなんて前代未聞です。
「………世界が滅びるって言ってたけど、それって本当だったんだ」
「……………ええ、私の能力の一つに未来視があって、未来視は予知じゃなくて、視ているから、実際に起こる事が見えます」
「……………そんな能力があれば、私達が助けられる事も分かったんじゃないの?」
ティフィラさんの言う事は最もで、そんな能力があれば、何もかも未然に防ぐ事が出来るはず。
「………『全能の大英雄』様が一つ行動するだけで未来が大きく変わってしまい、気づいた時には逃げられる未来になっていました」
あー、師匠どころか分身ですら影響が大きいんだ…………。でも………
「未来は変わらないんじゃ………」
「私が見れるのは現在からの未来。例えば、ここで私が自殺すれば、また未来が変わる。あなた達が連合国を滅ぼせば、未来が変わる。行動や結果の影響が余りにも大きかったら、未来が変化してしまうんです」
何気にこの人、自分が世界に大きな影響を与えると思ってらっしゃる。
「……………改めてお願いいたします。我ら連合国に協力して頂けないでしょうか!!」
シャルティ様はまた、頭を下げました。でも、今回は連合国のシャルティ様として頭を下げたようです。
「………どうします?師匠?」
「………え?俺はもう持たないけど?」
チラッと師匠に目を向けたら、体はボロボロになって崩れてきており、日本刀も無くなっていました。
「え!?師匠!?」
「お師匠様!?」
「ユウキ!!」
「ご主人!?」
私達はシャルティ様なんか御構い無しに師匠の下に駆け寄ります。近くで見ても分かる通り、もう師匠は持たないようです。
「ま、所詮俺は使い捨て。本体には遠く及ばない力では存命も出来ねぇ」
「ルル!!何とかならないの!?」
「………今探してるっ!!」
「無駄だ。その魔導書には載ってねぇ。俺を完成させたのはその魔導書が出来た後だからな」
師匠が話している間にも、師匠の体は崩れていき、もう下半身はありません。
「ユウキ!ユウキ!もういってしまうの!?」
「ああ、お前らもさっさとイアを探して《デットラス》に行け。そこに本体がいる」
そう言い残し、師匠は塵になりました。
「…………《デットラス》って何です?」
「……《デットラス》は《魔神領》の最奥にあると言われている竜達の楽園でもあり、墓場」
ティフィラさんは冷や汗をかきながら教えてくれました。………それにしても、ティフィラさんが冷や汗をかくほどの所なんだ……。それに、師匠は『竜族』に修行の相手をしてもらうと言っていたから、信憑性はかなり高いと思う。というか、分身とはいえ、師匠が言っていたから間違いないと思うけど。
「とにかく、イアさんを探すのは変わらないって事ですね!それなら、早く探しにーー」
「あのーー、私の提案を忘れているんじゃないんですか?」
もう今すぐにでもエルガさんに飛んで行ってもらおうと思ってたけど、若干涙目のシャルティ様を忘れていました……。
===???視点========================
「奴がいる場所が分かったぞ」
「本当か!?」
「ああ、《デットラス》にいるらしい」
「あそこか………!奴の事だ、とんでもない場所にいるとは思っていたが………」
「どうする?あそこには並大抵の奴なら辿り着く事すら出来ないぞ」
「問題ない、私が人選しておく」
「それなら、俺とちょっとした奴であの神気を持ってる双子を足止めしておく」
「頼んだぞ」
「ああ、全てはーー」
===============================
「それじゃあ、『全能の大英雄』様を連れてまたここに来てくださいね!!」
「はい!」
私達は結局、師匠に決めてもらおうという事になって、師匠と再会出来たらまたここに来る事にしました。
「エルガさん、お願いします」
「やれやれ、今度ユウキに大人数で移動出来る魔導具でも作ってもらおうかな」
若干嫌そうにしながらも、エルガさんはフェニックスになります。私達は慣れてしまいましたが、シャルティ様はとても驚いています。私達は順番に乗り込み、最後に私が残りましたが、シャルティ様に伝えたい事があったので、シャルティ様の近くに行き、
「シャルティ様、私達ぐらいの強さを持ったドワーフ族がいたら、いち早く伝えてくださいね」
「……ええ、勿論。未来を救う為の投資と考えたら、協力は惜しまないわ」
子供なのに、国のトップと握手を交わしてエルガさんに飛び乗る。
「では、お願いします。神の信仰溢れる国、《アブェル》まで!!」
エルガさんは羽根を広げ、はためかせて、飛び立ちました。凄い突風が吹く中、下を見下ろしてみたら、シャルティ様が私達に手を振っていました。
武闘大会が原因で、シャルティ様の事を嫌な人だと思ってたけど、そんな事はなくて、ただ世界を守りたい優しい人だった。
次に訪れる国はイアさん探しではなく、私とルルの為に神殿に…………!!
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皆さん、リリとルルが神殿に行きたいと言っていたの、覚えてますか?
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