ただの世界最強の村人と双子の弟子
第3話 双子が来た!
===ルル視点=====================
「いっけ~~!!」
姉さんは勢い良く剣を魔王に振り下ろし、魔王を一刀両断した。
「やった……。やったよーー!」
姉さんは嬉しそうに叫びながら私に飛び込んで来た。
「うん。やったね、姉さん」
私自身もとっても嬉しかった。
姉さんと一緒に『全能の大英雄』様へと近づく第一歩を踏み出せたから。
喜んでいられるのも束の間だった。
突如、姉さんを中心に半径2mの魔法陣が展開された。
「………っ!」
「何!?この魔法陣!?」
「…………、どうやら、自分が倒された時に倒した相手に発動する魔法陣みたい。………、これは転移魔法」
「どうすればいいの!?ルル!?」
姉さんが取り乱している間に魔法陣はより一層輝き、魔法が発動しようとしている。
「姉さん、逸れないようにくっ付いて」
「わ、分かったわ!」
あぁ、姉さんと抱き合ったのは、いつ以来だっけ…。
そんな私の考えを無視して魔法が発動した。
「「……………」」
飛ばされた先は森の中。しかも、
「………!魔素がとても濃い!濃度から魔神領に、かなり近い!」
「えっ!!」
私は、一応、魔術師の端くれ、魔術師は体内の魔力と大気中の魔素を使って魔法を使っているため、魔素の濃度が感覚的にわかる。
魔素が濃いって事は魔物が現れやすい事、強い個体が現れやすいって事を示している。
取り敢えず探知魔法"サーチ"を使い周りの警戒。
私達は魔王討伐に全力を尽くしたので、残りの魔力を考えるとお互い精々"身体強化"くらいが限界。
そして、森の木の中に辛うじて魔神領には無い木が生えている事からここは魔神領ではないことが分かり、という事は、
「……、もしかして、《ラーグ村》にある森?」
「……っ!そんな!私達魔王を倒したのに!なんで!こんな目に!遭わないとといけないの!!!」
姉さんは恐怖と絶望に呑まれてしまったみたいで、体をガクガクと震えさせ、身を縮こまらせてしまった。
このままでは、ただでさえ低い生存確率がもっと低くなってしまう。
「姉さん!」
私は普段、声を荒げないから、姉さんはビクッとした。
「『全能の大英雄』様に会う約束はどうするの?破るの?あんなに会いたがっていたのに」
すると姉さんは微かな声で、
「ぁ…ぃ…」
「なんて?」
「会いたいよ!!会って弟子入りしたいよ!!どんな人か知りたいよ!!一緒に戦ってみたいよ!!!」
姉さんは意地になって叫び、立ち上がり、
「ルル!こんな森なんか抜けて『全能の大英雄』様に弟子入りしにいきましょう!」
「うん!!」
姉さんが前を向いてくれた……!
それだけで私は頑張れる!
「……っ!姉さん!!敵がこちらに私達の後ろから向かって来てる!!」
私の"サーチ"は半径300m、それに次々と魔物が引っかかってる。
「早く逃げよう!!取り敢えずこっち!!」
姉さんが私の手を引っ張ってくれます。嬉しい………!
「早く"身体強化"を使って!!」
私とした事が、姉さんと手を繋げた事が嬉しいあまり、現実を忘れていました。
「一気に差を空けるよ!!」
(コクコク)
一気に私達は走り出したけれど、流石は《ラーグ村》の森、魔物のスピードが尋常じゃない。
このままでは追いつかれる……。
姉さんも同じ事を考えていたのか、顔は焦りの表情を隠しきれてない……。
どうしよ……。
そんな空気をぶち破るかのように、陽気な声が鮮明に聞こえてきました。
「おーい、そこの2人、この状況をどうにか出来ないのなら手伝ってやるぞ~?」
==============================
結果から言うと、圧倒的でした。
私達が助けを求めた瞬間、彼は立ち止まり、それに気づいて振り向いた時には、襲ってきた魔物は一瞬で真っ二つにされたことに唖然になり、
それどころか、彼は消えて代わりに奥にいた魔物が次々と両断されつくされ、それを見て私達は腰を抜かし、
彼が再び現れたと思いきや、また消え、そして10数秒で私達の目の前に突如現れました。私達は彼を見上げる事しか出来ない。
襲ってきてたのが《ウルフキング》だと分かったのは、彼が殲滅し終わった後だった。
ハッキリ言って規格外すぎる。
《ウルフキング》は強過ぎる訳ではないが、それでも強い事には、変わりなく、しかも、奴らが真価を発揮する集団戦闘だったのに関わらず、
SSSランク冒険者でも、《ウルフキング》の群れを殲滅するのに、5分はかかり、それでも速過ぎるくらいなのに、対し、彼は1分、いや30秒もかからず、殲滅した。
こんな事が出来るのはそれこそ、
「ねぇ、ルル?」
姉さんが相談したい、と目で訴えていたので、一緒に後ろを向き、小声で
「もしかして、この人が、伝説の……!」
「………。可能性はかなり高いと思う…。見た目はかなり若いけど……」
「どうする?」
「……、分かってるでしょ、姉さん。」
「そうだよね~、それじゃあいっせいの~ででいくよ。」
(コクコク)
「「いっせいの~で」」(小声)
「「私達をあなたの弟子にしてください!!」」
私達は今日、長年の夢である、『全能の大英雄』様に会え、そして、ずっと夢見ていた弟子入りを志願した!
