ただの世界最強の村人と双子の弟子
第1話 出会い
「どこっかな~、どこっかな~」
俺は強すぎる魔物が徘徊している森の中を陽気に散策する。とても魔物と戦おうとしている人に見えない。
さっき、探しているように見えたが、ユウキの《探知》範囲内に既に《ミノタウルスキング》を1km先に32匹の群れを探知していた。
何故、探している様に言ったかというと、気分だ!
ユウキの探知範囲は半径5km、一般的な大きさはせいぜい半径250m、現在のユウキ以外の冒険者、魔術師の中で最大の大きさは半径500mで遠くなるほど精度は低下する。
数やモンスターの種類を把握するにはその人の範囲の半径の半分くらいが限界である。
「よしっ!行くか。気になる反応もあるならな」
俺は少し足にちからを込め、飛び出すように駆け出した。5秒程度で群れを視認出来たと同時に気になる反応の正体も分かった。
「なんで《ウルフキング》の群れが高速に移動しているんだ?」
《ウルフキング》の群れは通常固まってはぐれないようにすぐに外敵に反応出来るようにゆっくりと移動するはずが、何処かを目指して急いで向かっているような反応を《ミノタウルスキング》の群れから2kmくらいで察知した。
これは異常と判断したユウキは全速力で《ウルフキング》の元へと向かった。
途中、《ウルフキング》への道筋に先程の《ミノタウルスキング》が15匹ほど存在したが、通り抜ける時に刀を左右に振り抜くことで《ミノタウルスキング》が反応する間もなく上下に分かれていく。
すると、この異常事態の原因が分かった。
どうやら《ウルフキング》は外敵である人を発見したらしく、集団で襲おうとしているところだった。
襲われている人は2人、どちらも子供もようだが、ステータスが高いらしく、何とか距離を離せているようだが、人族に比べ、魔物である《ウルフキング》の方がスタミナがあるので、追いつかれるのは時間の問題だった。
通常の人は《ウルフキング》に追いつかれると徐々に仲間が来て、あっという間に集団戦に持ち込まれてしまう。
そうなってしまってはさすがにマズイと思ったので、助太刀してやろうかな?
「おーい、そこの2人、この状況をどうにか出来ないのなら手伝ってやるぞ~?」
俺はとっくに2人に追いついていたので、後ろから2人と同じスピードでもちろん、気配も物音も立てず聞いてみた。
「うわっ!あなただれ!?いつからここに!?どうしてこんなところに!?」
「っ……!!」
エメラルドの様な澄んだ緑色の目と綺麗な金髪を長いポニーテールで括っており、活発そうな顔、身長は155cmくらいだろうか、装備はスピード重視の様でかなりいい鉄の胸当てと膝当てぐらいしか着けていない女の子が心底驚いた様な声で聞いてきた。
何も言わず、普段は無愛想だったであろう顔をまぶたは精一杯開き、中からサファイアの様な青色の目を覗かせ、髪は海の様な澄んだ水色の長髪で身長はもう1人と同じくらいで、装備はフード付きローブを羽織っていることから魔法の使い手だと分かった。
2人の顔はどこか似ている雰囲気を出している。双子かな?
「質問は後にして、2人は助けてほしいのか?助けて欲しくないのか?」
「「助けて!!」」
青い子、喋れるんだ……。ってそうじゃなくて!
「了解、っと」
俺は返事と共に後ろに振り向き急ブレーキして刀を構える。
《ウルフキング》の群れは38匹で出来ていたみたいでその内の1匹が一番奥にいて、指揮をしているみたいだ。
《ウルフキング》は群れで行動するが、指揮などは存在せず、あくまで安全の為に群れているだけなので指揮ができる《ウルフキング》は特殊個体だろうな~。
特殊個体とは、外見は他と大して変わらないが、ステータスが大幅に高く、『固有スキル』を持っていることが多い。
恐らく、指揮が出来る『固有スキル』持ちなんだろう。
まあ、大した脅威にはならないが。
俺が考えている間に《ウルフキング』がまず10匹で一斉に飛びかかってきた。
その後ろで隙を伺っているのが6匹、第2波の攻撃要員が16匹、特殊個体を守っているのが5匹、どうせなら全員で来ればいいのに…,。
そう思いながら10匹を横一閃で斬る。
10匹は一瞬で絶命した。
「「……………」」
後ろがやたら静かだか、気にしない!
