ただの世界最強の村人と双子の弟子

ヒロ

第42話 これから

===ユウキ視点========================

「で、どうしよ」

 目の前には、瓦礫だらけの家がある。言うまでもなく、クソ神どもが壊した我が家だ。

「……ぐす。私のコレクショ「ん?何か言った?」いえ!何も!!」
「私の最高傑作は地下室にあるから最悪の事態にはなりませんでした…」
「私も密かに積み重ねてきたコレ「ん?」いえ、何でもないですよ!?」
「んー、俺はあんまり物が無かったからなー」
「僕もあんまり悲しくは無いねー」
「ルルは何かあった?」
「………いや、何もない」

 まあ、技姫も言っていたが、無くなったら困るものは地下室に入れておいたから取り敢えず、地下室に行くか。

「取り敢えず、地下室に行くから技姫、鍵をくれ」
「はい」

 技姫は胸元から特に装飾も無い金の鍵を出し、手渡ししてくれる。ほんのりと温もりが感じられるが、気にせず、地下室のあるところまで瓦礫を蹴り飛ばしながら進む。その後をみんなが追ってきている。やがて、地下室の出入り口の真上についた。

「あれ?何もありませんよ?」

 リリが後ろから覗き込み、ただの床に見えるところを指差しながら首をかしげる。

「今から出入り口を出す。"ゲートオープン"」

 俺が暗号を唱えると、床から凄い勢いで俺達より少し大きい黒い四角柱が飛び出る。そして、ちょうど俺達側の面の中央に鍵穴がある。そこに鍵を差し込みひねる。

(ガチャ!)
「おっ、不具合も無く開いたな」

 鍵を差し込んだまま、手前に引っ張ると、そのまま扉のように開き、階段が見える。中は魔法で明かりがついているから問題なく進める。俺はそのまま歩き、やがて一つの扉が立ちふさがる。黒のドアノブがあり、所々に筋がある茶色のドアだ。

「あれ?鍵は置いてきましたよね?あ、もう一つあるんですか!?」

 リリがさっきから妙にテンションが高いが無視ってドアノブに手をかけ、魔力を流し込む。すると、扉にある筋が青色に光り出し、そして、ガチャリと解除音が鳴り響き、扉が開いた。そのまま中に進むと、一斉に光り、部屋の全貌が明らかになる。
 壁には技姫が今まで作った刀や剣、鎧が並び、中央には俺と守姫、技姫で作った魔道具が棚に並ぶ。そして、この部屋の四隅には魔法石がガラス筒の中に浮かんでいる。他の場所にある地下室には、技姫が武器や鎧を作る鍛治スペースがあるんだが、それは別に今行かなくていい。

「師匠!師匠!中を見て回って良いですかっ!!」

 リリが飛び跳ね、凄いスピードで足踏みし、隣のルルは何も言わないけど、キラキラした目でジィーーーと俺を見つめている。

「はぁ、別にいいが、下手に触るなよ。触りたかったら技姫か俺に声かけて許可をもらってからだぞ」
「はーいっ!!」「……分かった……!」

 俺の話が終わるか終わらないかぐらいでリリとルルは部屋の武具めがけて走り去った。

「私も見させてもらいますよ」
「僕も。ねぇ、ティフィラさん、良かったら……「お前と見たく無い1人で見たいので………」……はい、分かりました………」

 どす黒い笑顔でエルガを撃滅させた後、一人でティフィラは部屋の中を徘徊し、立ち直ったエルガはそれを少し離れた場所で付いて回っていた。攻武は退屈だからと俺の中に戻り、技姫はリリとルルに付いて回っている。守姫は……… 俺に膝枕をしている。

「あの、ご主人様?」
「ん?どうした?」
「何故ここで膝枕を?」
「え……駄目……かな?」
「いっ、いえっ!そういう訳では無いんですが………」

 守姫はほおを赤らめながもそのまま膝枕をしてくれる。メイド服のスカート越しからでも分かる女の子特有の柔らかな肌を持つ、少し弾力のある守姫の太ももは最高!!

