BLOOD HERO'S

ノベルバユーザー177222

episode5 #15「鬼の殺意」

 「オラァ!!」

 鬼平はフルスイングで防御したままの炎美を吹っ飛ばした。

 「がっ…」

 片腕で鬼平の攻撃を防御した炎美は地面に叩きつけられるように吹き飛ばされた。何度か地面にバウンドしながら数十メートル飛ばされた。

 (くそっ!骨が折れたかもしんねー)

 防御した片腕から激痛が走った。腕に力を入れようとするが中々力が入らない。手首付近の骨が折れてしまったようだ。

 それだけでなく地面にバウンドした際にも何ヶ所か痛めている。

 「ほおー、初めてだぜ!俺の一撃を喰らって倒れない奴は」

 鬼平は肩に木の棒をかけながら鼻で笑った。しかし鬼平の顔は不服そうな顔に変わった。

 「なんで使ってこねー。何か条件が必要なのか?それともまだ自分の能力を制御出来ねーのか?それとも上司うえからの命令か?」

 炎美は驚きはしたものの悟られないように強張った表情で誤魔化した。

 (こっちの素性を知っている?イヤ、こっちは名乗ってもない。ただの偶然か?)

 「アンタ、スフィアってところから派遣されてきたんだろう?」

 更に確信のつく鬼平の一言に流石の炎美も顔を曇らせた。

 「何で…分かった」

 折れた腕をもう片方の腕で抑えながら問いただす炎美。

 「ここ最近、暴れまくったからな。そろそろ動いてくんじゃねーかと思ってたぜ。それに昨日、オメーあいつとここに来てたろ?」

 「あいつ?」

 『あいつ』と言われると思い当たる人物は1人しかいなかった。炎美の頭の中には多原の姿を思い返した。

 「多原さんのこと知ってたのか?でもそれだけで何で俺がスフィアだってことを…」

 多原はあくまで依頼人。スフィアとは関わり合いはない。なのにそれだけで炎美の素性が知れるのは変な話だ。

 だが炎美が更に問い詰めようとした時、最初に受けたときの殺気を感じた。

 「!?」

 一気に冷や汗が戻ってくるのを感じる炎美。さっきよりも強くなる殺気に思わず後退りしてしまった。鬼平の顔は静かに怒りを燃やしていた。

 「あいつの名前を出すんじゃねー!反吐が出る!」

 さっきの荒げた声とは裏腹に静かに怒りの声をあげる鬼平。一体何故そこまで怒っているのかは分からない。だが今は考えている場合ではない。

 「アンタと多原さんに何が…あったかは…知らねー…けど…」

 (そうだ!先ずは目の前の敵に集中しろ!話はその後だ!)

 すると炎美は痛みを堪えながら立ち上がった。そして一番痛めているであろう折れた腕で動かし力強く握り拳をつくった。

 「話なら…後で聞かせて貰うぜ!!」

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