次はこちらからしかける事にした。
第2波の16匹を間を縫うように移動しながら通り抜ける際に一太刀浴びせとき、16匹をこれまた一瞬で絶命させる。
「「………………」」
後ろの2人はもしかしたら気絶しているのだろうか、そんな事を考えながら特殊個体に走って向かう。
特殊個体との距離は300mはあったがそんな距離、走れば関係ない。
1秒も経たず特殊個体の元へとたどり着き、護衛をしているかのような5匹をこれまた一太刀浴びせるだけで絶命させる。
「ガルルゥ、ガルルゥ…」
辛うじて威嚇の声を出せているが足はすくみ、少しずつ後ずさりしている。
「はーい、それじゃあ、バイバイ」
俺はそういって先程と同じ一太刀を浴びせる。
特殊個体は「バイバイ」を聞いた瞬間、逃げようとしたが、俺の前では特殊個体とはいえ、《ウルフキング》レベルのスピードでは逃げられないのは明らかだった。
「よし。2人のところに戻るか」
俺はそう言って2人のところへと向かう。もちろん1秒もかからずに。
「「…………………」」
2人は完全に腰を抜かしているようで地面に座り、俺をただただ見上げていた。
「おーい?大丈夫?」
俺がそう声をかけると、それをキッカケに2人はワタワタ動き出した。
そして、俺に聞こえないように俺に背を向け話し出した。
聞かれたく無さそうなので敢えて聞こえないようにする。
そして、漸く話し合いが終わったのか、2人は俺に顔を向け、同時にとても元気な声で言った。
「「私達をあなたの弟子にして下さい!!」」
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記念すべき1話をプロローグの次の日に投稿になってしまい、申し訳ありません。
これからも不定期ですが、読んで頂けると幸いです。
俺は強すぎる魔物が徘徊している森の中を陽気に散策する。とても魔物と戦おうとしている人に見えない。
さっき、探しているように見えたが、ユウキの《探知》範囲内に既に《ミノタウルスキング》を1km先に32匹の群れを探知していた。
何故、探している様に言ったかというと、気分だ!
ユウキの探知範囲は半径5km、一般的な大きさはせいぜい半径250m、現在のユウキ以外の冒険者、魔術師の中で最大の大きさは半径500mで遠くなるほど精度は低下する。
数やモンスターの種類を把握するにはその人の範囲の半径の半分くらいが限界である。
「よしっ!行くか。気になる反応もあるならな」
俺は少し足にちからを込め、飛び出すように駆け出した。5秒程度で群れを視認出来たと同時に気になる反応の正体も分かった。
「なんで《ウルフキング》の群れが高速に移動しているんだ?」
《ウルフキング》の群れは通常固まってはぐれないようにすぐに外敵に反応出来るようにゆっくりと移動するはずが、何処かを目指して急いで向かっているような反応を《ミノタウルスキング》の群れから2kmくらいで察知した。
これは異常と判断したユウキは全速力で《ウルフキング》の元へと向かった。
途中、《ウルフキング》への道筋に先程の《ミノタウルスキング》が15匹ほど存在したが、通り抜ける時に刀を左右に振り抜くことで《ミノタウルスキング》が反応する間もなく上下に分かれていく。
すると、この異常事態の原因が分かった。
どうやら《ウルフキング》は外敵である人を発見したらしく、集団で襲おうとしているところだった。
襲われている人は2人、どちらも子供もようだが、ステータスが高いらしく、何とか距離を離せているようだが、人族に比べ、魔物である《ウルフキング》の方がスタミナがあるので、追いつかれるのは時間の問題だった。
通常の人は《ウルフキング》に追いつかれると徐々に仲間が来て、あっという間に集団戦に持ち込まれてしまう。
そうなってしまってはさすがにマズイと思ったので、助太刀してやろうかな?