「………ふぅあぁぁ、眠くなってきた。悪いが寝る」
「えっ!ちょっとせめて床に何かを敷いてから………」

 睡魔によって薄れていく意識の中、守姫が焦っているような声が聞こえたが、無視して意識を手放した………。

===守姫視点========================

「あぁぁ……寝てしまいましたか……」

 私の視界にはスゥスゥと寝息を立て始めたご主人様が見える。今は、地下室に入る前に見た太陽の位置から夕方のはず。もうすぐ夕ご飯の支度を……!……そういえば家は全壊しましたね。仕方ありません、今日は"アイテムボックス"の中にあるキッチンや調理器具を使って作るしかありませんね。
 それにしても、これからどうするんでしょう?ここを襲われたからここから離れるしかありませんし、邪魔な神達を屠りたいですが、居場所が分かりません。それに…………リリとルルの力は恐らく神に通じる何か。魔力が何となく似ていましたからね。彼女らが合体した時の力はご主人様が私達を使って本気を出した時にかなり近い。まさに、ご主人様が2人いる戦力になる。けど……2人はあの力を使いこなす事が………

「………ねぇ、ねぇってばっ!!」
「………!はっ、はいっ!!」

 いつの間にか呼ばれていたらしく、思わず返事をしてしまいます。どうやら私はご主人様の顔を見ているうちにボーーとしていたらしく、視界にはスヤスヤ眠るご主人様の顔しかありません。頭をあげると、青筋を浮かべ、腕を組んで立っているティフィラ様が私達の目の前にいました。

「な、何か用でも?」
「そ  こ  !代わりなさいよっ!!」
「へ?」
「だからっ!ユウキに膝枕をするのは私だって言ってるの!!」
「………!だっ、駄目ですっ!!ご主人様は私に膝枕を頼みましたから無理です!!」
「なっ!いいから代わりなさいよ~!!」

 とっさに体をご主人様に密着させ、しがみつく私を無理矢理剥がそうとするティフィラ様。いくらご主人様が少なからず気にかけていた方とはいえ、ここは譲りませんっ!!

「ん、ん~ん……」
「「ひっ!」」

 突然動き出したご主人様に驚き、背筋を伸ばし、両手をあげて目覚めないようにしましたが、ご主人様は私のお腹の方に顔がくるように寝返りをうって、またスゥスゥと寝息をたてます。

「ちょっ!何でより一層近づいているの!?」
「ふっふ~ん、これが差というものです!」
「ぐぬぬぬ……!」
「ん、んん~~んん」
「ひゃいっ!」「なっ!!」

 ご主人様は今度は私のお腹に顔を埋め、背中に両手を回してギュッとお腹に抱きつきました。

「あ、あの?ご主人様?」
「んん~~、気持ちいい………」
「そ、そうですか。それなら良いんですが………」
「何それ当てつけっ!?当てつけなの!?」
「そんな訳では………!」 

 未だ眠るご主人様。その顔は見えにくくなっていますが、幸せそうな顔になっています。……今日の食事は技姫に頼みましょう!やはり、食事を摂らないといけませんし、技姫ならきっと分かってくれます!!

(技姫~~?)
(ん?どうした?そちらは随分とうるさいようだが………)
(ご主人様が私の膝枕で熟睡してるから今日のご飯はよろしくねっ!)
(羨ま……。ああ、分かった。私が作ろう。だから、我が主人は頼んだぞ)
(はーい)

 空間魔法で確認すると、技姫がリリ達を説得して、夕飯を作り出したのが分かった。どうやらリリとルルも手伝うみたい。

「んふふ……」

 子供が母親に甘えるかのように抱きついて眠るご主人様を見ながら、技姫の夕食が出来るのを待ちました………。

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 今の所、考え中なのですが、続編のような物語をこの作品の完結と共に制作しようと思います。詳しくは最終話に近くなったら発表しようと思います。

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