BLOOD HERO'S
episode5 #46「戦いの後」
 ---「何でいつもアンタはこうなっちゃうんだか!」
 「…すいません…」
 八天翔唯一の病院の病室の一室で静かに怒りを燃やす柑菜。そしてその病室のベットの上で正座する炎美。
 ---気絶した2人は数時間後に発見されそのまま緊急搬送された。かなり重傷を負っていたものの人並外れた回復力で一命は取り留めた。そして炎美は特別に個室に移送された。
 それから更に数時間後、炎美の病室に柑菜が訪問して来た。そして現在の形に至っている。
 「まだ3日よ!みっ・か!!アンタの残業を私が代わりにやらなくっちゃいけないのよ!」
 「…はい…」
 柑菜から一方的に説教をくらう炎美。本来は1週間滞在して暫く様子を見るまでが遠征の目的なのだがここに来てまだ3日しか経っていなかった。そこで炎美の代理に柑菜が派遣されたのである。
 「全く。…心配かけさせないでよね」
 「え?今なんて?」
 「な、何でもない!」
 さっきまで怒りを燃やしていた柑菜だったが急変したかのように頰を赤らめにし小声になった。小声で聞き取れなかった炎美が聞き返すと柑菜は頰を更に赤らめそっぽを向いた。
 「とりあえず後の事は私がやっとくからアンタは終わるまでに完治させておきなさい!いい!?」
 「はい…」
 そっぽを向いていた柑菜は炎美を指差し難題を課してきた。医者からは完治するまで1週間はかかると言われていたからだ。しかし炎美は柑菜の機嫌を損ねないように渋々首を縦に振った。
 「じゃあ私、近辺の調査してくるからくれぐれも身体に響くような事しないように」
 「あ、ちょっと待ってくれ柑菜!」
 「んん?」
 柑菜が病室を出ようとした時、炎美が呼び止めてきた。呼び止められると病室の扉の前で炎美の方に振り向く柑菜。
 「あいつ、鬼吾郎はどうなったんだ?」
 炎美はどうしても聞きたかった事を柑菜に聞いてみた。炎美の時とは違い彼は人を殺めている。ただでさえ能力者は危険視されている存在。彼の過去を知っている炎美はどうしてもその事を知りたったのだ。
 「鬼吾郎?ああ、アンタにやられたヤツ?そいつならもう監察署の連中に引き渡されてるわよ。本来なら死刑もあり得るけど、どういう訳か監察署にそのまま保護するらしいわ。まあ暫くはアンタと同じく療養生活でしょうけど」
 「…そっか…」
 柑菜の言葉を聞いて安堵の表情を浮かべる炎美。監察署送りとはいえ命あるだけでも良かったと安心しているのだった。
 鬼吾郎のした事は決して許される事ではないが彼が処刑されるのも何か違う気がした。1番許し難い人物がまだいるのだと思うと。
 「あと多原さんはどこにいるか知ってるか?」
 1番許し難い人物、それは間違いなく多原である。彼の家族を殺し彼の人生を狂わせてしまったあの男を。
 「多原?その人って依頼人の人?さあ?少なくとも私は会ってないわよ」
 「そっか」
 柑菜の言葉を聞いて今度は難しい表情に変わった。おそらく多原とは会う事は無いかもしれない。会うとすればその時は対峙する時かもしれない。
 「もういい?報告とかもしないといけないから仕事戻りたいんだけど」
 「あ、ああ。ありがとう柑菜」
 「…フン」
 色々教えてくれた柑菜に炎美が感謝の言葉を述べた。しかし柑菜は不機嫌そうな表情をしたまま病室を出て行った。
 柑菜が出て行った病室は再び静寂な空間になっているのだった。
 「…すいません…」
 八天翔唯一の病院の病室の一室で静かに怒りを燃やす柑菜。そしてその病室のベットの上で正座する炎美。
 ---気絶した2人は数時間後に発見されそのまま緊急搬送された。かなり重傷を負っていたものの人並外れた回復力で一命は取り留めた。そして炎美は特別に個室に移送された。
 それから更に数時間後、炎美の病室に柑菜が訪問して来た。そして現在の形に至っている。
 「まだ3日よ!みっ・か!!アンタの残業を私が代わりにやらなくっちゃいけないのよ!」
 「…はい…」
 柑菜から一方的に説教をくらう炎美。本来は1週間滞在して暫く様子を見るまでが遠征の目的なのだがここに来てまだ3日しか経っていなかった。そこで炎美の代理に柑菜が派遣されたのである。
 「全く。…心配かけさせないでよね」
 「え?今なんて?」
 「な、何でもない!」
 さっきまで怒りを燃やしていた柑菜だったが急変したかのように頰を赤らめにし小声になった。小声で聞き取れなかった炎美が聞き返すと柑菜は頰を更に赤らめそっぽを向いた。
 「とりあえず後の事は私がやっとくからアンタは終わるまでに完治させておきなさい!いい!?」
 「はい…」
 そっぽを向いていた柑菜は炎美を指差し難題を課してきた。医者からは完治するまで1週間はかかると言われていたからだ。しかし炎美は柑菜の機嫌を損ねないように渋々首を縦に振った。
 「じゃあ私、近辺の調査してくるからくれぐれも身体に響くような事しないように」
 「あ、ちょっと待ってくれ柑菜!」
 「んん?」
 柑菜が病室を出ようとした時、炎美が呼び止めてきた。呼び止められると病室の扉の前で炎美の方に振り向く柑菜。
 「あいつ、鬼吾郎はどうなったんだ?」
 炎美はどうしても聞きたかった事を柑菜に聞いてみた。炎美の時とは違い彼は人を殺めている。ただでさえ能力者は危険視されている存在。彼の過去を知っている炎美はどうしてもその事を知りたったのだ。
 「鬼吾郎?ああ、アンタにやられたヤツ?そいつならもう監察署の連中に引き渡されてるわよ。本来なら死刑もあり得るけど、どういう訳か監察署にそのまま保護するらしいわ。まあ暫くはアンタと同じく療養生活でしょうけど」
 「…そっか…」
 柑菜の言葉を聞いて安堵の表情を浮かべる炎美。監察署送りとはいえ命あるだけでも良かったと安心しているのだった。
 鬼吾郎のした事は決して許される事ではないが彼が処刑されるのも何か違う気がした。1番許し難い人物がまだいるのだと思うと。
 「あと多原さんはどこにいるか知ってるか?」
 1番許し難い人物、それは間違いなく多原である。彼の家族を殺し彼の人生を狂わせてしまったあの男を。
 「多原?その人って依頼人の人?さあ?少なくとも私は会ってないわよ」
 「そっか」
 柑菜の言葉を聞いて今度は難しい表情に変わった。おそらく多原とは会う事は無いかもしれない。会うとすればその時は対峙する時かもしれない。
 「もういい?報告とかもしないといけないから仕事戻りたいんだけど」
 「あ、ああ。ありがとう柑菜」
 「…フン」
 色々教えてくれた柑菜に炎美が感謝の言葉を述べた。しかし柑菜は不機嫌そうな表情をしたまま病室を出て行った。
 柑菜が出て行った病室は再び静寂な空間になっているのだった。
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