「おーい、そこの2人、この状況をどうにか出来ないのなら手伝ってやるぞ~?」
俺はとっくに2人に追いついていたので、後ろから2人と同じスピードでもちろん、気配も物音も立てず聞いてみた。
「うわっ!あなただれ!?いつからここに!?どうしてこんなところに!?」
「っ……!!」
エメラルドの様な澄んだ緑色の目と綺麗な金髪を長いポニーテールで括っており、活発そうな顔、身長は155cmくらいだろうか、装備はスピード重視の様でかなりいい鉄の胸当てと膝当てぐらいしか着けていない女の子が心底驚いた様な声で聞いてきた。
何も言わず、普段は無愛想だったであろう顔をまぶたは精一杯開き、中からサファイアの様な青色の目を覗かせ、髪は海の様な澄んだ水色の長髪で身長はもう1人と同じくらいで、装備はフード付きローブを羽織っていることから魔法の使い手だと分かった。
2人の顔はどこか似ている雰囲気を出している。双子かな?
「質問は後にして、2人は助けてほしいのか?助けて欲しくないのか?」
「「助けて!!」」
青い子、喋れるんだ……。ってそうじゃなくて!
「了解、っと」
俺は返事と共に後ろに振り向き急ブレーキして刀を構える。
《ウルフキング》の群れは38匹で出来ていたみたいでその内の1匹が一番奥にいて、指揮をしているみたいだ。
《ウルフキング》は群れで行動するが、指揮などは存在せず、あくまで安全の為に群れているだけなので指揮ができる《ウルフキング》は特殊個体だろうな~。
特殊個体とは、外見は他と大して変わらないが、ステータスが大幅に高く、『固有スキル』を持っていることが多い。
恐らく、指揮が出来る『固有スキル』持ちなんだろう。
まあ、大した脅威にはならないが。
俺が考えている間に《ウルフキング』がまず10匹で一斉に飛びかかってきた。
その後ろで隙を伺っているのが6匹、第2波の攻撃要員が16匹、特殊個体を守っているのが5匹、どうせなら全員で来ればいいのに…,。
そう思いながら10匹を横一閃で斬る。
10匹は一瞬で絶命した。
「「……………」」
後ろがやたら静かだか、気にしない!
次はこちらからしかける事にした。
第2波の16匹を間を縫うように移動しながら通り抜ける際に一太刀浴びせとき、16匹をこれまた一瞬で絶命させる。
「「………………」」
後ろの2人はもしかしたら気絶しているのだろうか、そんな事を考えながら特殊個体に走って向かう。
特殊個体との距離は300mはあったがそんな距離、走れば関係ない。
1秒も経たず特殊個体の元へとたどり着き、護衛をしているかのような5匹をこれまた一太刀浴びせるだけで絶命させる。
「ガルルゥ、ガルルゥ…」
辛うじて威嚇の声を出せているが足はすくみ、少しずつ後ずさりしている。
「はーい、それじゃあ、バイバイ」
俺はそういって先程と同じ一太刀を浴びせる。
特殊個体は「バイバイ」を聞いた瞬間、逃げようとしたが、俺の前では特殊個体とはいえ、《ウルフキング》レベルのスピードでは逃げられないのは明らかだった。
「よし。2人のところに戻るか」
俺はそう言って2人のところへと向かう。もちろん1秒もかからずに。
「「…………………」」
2人は完全に腰を抜かしているようで地面に座り、俺をただただ見上げていた。
「おーい?大丈夫?」
俺がそう声をかけると、それをキッカケに2人はワタワタ動き出した。
そして、俺に聞こえないように俺に背を向け話し出した。
聞かれたく無さそうなので敢えて聞こえないようにする。
そして、漸く話し合いが終わったのか、2人は俺に顔を向け、同時にとても元気な声で言った。
「「私達をあなたの弟子にして下さい!!」」
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記念すべき1話をプロローグの次の日に投稿になってしまい、申し訳ありません。
これからも不定期ですが、読んで頂けると幸いです。
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