BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

episode5 #28「裏切りと囮」

 「すまん!」

 「!?」

 反対派と合流するかたちになってしまった鬼太郎達賛同派。しかし反対派の男達がまず先にとった行動は土下座だった。

 山中に響き渡りそうな声をあげると同時に男達は地面に叩きつけるかのように頭を下げた。鬼太郎達は呆気にとられていたが彼等をよく見ていると微かに腕が震えているのが見えた。

 「俺達は…奴等にビビっちまってた。殺されたくない一心で自分の心騙して…でも…どうにかして助けたかったんだ!」

 すると1番前で土下座していた男が涙ながら本心を述べた。彼等は鬼太郎達を裏切った後、密かに賛同派を助け出す方法を模索していた。

 「こいつらはあんたらを助ける為にわざわざ俺を探しにきたのさ」

 屍鬼は鬼余彦を押さえつけたまま話に割って入り彼等のフォローをし始めた。

 反対派に移った事により白羽の矢が立たなくなり1人2人自由に動いてもバレずにいた。少しずつではあるものの捜索を続けそしてようやく屍鬼を見つける事が出来た。

 「そんでなんとか間に合ったって所だな」

 「………」

 屍鬼が話し終えても尚、鬼太郎達賛同派は何も言えなかった。彼等の気持ちを考えると何と言ってあげればいいのか分からなかったのだ。

 「…フフ」

 「!?」

 すると屍鬼に押さえつけられたままの鬼余彦が突然、吹き出すように笑い出した。

 「その言い方だとまるで俺達を出し抜いたかのように聞こえるね~」

 「何?」

 鬼余彦の言い分に眉をひそめる鬼太郎。彼が何を言いたいのか理解出来なかった。

 「お前達が密かに何か企んでるのは知ってたさ。バレてないと思ってただろうがコッソリ監視はつけていたさ。今頃他の連中ももうココに着いている頃だろうな」

 「なっ…」

 鬼余彦の発言に鬼太郎達の背筋が凍った。もし今囲まれていたなら逃げるには手遅れな状態になっている。

 頼みの綱の屍鬼は鬼余彦を押さえているだけで精いっぱいのようだった。そんな中で襲われればたとえ屍鬼でもただではすまない。

 「鬼太郎さん!マズイ!もう囲まれてるみたいだ!」

 「何だと!?」

 (まさか鬼余彦を囮に…!?)

 すると鬼太郎は賛同派の1人から報告を受け顔から冷や汗が出てきた。まさか鬼余彦を囮に使うとは思ってもいなかった。

 「ハハハハハ!どうやら気づくのが遅かったようだね。ゲームオーバーだ!」

 鬼余彦の笑い声が周辺に響き渡ると反対派の連中が囲む形で姿を現した。

 「今だ!殺れーー!!」

 そして鬼余彦の合図と共に一斉に反対派が賛同派に襲いかかっていった。

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