BLOOD HERO'S
episode5 #23「鬼平」
 ---遡る事20年前、安生弘彦 、改名した当時は産まれて僅か3ヶ月。後に鬼平鬼吾郎と名乗る彼は産まれて間も無い時から孤児院で過ごしていた。
 両親は消息不明。顔も名前も知らない。ただ産まれて間も無い彼は気がつくと孤児院の前に置き手紙と共に乳児カゴの中に入ったままで置き去りにされていた。
 その後、保護された弘彦はその孤児院で過ごすことになったのだが3歳になる頃には里親が見つかり彼は鬼平 鬼太郎の元で過ごすことになった。
 鬼平一家は夫・鬼太郎、妻・鬼美恵、祖母・鬼初の、そして安生弘彦改め鬼吾郎の4名で八天翔の人気のない山の近辺に一軒家を建てて暮らしていた。
 何故この一家がそんな辺境の地に暮らしているのかは鬼吾郎は後に知ることになる。
 それが小学校に入った時のことだった。友達が出来たものの学校で遊ぶだけで放課後や休みの日は誰とも遊べない事に不満を抱いていた。
 「ねえ、お父ちゃん」
 「んん?どうした吾郎?」
 そしてとある日その不満を言おうと決意した鬼吾郎は鬼太郎に問いかけた。
 「なんでおいらん家はこんなに遠い所にあるの?お家変えないの?」
 純粋な質問に鬼太郎は少し悩んだ様子を見せたが視線を鬼吾郎の位置まで低くしゆっくりと鬼吾郎の手を優しく握ってきた。
 「そろそろお前にも話さないといけないかな?」
 「??」
 鬼太郎はそう言うとゆっくりと腰を上げ鬼吾郎の手を引いて行った。
 「どこ行くのお父ちゃん?」
 「お前の答えを教えれる場所にだよ」
 「??」
 鬼太郎の言っている事がイマイチ分かっていない鬼吾郎だったがこれ以上は何も言わず手を引かれたまま鬼太郎の後ろについて行った。
 ---手を引かれて連れて行かれた場所は鬼太郎の書斎だった。書斎には本がキッチリと並べられた本棚が幾つもあり部屋の半分はその本棚で占めていた。
 「うわー、すご~い!」
 初めて見る父の書斎に高揚する鬼吾郎。何の本があるのかは理解していなかったがそれでも沢山の本を見せられて興奮せずにはいられなかった。
 「ハハ、そうか吾郎に見せるのは初めてだったか?」
 「うん!お父ちゃんのお部屋って図書館だったんだね!」
 どうやら鬼吾郎は小学校にある図書室と見比べていたようだった。図書室に比べればそれほど多い訳では無かったがそれでも鬼吾郎にとってそこは図書室のようなものだった。
 「ほら吾郎、そこに座りなさい」
 「ん?はーい!」
 鬼太郎は高揚している鬼吾郎を落ち着かせるべく高い所の本を取る為に使用している踏み台を椅子の代わりにして鬼吾郎を座らせようとした。
 そんな鬼吾郎は素直に言われた通り踏み台に座り出した。鬼吾郎が座ると鬼太郎は何かの本を探すように本棚を漁り出した。そして漁りながらゆっくりと口を開いた。
 「いいかい吾郎?よく聞きなさい。私達はね…鬼の一族なんだよ」
 両親は消息不明。顔も名前も知らない。ただ産まれて間も無い彼は気がつくと孤児院の前に置き手紙と共に乳児カゴの中に入ったままで置き去りにされていた。
 その後、保護された弘彦はその孤児院で過ごすことになったのだが3歳になる頃には里親が見つかり彼は鬼平 鬼太郎の元で過ごすことになった。
 鬼平一家は夫・鬼太郎、妻・鬼美恵、祖母・鬼初の、そして安生弘彦改め鬼吾郎の4名で八天翔の人気のない山の近辺に一軒家を建てて暮らしていた。
 何故この一家がそんな辺境の地に暮らしているのかは鬼吾郎は後に知ることになる。
 それが小学校に入った時のことだった。友達が出来たものの学校で遊ぶだけで放課後や休みの日は誰とも遊べない事に不満を抱いていた。
 「ねえ、お父ちゃん」
 「んん?どうした吾郎?」
 そしてとある日その不満を言おうと決意した鬼吾郎は鬼太郎に問いかけた。
 「なんでおいらん家はこんなに遠い所にあるの?お家変えないの?」
 純粋な質問に鬼太郎は少し悩んだ様子を見せたが視線を鬼吾郎の位置まで低くしゆっくりと鬼吾郎の手を優しく握ってきた。
 「そろそろお前にも話さないといけないかな?」
 「??」
 鬼太郎はそう言うとゆっくりと腰を上げ鬼吾郎の手を引いて行った。
 「どこ行くのお父ちゃん?」
 「お前の答えを教えれる場所にだよ」
 「??」
 鬼太郎の言っている事がイマイチ分かっていない鬼吾郎だったがこれ以上は何も言わず手を引かれたまま鬼太郎の後ろについて行った。
 ---手を引かれて連れて行かれた場所は鬼太郎の書斎だった。書斎には本がキッチリと並べられた本棚が幾つもあり部屋の半分はその本棚で占めていた。
 「うわー、すご~い!」
 初めて見る父の書斎に高揚する鬼吾郎。何の本があるのかは理解していなかったがそれでも沢山の本を見せられて興奮せずにはいられなかった。
 「ハハ、そうか吾郎に見せるのは初めてだったか?」
 「うん!お父ちゃんのお部屋って図書館だったんだね!」
 どうやら鬼吾郎は小学校にある図書室と見比べていたようだった。図書室に比べればそれほど多い訳では無かったがそれでも鬼吾郎にとってそこは図書室のようなものだった。
 「ほら吾郎、そこに座りなさい」
 「ん?はーい!」
 鬼太郎は高揚している鬼吾郎を落ち着かせるべく高い所の本を取る為に使用している踏み台を椅子の代わりにして鬼吾郎を座らせようとした。
 そんな鬼吾郎は素直に言われた通り踏み台に座り出した。鬼吾郎が座ると鬼太郎は何かの本を探すように本棚を漁り出した。そして漁りながらゆっくりと口を開いた。
 「いいかい吾郎?よく聞きなさい。私達はね…鬼の一族なんだよ」
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