==============================
次回はユウキ視点になります。
近々、テストが有るので、投稿をするのが遅くなるか、止まってしまうとおもいます。
私情で投稿に影響を与えてしまうのは本当に申し訳ありません。
「いっけ~~!!」
姉さんは勢い良く剣を魔王に振り下ろし、魔王を一刀両断した。
「やった……。やったよーー!」
姉さんは嬉しそうに叫びながら私に飛び込んで来た。
「うん。やったね、姉さん」
私自身もとっても嬉しかった。
姉さんと一緒に『全能の大英雄』様へと近づく第一歩を踏み出せたから。
喜んでいられるのも束の間だった。
突如、姉さんを中心に半径2mの魔法陣が展開された。
「………っ!」
「何!?この魔法陣!?」
「…………、どうやら、自分が倒された時に倒した相手に発動する魔法陣みたい。………、これは転移魔法」
「どうすればいいの!?ルル!?」
姉さんが取り乱している間に魔法陣はより一層輝き、魔法が発動しようとしている。
「姉さん、逸れないようにくっ付いて」
「わ、分かったわ!」
あぁ、姉さんと抱き合ったのは、いつ以来だっけ…。
そんな私の考えを無視して魔法が発動した。
「「……………」」
飛ばされた先は森の中。しかも、
「………!魔素がとても濃い!濃度から魔神領に、かなり近い!」
「えっ!!」
私は、一応、魔術師の端くれ、魔術師は体内の魔力と大気中の魔素を使って魔法を使っているため、魔素の濃度が感覚的にわかる。
魔素が濃いって事は魔物が現れやすい事、強い個体が現れやすいって事を示している。
取り敢えず探知魔法"サーチ"を使い周りの警戒。
私達は魔王討伐に全力を尽くしたので、残りの魔力を考えるとお互い精々"身体強化"くらいが限界。
そして、森の木の中に辛うじて魔神領には無い木が生えている事からここは魔神領ではないことが分かり、という事は、
「……、もしかして、《ラーグ村》にある森?」
「……っ!そんな!私達魔王を倒したのに!なんで!こんな目に!遭わないとといけないの!!!」
姉さんは恐怖と絶望に呑まれてしまったみたいで、体をガクガクと震えさせ、身を縮こまらせてしまった。
このままでは、ただでさえ低い生存確率がもっと低くなってしまう。
「姉さん!」
私は普段、声を荒げないから、姉さんはビクッとした。
「『全能の大英雄』様に会う約束はどうするの?破るの?あんなに会いたがっていたのに」
すると姉さんは微かな声で、
「ぁ…ぃ…」
「なんて?」
「会いたいよ!!会って弟子入りしたいよ!!どんな人か知りたいよ!!一緒に戦ってみたいよ!!!」
姉さんは意地になって叫び、立ち上がり、
「ルル!こんな森なんか抜けて『全能の大英雄』様に弟子入りしにいきましょう!」
「うん!!」
姉さんが前を向いてくれた……!
それだけで私は頑張れる!
「……っ!姉さん!!敵がこちらに私達の後ろから向かって来てる!!」
私の"サーチ"は半径300m、それに次々と魔物が引っかかってる。
「早く逃げよう!!取り敢えずこっち!!」
姉さんが私の手を引っ張ってくれます。嬉しい………!
「早く"身体強化"を使って!!」
私とした事が、姉さんと手を繋げた事が嬉しいあまり、現実を忘れていました。
「一気に差を空けるよ!!」
(コクコク)
一気に私達は走り出したけれど、流石は《ラーグ村》の森、魔物のスピードが尋常じゃない。
このままでは追いつかれる……。
姉さんも同じ事を考えていたのか、顔は焦りの表情を隠しきれてない……。
どうしよ……。
そんな空気をぶち破るかのように、陽気な声が鮮明に聞こえてきました。
「おーい、そこの2人、この状況をどうにか出来ないのなら手伝ってやるぞ~?」
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結果から言うと、圧倒的でした。
私達が助けを求めた瞬間、彼は立ち止まり、それに気づいて振り向いた時には、襲ってきた魔物は一瞬で真っ二つにされたことに唖然になり、
それどころか、彼は消えて代わりに奥にいた魔物が次々と両断されつくされ、それを見て私達は腰を抜かし、
彼が再び現れたと思いきや、また消え、そして10数秒で私達の目の前に突如現れました。私達は彼を見上げる事しか出来ない。
襲ってきてたのが《ウルフキング》だと分かったのは、彼が殲滅し終わった後だった。
ハッキリ言って規格外すぎる。
《ウルフキング》は強過ぎる訳ではないが、それでも強い事には、変わりなく、しかも、奴らが真価を発揮する集団戦闘だったのに関わらず、
SSSランク冒険者でも、《ウルフキング》の群れを殲滅するのに、5分はかかり、それでも速過ぎるくらいなのに、対し、彼は1分、いや30秒もかからず、殲滅した。
こんな事が出来るのはそれこそ、
「ねぇ、ルル?」
姉さんが相談したい、と目で訴えていたので、一緒に後ろを向き、小声で
「もしかして、この人が、伝説の……!」
「………。可能性はかなり高いと思う…。見た目はかなり若いけど……」
「どうする?」
「……、分かってるでしょ、姉さん。」
「そうだよね~、それじゃあいっせいの~ででいくよ。」
(コクコク)
「「いっせいの~で」」(小声)
「「私達をあなたの弟子にしてください!!」」
私達は今日、長年の夢である、『全能の大英雄』様に会え、そして、ずっと夢見ていた弟子入りを志願した!
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次回はユウキ視点になります。
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