BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

episode5 #17「第2ラウンド」

 「がっ!ぐっ!ごはっ!!」

 顔面から地面に叩きつけられるようにバウンドして転がっていった。

 「ハア…ハア…、ッシ!!」

 炎美は息切れを起こしながらも小さくガッツポーズをとった。最悪な状況から一撃を与えられたのは炎美にとってかなり大きな一撃だった。

 この一撃は『本気で来い!』という意味が込められていた。これが鬼平に届くと炎美はふんでいた。

 「………ハハ」

 それに対して50メートルほど飛ばされた鬼平は突如空高々に声をあげて笑いだした。

 「ハハハハハハハハハハッ!!」

 笑いながら上半身を起こす鬼平。思いっきり頭を打ちつけておかしくなってしまったのか?

 「………ハア」

 暫く笑っていると今度は急に笑うのを辞め軽く吐息を吐いた。悔しがっているのかと思いきや鬼平は歯をむき出しにするくらい笑顔だった。

 「おもしれえー」

 「??」

 少し離れていた為、鬼平の一言を炎美には聞き取れていなかった。

 「おもしろく、なってきたぜーー!!」

 今度は一気に立ち上がり叫ぶように大声で発する鬼平。

 「よおし!気に入ったぜアンタ!!アンタの望み通り俺の本気見せてやるよ!!」

 「!?」

 炎美の考えは読まれていた。それを見越していながら鬼平が本気を出さなかったのは炎美が自分が本気を出すに見合っているのか判断する為であった。

 「俺もちっとばかし意固地になってたみたいだ。でももうそんなモンどうだってよくなってきた!アンタの本気を見てみたくなった。だからちゃんと本気見せろよーー!!」

 鬼平は自分を奮い立たせるかのように下を向いて自分の拳を見つめた。そして見つめた拳を強く握った。

 「しゃあーーー!!!よく見てろーーー!!!」

 今まで以上の大声で叫ぶ鬼平。鼓膜が破れそうになる程の大声で思わず耳を塞ぐ炎美。

 だがようやく鬼平は本気を出す。そうすればこちらも能力が使える。嬉しいような嬉しくないような複雑な気分になる炎美。

 それでもここまで来た意味はあったかもしれないと炎美は自分の胸に言い聞かせた。

 何十人もの怪我人を出し数人の命を奪った元凶は間違いなく鬼平だ。その元凶を倒して捕まえれば今回の事件を終わらせることが出来る。

 「分かった。イクゼ!」

 まだ痛みは引いてはいないがそんなことを言っているところではなかった。それに今の炎美はアドレナリンが出まくって痛みよりも『戦ってみたい!』という意欲が強くなっていた。

 「奮い立て!我が血闘よ!」

 炎美VS鬼平の第2ラウンドが始まろうとしていた。

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