BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

episode5 #49「白凪 仙」

 「針鼠だと?」

 白凪の紹介にいくつか疑問があったが鬼余彦が1番気になっていた事は彼が盗賊団『針鼠』の頭領であるという事だった。

 「針鼠って言えば数年前に突然現れそして団員の正体すら明かされねーまま姿消したっていう連中だろ?あちこちで金品奪って高飛びしたっていう噂もあったが…」

 すると説明口調で話し出す鬼余彦。話しながら白凪をジッと観察していると落胆の表情を見せ肩を落とした。

 「まさかこんな死人みてーなツラしたクソガキが盗賊の頭はって…ッ!?」

 鬼余彦が肩を落とし皮肉を言っていると背後から何かが飛んできた。しかし鬼余彦はそれを反射的に腕で振り払った。振り払うと同時に後ろを見ると真っ二つに砕かれる剣が浮いているのが見えた。そしてその剣は静かに消滅した。

 「テメエ、何の真似だ!?」

 剣が消滅するところを見た後、鬼余彦は苛立ちを感じながら白凪の方を睨むように振り返った。そして低く静かな声で白凪に問いかけた。その表情からは怒りと憎悪しか感じ取れなかった。

 「ほお。初見で見破られたのは初めてですね。言っとくが僕はガキじゃねー。お前の方が僕より年下に見えるのだが」

 「!?俺が…年下…だと…?」

 白凪の発言に更に苛立つ鬼余彦。実際は鬼余彦が30で白凪は25で白凪の方が年下であった。しかし鬼余彦は見た目が昔とあまり変化が無く30にしてはかなり若い。見た目だけで言えば鬼余彦の方が年下に見えた。

 「殺す!」

 年下に見られたのが癪に触ったようで戦闘体勢に入ろうとする鬼余彦。それに対し白凪は戦闘体勢に入ろうとはせず棒立ちの体勢だったが鬼余彦に対し殺気立たせていた。

 「2人とも!そこまでです!!」

 2人が睨み合っていつ殺り合っても可笑しくはない状況下、多原が大声で2人を制した。あまりに珍しい行動だったのか2人の身体は硬直し多原の方に視線を移した。

 しかしその多原からは殺気等は感じられずまるで飼い主がペットをしつけるように叱っただけのようだ。

 「血気盛んなのは大いに結構ですが私は君と話をしに来ただけです。殺り合うのなら後にして貰ってもいいですか?」

 「…すいません」

 「チッ!」

 多原は説教しながら白凪の方に視線を移した。白凪は多原と目が合うと反省したのか恐縮しながら謝罪した。一方の鬼余彦は機嫌悪そうに舌打ちをしてそっぽを向いた。

 「分かればいいんですよ。さて話を戻しますが君をここに戻って来て貰った理由は一つ。久しぶりに君達に動いて貰いたいんです」

 「!?それは…」

 多原は白凪の方に近寄って来ると真剣な眼差しで白凪の目を見て本題に入り始めた。本題の内容を聞いて白凪は多原の意図を何となく察しがついていた。

 「針鼠の再始動です!」

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