BLOOD HERO'S
episode6 #13「任務決行」
 ---「………」
 門を開け炎美達は西城の所有地にとうとう足を踏み入れた。
 しかしその矢先、1人の男が少し離れた場所で2人を待っていた。
 「ようこそ。遠路はるばるおいでくださいました」
 男は70は超えているだろう老けているがきっちりと整えた白髪と白い髭、身につけている燕尾服姿がかなり似合っていた。
 炎美達は少々頭の整理が追いついていなかったが、身体は自然と警戒していた。
 「もう来る事は気づかれてたのか?」
 「確かリストに索敵に特化してた能力を持ってた子がいたはず。多分それで気づかれたのかも」
 「マジかよ…」
 2人は年老いた男に注意の視線を向けながらコソコソと状況の整理をしていた。涼子はその時ふと会議で見たリストに渚の顔を思い出していた。
 渚の能力、エコー・ヴィジョンは優れた聴覚により音を聞いただけで人物や物の位置や体格を脳裏に映像のように記録する事が出来る。
 しかし門から城まではかなり距離がある。木々で生い茂っているせいもあるが炎美達の場所からでは城の1番上の先端しか見えてこない。
 「あそこからだとかなり距離があるぞ。まさかここまでの距離は範囲内ってことか?」
 「分からないけど、考えられるとしたら索敵範囲がかなり広いのか、それとも近くで見張っているのか、もしくはリストに載っていた能力者とはまた違う索敵能力を持っている人がいるのか…」
 「………」
 炎美達は思案を巡らせながら目の前にいる男の顔をリストの顔に照らし合わせていた。しかしこれほど年のいった人物はリストには載っていなかった。
 白凪達は監察署に居た頃はまだ10代ぐらいの歳だった。5、6年でそこまで老ける事はまずあり得ない。
 「となると考えられるのは…」
 炎美達の中で選択肢は1つに絞られていた。『違う索敵能力を持つ能力者』、それが2人の答えだった。
 「新手ってことか。どうする涼子ちゃん?」
 炎美は後ろにいた涼子に相談を持ちかけてきた。炎美にとって涼子は先輩に値している。経験はおそらく涼子の方が上だと思い炎美は涼子の判断に任せようとしていた。実際涼子は志村から白凪達の件は全て一任されておりこの件において戦闘権限は涼子に託されている。
 「相手が能力者かどうかは分からない以上、派手な戦闘は出来ないから抵抗の意思を見せたらとりあえず捕縛しましょ」
 「了解!?」
 涼子はあくまで捕縛を優先とし警戒しながら炎美と一緒に男にゆっくり近づいて行った。
 「私達は異能力者対策で来ましたスフィアの者です。どうか抵抗はなさらず…」
 涼子は念のため男に注意を促した。すると男は突然上体を45度曲げお辞儀をし始めた。
 「存じ上げております。私達一同、心よりお待ちしておりました」
 「なっ、どういう…ッ?!」
 炎美が男を見ながら不思議そうな表情を浮かべていると周りに人の気配を感じ周りを見渡した。
 すると先程まで全く人の気配を感じなかったにもかかわらず炎美達を囲むようにぞろぞろと人が姿を現してきた。いつのまにか2人は脂汗を浮かせながら焦燥した表情に変わっていた。
 「わざわざ赴いてくださって誠に恐縮ですが、ここで死んだいただきたく存じます!」
 そんな中、男が上体を起こすとその目には敵意の眼差しが向けられていた。
 「全員、戦闘を許可する!?」
 門を開け炎美達は西城の所有地にとうとう足を踏み入れた。
 しかしその矢先、1人の男が少し離れた場所で2人を待っていた。
 「ようこそ。遠路はるばるおいでくださいました」
 男は70は超えているだろう老けているがきっちりと整えた白髪と白い髭、身につけている燕尾服姿がかなり似合っていた。
 炎美達は少々頭の整理が追いついていなかったが、身体は自然と警戒していた。
 「もう来る事は気づかれてたのか?」
 「確かリストに索敵に特化してた能力を持ってた子がいたはず。多分それで気づかれたのかも」
 「マジかよ…」
 2人は年老いた男に注意の視線を向けながらコソコソと状況の整理をしていた。涼子はその時ふと会議で見たリストに渚の顔を思い出していた。
 渚の能力、エコー・ヴィジョンは優れた聴覚により音を聞いただけで人物や物の位置や体格を脳裏に映像のように記録する事が出来る。
 しかし門から城まではかなり距離がある。木々で生い茂っているせいもあるが炎美達の場所からでは城の1番上の先端しか見えてこない。
 「あそこからだとかなり距離があるぞ。まさかここまでの距離は範囲内ってことか?」
 「分からないけど、考えられるとしたら索敵範囲がかなり広いのか、それとも近くで見張っているのか、もしくはリストに載っていた能力者とはまた違う索敵能力を持っている人がいるのか…」
 「………」
 炎美達は思案を巡らせながら目の前にいる男の顔をリストの顔に照らし合わせていた。しかしこれほど年のいった人物はリストには載っていなかった。
 白凪達は監察署に居た頃はまだ10代ぐらいの歳だった。5、6年でそこまで老ける事はまずあり得ない。
 「となると考えられるのは…」
 炎美達の中で選択肢は1つに絞られていた。『違う索敵能力を持つ能力者』、それが2人の答えだった。
 「新手ってことか。どうする涼子ちゃん?」
 炎美は後ろにいた涼子に相談を持ちかけてきた。炎美にとって涼子は先輩に値している。経験はおそらく涼子の方が上だと思い炎美は涼子の判断に任せようとしていた。実際涼子は志村から白凪達の件は全て一任されておりこの件において戦闘権限は涼子に託されている。
 「相手が能力者かどうかは分からない以上、派手な戦闘は出来ないから抵抗の意思を見せたらとりあえず捕縛しましょ」
 「了解!?」
 涼子はあくまで捕縛を優先とし警戒しながら炎美と一緒に男にゆっくり近づいて行った。
 「私達は異能力者対策で来ましたスフィアの者です。どうか抵抗はなさらず…」
 涼子は念のため男に注意を促した。すると男は突然上体を45度曲げお辞儀をし始めた。
 「存じ上げております。私達一同、心よりお待ちしておりました」
 「なっ、どういう…ッ?!」
 炎美が男を見ながら不思議そうな表情を浮かべていると周りに人の気配を感じ周りを見渡した。
 すると先程まで全く人の気配を感じなかったにもかかわらず炎美達を囲むようにぞろぞろと人が姿を現してきた。いつのまにか2人は脂汗を浮かせながら焦燥した表情に変わっていた。
 「わざわざ赴いてくださって誠に恐縮ですが、ここで死んだいただきたく存じます!」
 そんな中、男が上体を起こすとその目には敵意の眼差しが向けられていた。
 「全員、戦闘を許可する!?」
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